MRI応用自在

第3版

MRI応用自在

■監修 高原 太郎

■編集 高橋 光幸
中村 理宣
北川 久
堀江 朋彦

■編集協力 扇 和之

定価 8,250円(税込) (本体7,500円+税)
  • i_dl.jpg
  • B5変型判  464ページ  2色(一部カラー),写真2,000点,第2版項目閲覧サービス付き
  • 2013年9月24日刊行
  • ISBN978-4-7583-0894-6
  • MRI応用自在ARCHIVE

臨床現場で即役立つ! MRIに関わるあらゆるエキスパートの知識と知恵を集結した,MRIの基礎から最新応用を総括的にわかりやすく学べる最強の1冊

本書は2001年に初版が刊行されベストセラーとなったMRIの最新技術や診断方法などについて解説されたテキストの第3版である。
豊富で分かりやすい内容と執筆者の熱意はそのまま,さらにバランスのとれた内容をめざし,また将来さらにMRIが進歩する可能性を考慮し,ダイナミックに項目と執筆者を入れ替え,時代に適した構成とした。難解な基礎原理も分かりやすく要点だけをおさえられるよう,また臨床についても最適な画像を得るために,エキスパートの知識と知恵を集結した渾身の1冊である。
また,第3版に掲載できなくなった第2版の項目をHP上で閲覧できるサービスを提供することで,MRIの進歩において知っておくべき内容も恒久的に学べるよう配慮した。


序文

 「MRI応用自在」は,1999年に上梓された「MRI自由自在」・「MRI準備体操」に続き企画された本です。それまでの二書が入門用に書かれたのとは異なり,この書は日々MRIを実践するパワー・ユーザーと,モダリティメーカーに勤める専門家の皆様を読者として想定したもので,高度で広範なMRI技術を分かりやすく解説することを主眼としました。2001年に初版が,また2004年に改定第2版を刊行した際には,いずれも年余に渡る増刷がなされ,これだけ読者の支持をいただけたのは,分担執筆者の熱意が皆に伝わったところによるものであると感じます。

第2版の監修・故 蜂屋順一先生について
 改訂第2版では,杏林大学の蜂屋順一教授に監修をいただき,どのように仕事を進めるべきかについて教えていただきました。蜂屋先生は,私が活発な研究活動や,本の編纂はするものの,まったく学術的に結実させない(論文を書かない)ことを大変心配しておられ,幾度と無くお叱りの言葉を頂戴しました。最後に「仕方がないな」とにこやかにされるその優しさに,かえって自分の不甲斐なさが心に刻まれたものです。その後,私は東海大学へ転身し,杏林大学在籍中に始めたDWIBS法の研究が,今井裕教授との共同論文として日本の英語雑誌(Radiation Medicine)に掲載され,これがきっかけとなり,オランダに渡ってスタッフとして働くチャンスを得ました。その際に,Thomas Kwee氏と出会い,直近5年程度の研究成果のほぼすべてを形にするという類い稀な幸運に巡りあわせたのです。振り返ってみると,自分にとって,ひとつの論文がとてつもないインパクトをもたらしてくれたことになります。2本目はオランダで行ったMR-neurographyの研究で,これは幸運にもRadiology誌に表紙採用されました。その掲載論文を「今度帰国した際に蜂屋先生にお届けしよう」と思った矢先,よもやの急逝の報に接しました。先生の恩に報いることができなかった不肖の弟子ではありますが,今こうして監修をさせていただくことになり,思いを馳せるのはやはり,研究成果を論文にまとめなさいと指導してくれた先生のことです。本書が皆さんの先端研究のヒントになり,論文につながることを切に希望しております。

ストーン・ヘンジと,編集者・執筆者について
 本書も含め,3回の表紙はすべてストーン・ヘンジをモチーフにしています。これは,ストーン・ヘンジが多数の柱で構成されているので,「皆でひとつのものをつくりあげる」ことの象徴だと感じるからです。第3版においては,日本のMRIをリードする技師4氏(高橋光幸氏,堀江朋彦氏,中村理宣氏,北川久氏)に編集を,また扇和之先生に編集協力をしていただけることとなり,編集会議を通して名前の挙がった各方面のエキスパートに執筆をお願いしました。今までにも増して錚々たる執筆陣の皆様に,心を砕いて原稿をお書きいただき,深謝を申し上げる次第です。特に,井田正博先生,谷本伸弘先生には,ご多忙の中,困難で長い仕事を完遂していただいたことは身に余る光栄です。なお,通常は表記を統一する用語(b値とb-valueなど)も,敢えて本書ではゆらぎを残しました。ことばの多様性を尊重したいと考えたからです。
 本書の表紙は,以前筆者が現地を訪れた際に,ストーン・ヘンジの回りを180度に渡り,数歩ずつ立ち止まりながら移動し,撮影を繰り返した写真を並べました。視点が少しずつずれるので,ステレオ写真として見ることもできます。「MRI応用自在」の文字が混在するため,なかなか見にくいとは思いますが,ぜひ,「どんな病変でもMR画像に捉えるエキスパート」よろしく,立体視に挑戦していただけたらと思います。

 最後に,かなり前書とのブランクが長く,難しい再企画であった本書の改訂を,格別の熱意で推し進めていただいたメジカルビュー社の川村義照総務部長に深く感謝を申し上げる次第です。また担当の中澤恵さんは,「臨床画像」などの月刊誌を務める傍らこの仕事を引き受けていただき,ときには日曜日にも仕事をしてくださるなど,その献身ぶりに編者は等しく感銘を覚えました。紙面を借りて,改めて,深く御礼を申し上げます。
 昨今は,「自炊」と称されるスキャンによって,簡単にデジタル化出来る時代となり,購入した個人自らの使用の範囲を超えて,これらを手にする方もいらっしゃいますが,ぜひ,上述した,多くの方々の途方も無い努力と情熱に鑑み,本物を用いて研鑽を積んでいただければと願っています。

2013年8月
高原太郎
全文表示する

目次

技術的事項
I k-space/sequence parameterの意味
 1 k-space  梅崎好永
 2 シーケンスチャート:Pulse Sequence Timing Diagram  松田 豪
 3 バンド幅  谷口貴久
 4 造影灌流画像  井田正博
 5 Perfusionに関するパラメーター(DCE-MRI)  筑井 徹
 6 Diffusionに関連するパラメーター  中村智哉
 7 MRS  磯辺智範

Ⅱ Parallel Imaging
 1 SENSE  小原 真
 2 ARC  浅野健二
 3 Parallel Acquisition Techniqueの変革  宇根田宏徳
 4 EXPAND(折り返しアーチファクトの低減)  町田好男

Ⅲ 脂肪抑制関連技術
 1 ProSet  田渕 隆
 2 IDEAL/IDEAL IQ  内海一行
 3 FLEX/mDIXON  吉満研吾
 4 SSGR  高原太郎
 5 SPAIR  北 美保

Ⅳ 高速SE法 T2WI関連
 1 Hyperecho,TRAPS  押尾晃一
 2 PROPELLER/BLADE/MultiVane/JET/RADER  森 墾
 3 3D VRFA-TSE 概念と理論  米山正己
 4 3D VRFA-TSE 臨床応用  北川 久

Ⅴ 高速Gradient Echo法関連
 1 balanced SSFP 原理  米山正己
 2 balanced SSFP 臨床応用で注意すべき点  米山正己
 3 balanced SSFP—脂肪抑制  米山正己
 4 balanced SSFP—プリパルスによるコントラストの付加  米山正己
 5 THRIVE/VIBE/eTHRIVE/LAVA  望月智広
 6 MPRAGE/IR-SPGR  北川 久
 7 MP2RAGE  洞田貫啓一

Ⅵ T2*WIとその周辺技術
 1 SWI  宇根田宏徳
 2 位相差強調画像化法:PADRE  米田哲也
 3 MERGE  清水俊博
 4 COSMIC  清水俊博
 5 SWAN  椛沢宏之

Ⅶ 拡散強調画像
 1 ADCとSNRの関係  尾崎正則
 2 Mono-exponentialとBi-exponential  田村隆行
 3 Gradient overplus  福間由紀子
 4 Tetrahedral encoding  平野勝也
 5 Computed DWI  高原太郎
 6 ADC histogram analysis  高原太郎
 7 Dual SE DWI/Twice refocus SE DWI  北川 久
 8 Readout Segmented EPI (RESOLVE)  長縄慎二
 9 Low b value imagingの特徴  中 孝文
 10 MSDE  丹治 一
 11 IVIM  本杉宇太郎
 12 q-space  鈴木雄一,畑 純一
 13 DKI  鈴木雄一,畑 純一
 14 Cine DP SSFP  遠藤和之,高原太郎
 15 躯幹部の広範囲拡散強調画像(DWIBS)  高原太郎,今井 裕
 16 Direct coronal Diffusion  梶原 直,高原太郎

Ⅷ Motion correction・高速撮影技術
 1 Navigator echo  田渕 隆
 2 PACE  高橋順士
 3 3D-PROMO  内田幸司
 4 Spiral scan  奥秋知幸
 5 圧縮センシング(Compressed Sensing)  田中利幸
 6 メタルアーチファクト低減技術  宇根田宏徳

Ⅸ MR-neurography
 1 ProSet-FFEによる神経根描出  堀田昌利,扇 和之
 2 DW-MRN   高原太郎
 3 DW-SSFP  長縄慎二
 4 Dp-MRN(Diffusion-prepared MR Neurography)  米山正己
 5 DKIおよびQSIを用いた脊髄神経の描出  堀 正明

X  そのほかの計測・撮影技術
 1 T1ρ  青山信和
 2 UTE(Ultra shirt TE)  奥秋知幸
 3 MR microscopy  巨瀬勝美
 4 局所励起技術 (ZOOMit)  宇根田宏徳
 5 LOLO  小原 真
 6 Voxel based morphometry  後藤政美
 7 SPM8とDARTEL解析  後藤政美
 8 VSRAD  後藤政美
 9 PSIR  鈴木儀典

XI ハード・安全など
 1 MRIの安全管理  土橋俊男
 2 震災後のMRI対応  引地健生
 3 条件付MRI対応ペースメーカー  宮崎 功
 4 MRI用マーカー  石森文朗
 5 3 Tesla MRI  佐々木真理
 6 3 Tの(運用)撮像技術  梶原 直
 7 7 Tesla MRI  高原太郎
 8 MRガイド下集束超音波療法(MR-guided FUS)  村上卓道
 9 MR用インジェクター  傳法昌幸
 10 楕円型ガントリーボア  立花美紀
 11 Pianissimo  淀 健治
 12 国内臨床開発中のMRI造影剤(ガトブトロール)  多々井久徳,辻 孝司

臨床応用
I Hydrography
 1 概論  高原太郎,原留弘樹
 2 シングルショット高速SE(SSFSE)と容積  小林邦典
 3 MRCP─ピットフォール  入江裕之
 4 MR urography  小澤由莉子
 5 MR cisternography,MR myelography  長縄慎二
 6 MR amniofetography  原田明典,扇 和之

Ⅱ 脳
 1 拡散強調画像 概論  佐々木真理
 2 拡散画像─急性期脳梗塞  井田正博
 3 拡散テンソル  森 進
 4 拡散テンソル その他の発展内容  酒井晃二
 5 functional MRI  山田 惠
 6 MRDSA  土屋一洋,片瀬七朗
 7 プロトン密度強調画像とFLAIR  佐々木真理
 8 T2RとSTIR  佐々木真理
 9 CEST/APT  栂尾 理
 10 MSDEによる脳転移の検索  吉浦 敬

Ⅲ 乳腺
 1 MR mammography  印牧義英
 2 VIBRANT  中村弘美
 3 SmartExam Breast  武村 濃
 4 乳腺の拡散強調画像—Multiple b factor DWI  黒木嘉典
 5 乳腺の高分解能拡散強調画像  又吉 隆
 6 乳腺MRIガイド下生検(Biopsy)  戸崎光宏

Ⅳ 肝臓
 1 腹部におけるHigh b value  市川智章
 2 Low b value  渡邊祐司
 3 DWIにおける動きの影響  那須克宏
 4 EOB-DTPA  谷本伸弘
 5 脂肪・鉄定量  増井孝之
 6 MR-Elastography  本杉宇太郎

Ⅴ 肺
 1 肺におけるMRIの意義  岩澤多恵
 2 Oxygen-enhanced MRIの実際  大野良治
 3 Perfusion MRIの実行と解析  大野良治
 4 MRIを用いた肺癌のステージング  大野良治

Ⅵ 骨盤
 1 前立腺癌のMRI診断  片平和博
 2 女性骨盤のMRI検査  高津安男

Ⅶ 消化管
 1 急性期小腸閉塞  高原太郎,福島 徹
 2 小腸—その他  高原太郎
 3 直腸:直腸癌の治療方針決定におけるMRIの役割  那須克宏

Ⅷ 心臓,血管,全身
 1 心臓検査におけるMRIの意義  横山健一
 2 心筋虚血と梗塞の診断  伊藤達郎,石田正樹

Ⅸ 血管イメージング
 1 4D-Flow(三次元シネ位相コントラスト法)  竹原康雄,寺田理希
 2 FBI/TRANCE/Native/Inhance delta  淀 健治,宮崎美津恵
 3 Arterial spin labeling (ASL)  中村理宣
 4 pulsed ASLの臨床応用  藤間憲幸
 5 pCASLの臨床応用  藤原康博
 6 CINEMAの技術解説  中村理宣
 7 CINEMAの臨床応用  井料保彦,平井俊
 8 Time-SLIP  山本晃義
 9 Vessel wall imaging(Plaque imaging)①  田渕 隆
 10 Vessel wall imaging(Plaque imaging)②  井上裕二
 11 MR venography-2D TOF呼吸補正併用  秦 博文

Ⅹ 小児
 1 小児・胎児検査の勘どころ  丹羽 徹
全文表示する

関連する
オススメ書籍