関節MRI

撮像のコツとアトラス

関節MRI

■編著 新津 守

■著者 新藤 雅司
植野 映子

定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
  • B5判  260ページ  2色,写真800点
  • 2006年4月10日刊行
  • ISBN978-4-7583-0837-3

「関節MRI」の撮り方とコツが一目でわかり,撮像時や読影の際に役立つ画像解剖も充実したアトラス入門書!!

関節MRI検査が増加する一方で,関節MRIは「ポジショニング」から「コイルの選択」まで多種多様かつ複雑さを増しているのが現状である。本書は,「使用コイルの選択」「ポジショニング(体位)」「スライス面の設定方法」「プロトコルの紹介」「正常解剖画像」に沿って,「関節MRI」の撮像法と画像解剖について簡潔に解説してある。「検査前の準備」や「セッティングのコツ」についても触れ,初学者のために「失敗例からも学べる工夫」も盛り込まれている。「正常解剖画像」においては,「横断像」「矢状断像」「冠状断像」の最低3方向の画像を掲載し,写真中には「略語解剖名」を入れ,写真の下には「略語+欧文名+和名」の一覧を掲載してある。全ての画像に「スカウト像」を配置し,スライス面の位置が簡単に把握できるようになっており,さらに個々の画像にそれぞれ「最適パルス系列」も併記してある。実際の検査で役立つ撮像指南書として,放射線科医はもちろん,診療放射線技師や整形外科医にも有用なアトラスである。


序文

「関節のMRIを見ればその施設の力量が判る」
 その通りだと思います。頭部や背椎・背髄,腹部のMRI検査に混じって,たまに関節MRIがきたら,とたんに憂うつになる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 専用コイルも普及し磁場中心に設定しやすい膝や足関節はともかく,手首や肘,肩などの撮像に日ごろ苦心している施設も多いかと推察します。患者さんに無理な体位を要求した挙句に,撮像に手間取り,結局動かれてやり直し,という苦い経験をお持ちの方も多いでしょう。靱帯や腱,半月板や関節包など,関節のMRI検査は非常に高い画質が要求されています。究極的には今最もホットな領域である関節軟骨の微細病変の描出には数十ミクロンの分解能も要求される時代です。すなわち,関節MRIには装置の性能はもちろん,それを十二分に引き出す現場の方々の創意工夫と日ごろの努力,それと患者さんの協力が絶対に不可欠なのです。

全関節の正常解剖のアトラス
 関節は解剖も非常に複雑です。名前も知らないし,それが正常なのか異常なのかも判りません。本を参照しようにも,解剖書はあってもMRIのアトラスは少なく,たまに雑誌の特集号があっても,全関節を網羅しているとは限りませんでした。本書は正常解剖に主眼をおきましたので,臨床例はほとんど入れておりません。また,最近の高分解能画像の要求に答えようと,マイクロスコピーコイルの画像もかなりの枚数を入れました。まだ普及したとは言えないコイルですが,高分解能画像は今後ますます臨床家からの要求が高まるものと思われます。

発展途上のプロトコル
 学会活動や講演会を通じて,「この関節にコイルは何を使ったらよいか」「スライス面をどこに合せれば」「どのパルス系列がいいか」など,今まで多くの質問をいただきました。本書の「撮像のコツ」は私たちの経験に基づくminimal essentialです。理想を言えば,このスライスも撮って,この撮像も追加して,と要求は膨らみますが,一人当たりせいぜい30分くらいしか許されない今の検査現場では無理と言うものです。また,施設の疾患構成と症例の蓄積による各施設ごとの最適プロトコルがあるはずです。本書ではできるだけ30分以内で完了できるような基本的なプロトコルを紹介しました。もちろんこれは私たちが使用しているもので,各施設の実情には合わないかも知れません。これについて修正箇所,改善点などお教えいただければ筆者にとって望外の喜びですし,これらが蓄積してさらに全体としての関節MRIの質が向上すればと願っております。

 本誌の執筆にあたり,MRI撮像にご協力いただいた筑波大学放射線科・南学教授,筑波大学附属病院放射線部・楠本敏博技師長にお礼申し上げます。また,筆者の多くのわがままをお聞きいただいたメジカルビュー社・スタッフ一同に深く感謝いたします。

2006年早春 新津 守
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目次

1  関節MRIを始める前に—まずは準備万端—
 1 なるべく検査着に着替える
 2 マーカー貼付
 3 撮像法の選択
 4 脂肪抑制法
2  顎関節
 1 コイルの選択
 2 ポジショニング
 3 スライス面の設定方法
 4 プロトコルの紹介
 5 正常解剖画像
3  肩
 1 コイルの選択
 2 ポジショニング
 3 スライス面の設定方法
 4 プロトコルの紹介
 5 正常解剖画像
4  肘
 1 コイルの選択
 2 ポジショニング
 3 スライス面の設定方法
 4 プロトコルの紹介
 5 正常解剖画像
5  手関節・手
 1 コイルの選択
 2 ポジショニング
 3 スライス面の設定方法
 4 プロトコルの紹介
 5 正常解剖画像
6  股関節
 1 コイルの選択
 2 ポジショニング
 3 スライス面の設定方法
 4 プロトコルの紹介
 5 正常解剖図
7  膝
 1 コイルの選択
 2 ポジショニング
 3 スライス面の設定方法
 4 プロトコルの紹介
 5 正常解剖画像
8  足
 1 コイルの選択
 2 ポジショニング
 3 スライス面の設定方法
 4 プロトコルの紹介
 5 正常解剖画像
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