目で診る緑内障・視神経疾患80

目で診る緑内障・視神経疾患80

■編集 山本 哲也
三村 治

定価 14,300円(税込) (本体13,000円+税)
  • B5変型判  192ページ  オールカラー
  • 2010年8月24日刊行
  • ISBN978-4-7583-0740-6

『スリット所見で診る角膜疾患80』『眼底所見で診る網膜・ぶどう膜疾患96』に続く第3弾! 緑内障・神経疾患の確定診断に役立つ

『スリット所見で診る角膜疾患80』『眼底所見で診る網膜・ぶどう膜疾患96』の姉妹編。緑内障・神経疾患の中で診断を下すのに重要な80の眼底所見・前眼部所見(80症例)を取り上げ,「新入医局員や専門医取得前の眼科医が知るべき所見のStandard Course」,「専門医ならば知っておくべき所見のExpert Course」,「専門外来担当医ならば知るべき所見のMaster Course」に分類。経験や実力に合わせて読み進めることができる。
初診時の所見2点と受診動機を問題形式で呈示し(疑われる疾患は何か? 治療法は何か? など),解答に相当するところは付録の下敷きで隠しながら解いていくことができる。呈示した症例の経過観察の所見,治療後の所見,鑑別すべき類似所見なども載せ,患者さんを診療する際の手引きにもなる。
見開き2頁に1症例(1病態),経過観察順に所見を並べた見やすいレイアウトで,視神経乳頭のバリエーションが多く,アトラスとしても十分使える一冊。


序文

刊行にあたって

 本書「目で診る緑内障・視神経疾患79」は,緑内障専門外来,あるいは神経眼科専門外来で見かける各種疾患を中心に,謎解きの面白さを加味して構成した書籍です。先行する類書「スリット所見で診る角膜疾患80」や「眼底所見で診る網膜・ぶどう膜疾患96」ともども,眼科基礎知識の整理と稀な疾患に対する知的な防備の目的で活用されることを望んでいます。
 眼疾患の診断には際立った特徴があります。見ることでおおよそ診断がつくことです。ただし,“見る”が“診る”になるためには条件があります。疾患のバリエーションを知っておくことです。これには,実際の症例に当たることと機会を逃がさない学習態度が必須です。代表的なものとして,緑内障による視神経障害をあげましょう。「この視神経は緑内障ですか?」という質問はよくいただきますが,個別には大変に難しいことがしばしばです。なるほど,緑内障の視神経の特徴は医学生の教科書にも述べられています。典型例では簡単かもしれません。ですが,現実は違います。判断のつかないことが往々にしてあります。視神経乳頭の直径が大きかったり,小さかったりするだけで,診断に揺れが生じかねません。また,日本人に多い強度近視では緑内障初期例の正確な診断はほとんど無理です。そうした変異を知り,診断の限界を知ることが大切です。本書にはいろいろな視神経の例があげられています。その広がりを楽しんでいただければ幸いです。加えて,本書では前眼部や隅角の所見が診断の鍵となる各種緑内障も多数取り上げました。
 緑内障以外の視神経疾患診断にも,特徴的な所見と症例による揺らぎがあります。本書では,いくつもの“視神経症”,“視神経先天異常”を扱っています。それらの微妙な相違に注意をお払いいただければよろしいかと思います。また,視神経疾患では緑内障以上に問診や全身疾患との兼ね合いが重要となります。そうした話術や他の検査をオーダーするコツも垣間見ていただけるかと思います。
 見開き2頁で構成された各症例の右頁には,左頁の問に対する解答と解説が,画像解析,視野,MRIなどの結果とともに提示されています。それらの所見は魅力的ですが,あくまで補助的であることを忘れてはなりません。自分たちの診た所見により,そうした補助検査が行われたことをお忘れになりませんように,お願いいたします。
 バリエーションのある多くの症例に当たることで,診断の難しい症例群の中にも一定の法則があることに気がついてきます。それが専門家になるということなのです。視神経,前眼部,隅角所見をきちんととれるようになるには,時間がかかります。本書が専門家を目指す皆様の一助になれば編集者としてこれに勝る喜びはありません。
 本書の題材は,岐阜大学,兵庫医科大学,ならびにその関連病院の症例からとりました。わかりやすくするため,一部の題材では実際の経過と異なる記述もありますが,本書の目的である知識の整理を目的としたものであることをお断りいたします。最後に,本書執筆に協力いただいた岐阜大学,兵庫医科大学の教室員,ならびにメジカルビュー社吉川みゆき氏,榊原優子氏に感謝いたします。

2010年7月
山本哲也
三村 治
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目次

Standard Course 
 Case 1 小乳頭による偽乳頭浮腫
 Case 2 小乳頭の緑内障
 Case 3 健眼小乳頭を伴った前部虚血性視神経症
 Case 4 生理的乳頭陥凹 その1
 Case 5 生理的乳頭陥凹 その2
 Case 6 巨大乳頭
 Case 7 上方視神経低形成
 Case 8 乳頭小窩
 Case 9 網膜有髄神経線維症
 Case 10 強度近視と緑内障の合併
 Case 11 rim thinning その1
 Case 12 rim thinning その2
 Case 13 乳頭出血 その1
 Case 14 網膜神経線維層欠損 その1
 Case 15 高血圧によるNFLD
 Case 16 laminar dot sign
 Case 17 網膜神経線維層欠損 その2
 Case 18 乳頭腫脹 その1
 Case 19 小児視神経炎(乳頭浮腫あり)
 Case 20 乳頭血管炎
 Case 21 前部虚血性視神経症(蒼白浮腫)
 Case 22 うっ血乳頭(重度)
 Case 23 甲状腺性視神経症
 Case 24 ステロイド緑内障
 Case 25 急性原発閉塞隅角緑内障
 Case 26 血管新生緑内障
 Case 27 膨隆水晶体による緑内障
 Case 28 慢性原発閉塞隅角緑内障
 Case 29 落屑緑内障
 Case 30 外傷による緑内障
 Case 31 硝子体手術後の緑内障
 Case 32 眼内充填物質による緑内障
 Case 33 視神経乳頭黒色細胞腫
Expert Course 
 Case 34 乳頭出血 その2
 Case 35 乳頭径の異常を伴う緑内障性視神経症 その1
 Case 36 近視眼の緑内障性視神経症 その1
 Case 37 視神経乳頭傾斜症候群とOAG
 Case 38 乳頭出血 その3
 Case 39 Sturge-Weber症候群
 Case 40 小乳頭に伴う緑内障性視神経症
 Case 41 視神経乳頭逆位
 Case 42 Leber遺伝性視神経症 その1
 Case 43 乳頭腫脹 その2
 Case 44 抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎(萎縮期初診)
 Case 45 乳頭浮腫で初診した視神経網膜炎
 Case 46 うっ血乳頭(軽度)
 Case 47 浸潤性視神経症
 Case 48 偽うっ血乳頭
 Case 49 多発性消失性白点症候群(MEWDS)
 Case 50 原田病
 Case 51 視野変化と眼底変化を伴った小乳頭症
 Case 52 高眼圧を伴う視神経先天異常
 Case 53 視神経乳頭メラノーシス
 Case 54 朝顔症候群
 Case 55 視神経乳頭コロボーマ
 Case 56 プラトー虹彩緑内障
 Case 57 Axenfeld-Rieger症候群
 Case 58 早発型発達緑内障
 Case 59 虹彩角膜内皮症候群(ICE症候群)
 Case 60 無虹彩症
 Case 61 ぶどう膜炎による緑内障
 Case 62 小眼球症に伴う緑内障
 Case 63 水晶体脱臼による緑内障
 Case 64 悪性緑内障
 Case 65 Peters anomaly
 Case 66 原田病・後部強膜炎による緑内障
 Master Course 
 Case 67 生理的乳頭陥凹 その3
 Case 68 rim thinning その3
 Case 69 網膜神経線維層欠損 その3
 Case 70 乳頭出血 その4
 Case 71 乳頭径の異常を伴う緑内障性視神経症 その2
 Case 72 近視眼の緑内障性視神経症 その2
 Case 73 近視眼の緑内障性視神経症 最強度近視
 Case 74 抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎
 Case 75 小児視神経炎(乳頭浮腫なし)
 Case 76 perioptic neuritis
 Case 77 Leber遺伝性視神経症 その2
 Case 78 Leber星芒状視神経網膜炎
 Case 79 色素緑内障,色素散布症候群
 Case 80 先天ぶどう膜外反を伴う発達緑内障
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