NS NOW No.1

基本的テント上脳動脈瘤手術

安全に手術するノウハウはこれだ

基本的テント上脳動脈瘤手術

■担当編集委員 塩川 芳昭

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  148ページ  2色(一部カラー),イラスト140点,写真50点
  • 2008年3月10日刊行
  • ISBN978-4-7583-0908-0

在庫僅少です。


NS NOW創刊第1号! 脳動脈瘤手術のノウハウをエキスパートが伝授! 若手脳神経外科医必携の一冊!

NS NOWシリーズの第1号として,疾患の頻度や手技の確実性,さらには,すべての脳神経外科手術の基本となる要素を含んでいることの理由から,基本的テント上脳動脈瘤手術を取り上げた。
前半では,テクニックを中心とした動脈瘤手術の各ステップにおけるチップスを簡潔にまとめた。後半では,部位ごとの具体的動脈瘤を取り上げ,ベテラン医師のホンネやコダワリ,テクニックを解説した。随所に手術経験豊かな術者ならではの思い入れや哲学を網羅した。

■シリーズ編集委員
寺本 明/新井 一/塩川芳昭/大畑建治


序文

 すでに脳神経外科の手術書が内外に数多くあるなかで,このNeurosurgery Now(エヌエス ナウ)シリーズは,これから術者として活躍していこうとしている専門医取得前後の世代を対象に,ベテラン医師が若手教室員を実際に手術室で指導しているような臨場感で,基本からトラブル回避のためのコダワリ,工夫,コツに至るまで,その「奥義」を余すところなく記されている点が特徴となっています。その最初のテーマとして基本的テント上脳動脈瘤がとりあげられたのは,単に動脈瘤閉塞にとどまらず,この手術がすべての脳神経外科手術の基本となる要素を多く含んでいるからに他なりません。執筆者はまさに現代のわが国を代表する指導的術者の方々であり,日常的疾患であることもあって,日ごろの熱血指導を彷彿とさせるような内容となっています。
 前半のテクニックを中心とした動脈瘤手術の各ステップにおける記載では,静止画や活字ではなかなか表現しにくいチップスがよくまとめられており,随所に数百例を超える手術経験を有する術者ならではの思い入れや哲学が伝わってまいります。後半は,部位ごとに典型的症例を想定したベテラン医師による解説付き手術記録の様を呈しております。体位や開頭などについては一見したところ重複した記載にもみえますが,それぞれに微妙な相違があり各執筆者の信念が滲み出ている部分があるかと思えば,逆にまったく異なる表現でありながら,やろうとしている手技は本質的に同一であるところもあります。何気ない記載に共感を感じたり,あるいは自分とは異なる手技に新鮮な思いを抱く箇所も見られたりと,読者の手術経験や力量の向上とともに,本書を読み返していただくと新しい発見が見出されるような出来栄えになったのではないか,と編者として自負するとことがあるとすれば,ひとえに執筆者の方々の熱意によるものであり,あらためて感謝申し上げる次第です。
 時代は低侵襲治療の方向へ向かっていることは確かとはいえ,動脈瘤手術手技は動脈瘤治療のみならず脳神経外科手術の基本であることに変わりはなく,本書が向学心に燃える若き脳神経外科医に熟読され,手術手技の向上に貢献することを願うものです。

2008年3月
塩川芳昭
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目次

I 脳動脈瘤手術−各ステップにおけるチップス
 体位,皮切,開閉頭  鈴木倫保,秋村龍夫
  手術室のレイアウト
  体位,患者の固定
  前頭側頭開頭
  両側前頭開頭
  閉頭
 シルビウス裂の開放  波出石 弘
  本術式の特徴
  手術手技
   手術体位・頭位
   皮切・開頭・硬膜切開
   superficial sylvian veinの観察
   superficial sylvian veinの切離
   paper knife technique
   microvascular sylvian fissure
   denude technique
   内頚動脈後方の観察
 動脈瘤剥離の要点  石川達哉
  周辺の剥離
   動脈瘤まわりの基本原則:landmark arteryの確保
   動脈・動脈瘤の解剖学的原則
  動脈瘤の剥離
   剥離に使用する器械
   剥離の順序
   剥離の範囲
   剥離をする相手(対象物)
  確認の剥離
 クリップによる動脈瘤閉塞  本郷一博
  アウトライン
  脳動脈瘤手術に対する基本的姿勢
  手術顕微鏡のよる硬膜内操作
  動脈瘤クリッピングに際しての心得,基本的な姿勢
  クリッピングの方法
   tentative clipping
   multiple clipping
   formation clipping
   booster clipping
   shank clipping
   compression clipping
   rotation advance
  temporary clippingの考え方,行い方
  large aneurysmの際のクリッピング
 術中破裂の対策  佐々木雄彦
  術中破裂対策の各段階
  手術早期の破裂
   破裂の状況
   破裂防止
   破裂時の対処
  脳の圧排による破裂
   破裂の状況
   破裂防止
   破裂時の対処
  脳動脈瘤剥離の際の破裂
   破裂の状況
   破裂防止
   破裂時の対処
  破裂したときの心構え
 脳動脈瘤手術支援1:電気生理学的モニタリング  鈴木恭一,佐々木達也
  モリタリングの役割
  モリタリング法の選択
  運動誘発電位
   記録法
   麻酔
   判定基準および術後運動機能との関連
  視覚誘発電位
   記録法
   麻酔
   判定基準および術後視機能障害との関連
  今後の課題
 脳動脈瘤手術支援2:内視鏡支援によるテント上脳動脈瘤の手術  木内博之,杉田正夫
  本術式の特徴
  術前準備
   内視鏡および周辺装置の準備(セッティング)
   内視鏡固定装置
   術野における操作
  手術手技
   内頚動脈瘤クリッピングにおける内視鏡支援
   前交通動脈瘤の手術における内視鏡支援
  神経内視鏡支援手術の今後

II 部位ごとの脳動脈瘤手術−このピットフォールに陥らない
 内頚動脈眼動脈分岐部動脈瘤  伊達 勲
  本術式の特徴
  術前準備
   手術体位
   術中血管造影・Doppler・MEPの準備
   術前のBTO
  手術手技
   アプローチ側
   皮切
   骨切除(high speed drillと超音波骨メス)
   クリッピング
   クリッピング後
   閉創
   合併症
 内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤  毛利正直,宮本 享
  本術式の特徴
  手術手技
   術前準備
   手術手技(マクロ操作)
   開けにくいシルビウス裂の開け方
   動脈瘤周囲の操作
 内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤と内頚動脈分岐部動脈瘤  安井敏裕
  本術式の特徴
  手術手技
   術前準備
   手術手技(マクロ)
   手術手技(マイクロ)
   合併症
 中大脳動脈瘤ー中枢側からの接近  岩間 亨
  本術式の特徴
  手術手技
   手術手技(マクロ操作)
   手術手技(マイクロ操作)
 中大脳動脈瘤ー末梢側からの接近  清水宏明,冨永悌二
  本術式の特徴
  手術手技
   術前準備
   手術手技
 前交通動脈瘤ーシルビウス裂からの接近  塩川芳昭
  本術式の特徴
  手術手技
   手術側の決定
   手術手技(マクロ操作)
   手術手技(マイクロ操作)
   Acom手術の重要なコンセプトとは
 前交通動脈瘤ー大脳半球間裂からの接近  藤岡正導
  本術式の特徴
  手術手技
   進入法
   手術手技(マクロ操作)
   手術手技(マイクロ操作)
   動脈瘤手術に共通するコンセプト  
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