即断即決! できる救急IVR

手技のコツとポイント

即断即決! できる救急IVR

■編集 中島 康雄
田島 廣之
西巻 博
大友 康裕

定価 6,600円(税込) (本体6,000円+税)
  • B5判  232ページ  2色(一部カラー),イラスト20点,写真600点
  • 2012年3月19日刊行
  • ISBN978-4-7583-0848-9

救急時にIVRで対応すべく傷害・疾患を網羅した書籍

IVRの手技は実践に基づくところが大きく,経験数が重要となるが,その経験をこれから積み上げていく医師にとって,実際の救急現場での未経験症例の対応には書籍からの知識が必要である。
本書では,外傷・疾患別にIVRの適応,基本手技から合併症への対応を示してある。また,救急時の対応に窮しないよう,必要に応じ診断・手技の選択に役立つチャートを付記しイメージしやすい構成となっている。
できるだけ基本的な内容に特化し,また全身を網羅し豊富にIVR手技を取りあげているので,経験の浅い救急医やこれから救急医療に従事する医師にとって役立つ内容が満載の書籍である。


序文

 IVRは救急医療においてすでに確立した地位を占めるようになって久しい。特に重症患者,基礎疾患のある患者で外科的処置を必要とする状況では常に“IVRで何とかならないか”という考えがIVRに携わっていない臨床医のなかにも浸透しつつある。したがって意欲のある救急医や外科医,内科医もIVRの知識だけでなく自らIVR
手技をマスターしたいという要求は高まりつつある。
 一方,放射線科医は幅広い領域でカテーテル技術を磨いている点で,あらゆる疾患への対応を求められる救急疾患のIVRでは中心的役割を果たしているが,今後は臨床医への啓発,教育に対する期待も大きい。筆者が代表を務める日本救急放射線研究会はそのような活動の母体となりつつある。
 さて,実診療で救急患者に対しIVRで治療できる可能性を感じたとき,何ができるのか? どのようにするのか? その際何に注意するのか? 合併症として主治医や患者,家族に伝えることは何か? そして何より本当にやっていいのか? などをさっと調べられるレファレンスは誰もが求めている。本書の前身ともいえる『救急疾患のIVR』は石川 徹,隈崎達夫先生の編集で1998年第1版が刊行され,その後5年で第2版が刊行された。合わせて15年の長い歴史を刻んだ同書のコンセプトは“現場で役立つ”ことにあった。本書はそのコンセプトをさらに強く意識してまったく新し
い形で編集した。
 誰にも使いやすいレファレンスとなるように,扱う疾患は冠動脈疾患からイレウス管挿入まで救急で対応を迫られる疾患をできるだけ網羅した。執筆は第一線でIVR手技を行っている若手放射線科医を中心に内科,救急,外科など多彩な顔ぶれで構成した。素早く知識の整理,復習ができるようにまず“How to do it?”で検査,治療の進め方と判断のポイントを示し,それに引き続いて“実際の手技”の解説を症例中心にまとめられている。また諸処に総説やコラムをつけ,今のトレンドや考え方についても付記した。
 すそ野の広がりつつある救急疾患に対するIVRに関して,本書がこれからIVRを学ぶ研修医だけでなく,日々救急疾患に対しIVRを武器に立ち向かっている放射線科医,救急医,外科医,内科医にとって頼りになる相談相手となれば望外の喜びである。

2012年3月
聖マリアンナ医科大学放射線科 中島康雄
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目次

Vascular IVR
第1 章 外傷のIVR
 ❶ 頭頸部外傷Basic Point 磯谷栄二
    顔面外傷−鼻出血/ 顔面出血など 森本公平ほか
    頸部動脈損傷−椎骨動脈損傷  森本公平ほか
 ❷ 胸部外傷Basic Point 三木隆久ほか
    肺実質損傷−外傷性肺動脈損傷 小野澤志郎ほか
    胸壁損傷 肋間動脈損傷 嶺 貴彦ほか
 ❸ 血管損傷Basic Point 加地正人
    胸部大動脈損傷 西巻 博ほか
    腹部大動脈損傷 川俣博志ほか
    腎動脈損傷  樫見文枝ほか
    骨盤動脈損傷−下腹壁動脈損傷 小野澤志郎ほか
 ❹ 腹部臓器損傷Basic Point 大友康裕
      【大動脈遮断バルーンカテーテル(intra-aortic balloon occlude;IABO)】 大友康裕
    肝損傷 樫見文枝ほか
      【腹部実質損傷のIVR を考慮するとき考えるべきポイント】 中島康雄
    脾損傷 松下彰一郎ほか
    腎損傷 橘和聡文ほか
    副腎損傷 嶺 貴彦ほか
    腸間膜損傷 萩原章嘉
    膵損傷 井口博善
 ❺ 骨盤外傷Basic Point 加藤 宏
    骨盤骨折−動脈出血  西巻 博
    骨盤骨折−静脈出血  西巻 博
 ❻ 四肢外傷Basic Point 大泉 旭
    鎖骨下動脈損傷 上田達夫ほか
    上肢 下肢動脈損傷−出血 川俣博志ほか
 ❼ 外傷診療におけるIVR-理解しておくべきポイント 松本純一ほか

第2 章 非外傷のIVR
 ❶ 頭部・頸部
    急性期脳梗塞に対する脳血管内治療 植田敏浩
    急性期内頸動脈閉塞に対する血行再建術 植田敏浩
    破裂脳動脈瘤(コイリング) 植田敏浩
    椎骨動脈解離 植田敏浩
    癌血管浸潤(ステントグラフト)  嶺 貴彦ほか
    癌血管浸潤(コイリング,NBCA) 竹ノ下尚子ほか
 ❷ 胸部
    喀血(気管支動脈塞栓術;BAE)  金城忠志ほか
    急性肺血栓塞栓症(血栓溶解・破砕・吸引療法) 中澤 賢ほか
    肺動脈損傷−医原性  田島廣之ほか
 ❸ 心・血管
   急性心筋梗塞
    急性心筋梗塞に対するPCI  山本英世ほか
    ショックへの対応(IABP,PCPS) 山本英世ほか
     【PCPS の正しい入れ方】 関  裕
   IVR 中における冠動脈損傷  山本英世ほか
   大動脈解離Basic Point 西巻 博
    大動脈解離(ステントグラフト内挿術) 西巻 博
    大動脈解離(経カテーテル的内膜開窓術) 西巻 博
     【虚血に陥った分枝血管に対するステント留置】 田島廣之
   大動脈破裂
    胸部大動脈瘤破裂(ステントグラフト) 田島廣之ほか
    腹部大動脈破裂(ステントグラフト) 田島廣之ほか
    腸骨動脈破裂(ステントグラフト) 川俣博志ほか
    上腸間膜動脈解離  吉松美佐子ほか
 ❹ 腹部
   上部消化管出血Basic Point 吉川和秀
    胃 十二指腸潰瘍 安井大祐ほか
    門脈圧亢進症
     胃静脈瘤(経皮経肝的門脈塞栓術;PTO) 内山史生ほか
     直腸静脈瘤(経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術;TIPS) 安井大祐ほか
     胃静脈瘤(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術;B-RTO) 内山史生ほか
     十二指腸静脈瘤(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術;B-RTO)秋葉絢子ほか
    腫瘍出血 濱口真吾ほか
   下部消化管出血Basic Point 吉川和秀
    動静脈奇形〈AVM〉 杉原史恵ほか
    大動脈腸管瘻 小川普久
   腹腔内 後腹膜出血Basic Point 小島光暁
    原発性肝細胞癌破裂 山口英宣ほか
    内臓動脈瘤破裂
     肝動脈 杉原史恵ほか
     胃動脈 上田達夫ほか
     脾動脈 嶺 貴彦ほか
    後腹膜腫瘍出血−腎血管筋脂肪腫破裂 橘和聡文
    特異型血管疾患〈SAM〉 小川普久
    膵頭十二指腸切除術後の術後出血  秋葉絢子ほか
   血栓症
    上腸間膜動脈血栓塞栓症  金城忠志ほか
    門脈血栓症 橋本一樹ほか
   その他
    重症急性膵炎(動注) 村上健司ほか
    非閉塞性腸間膜虚血〈NOMI〉 ウッドハムス玲子ほか
 ❺ 泌尿器 生殖器
    産科出血に対する動脈塞栓術 竹ノ下尚子ほか
      【産科致死的出血に対してIVR を行うときの注意点】 中島康雄
    持続性陰茎勃起症 小笠原 豪ほか
 ❻ 四肢
    急性四肢動脈閉塞症 上田達夫ほか
    深部静脈血栓症(血栓溶解 破砕 吸引術 IVCフィルター留置術) 中澤 賢ほか
 ❼ 血管内異物除去
    血管内異物除去−静脈 小川普久
    血管内異物除去−動脈 小川普久

Non Vascular IVR
第1 章 胸部のIVR
    心嚢ドレナージ 山本英世ほか
    膿胸(胸腔穿刺) 小池祐哉ほか
    気管 気管支狭窄(気道ステント留置術) 延山誠一ほか
    降下性壊死性縦隔炎(縦隔ドレナージ) 荒井保典
第2 章 腹部のIVR
    急性胆管炎 胆嚢炎Basic Point 本藤憲一
      【PTCD と内視鏡的胆管ドレナージとの違い:よい点 悪い点】 山内栄五郎
     急性胆嚢炎(PTGBD) 山内栄五郎ほか
     胆管炎 閉塞性黄疸(PTCD あるいはPTBD)山内栄五郎ほか
    膵仮性嚢胞 熊野玲子ほか
    輸入脚閉塞 八木橋国博ほか
    急性腸閉塞
     小腸閉塞症に対するイレウスチューブ挿入術 早川克己ほか
     成人腸重積(注腸整復術) 早川克己ほか
    腹部膿瘍ドレナージ 荒井保典
     肝膿瘍 荒井保典
     腹腔内膿瘍 荒井保典
     骨盤内膿瘍 荒井保典
    尿路閉塞
     水腎症 濱口真吾ほか
     膀胱瘻 樫見文枝ほか

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