NS NOW No.2

神経内視鏡手術

技術認定から応用まで

神経内視鏡手術

■担当編集委員 寺本 明

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  188ページ  オールカラー,イラスト200点,写真180点
  • 2008年3月10日刊行
  • ISBN978-4-7583-0909-7

技術認定から応用まですべてを網羅した神経内視鏡手術:NS NOW第2段!

神経内視鏡手術のエキスパートたちによってまとめられた実践書である。
サブスペシャリティーとして,最も注目されている手術手技であり,進歩の目まぐるしいジャンルである。神経内視鏡手術をこれから始めようという若手脳神経外科医,もしくは少し始めているという中堅脳神経外科医に向けた1から10までを記した分かりやすい手技をオールカラーで写真とイラストにて解説している。
前半では技術認定に基づいた項目でまとめられ,器具の扱いからアプローチや基本手技の実際を丁寧に詳述。後半では疾患別応用編として,知っておくべき手技方法を著者が普段行っている方法で解説する。
本書をしっかり読んでレベルアップした神経内視鏡手術に臨んでいただきたい。

■シリーズ編集委員
寺本 明/新井 一/塩川芳昭/大畑建治


序文

 現在の外科系医療の中で大きな進歩を示しているのは内視鏡手術である。脳神経外科領域でも30年以上前に内視鏡手術が試みられた一時期があるが,機器の性能や消毒法の開発が不十分なため普及には至らなかった。これらがほぼ解決し,再び内視鏡手術への期待が大きく高まったのが1990年代である。その気運を受けて1994年には日本内視鏡学会(当時は研究会)が発足した。更に2002年には水頭症手術(K174)に対して神経内視鏡による脳室穿破術が始めて保険適応とされた。体中どの臓器でも内視鏡手術は順調に運べば低侵襲であり患者には大変な福音であるが,適切な技術が伴わないとむしろ通常の手術より健康被害は大きくなる。新しい手術手技が出現すると外科医は誰しも試みたいと思うため,時には不十分な準備状態でこれを始めようとするが,往々にして事故が発生する。実際そのいくつかは社会事象になってマスメディアを賑わせたこともある。そのため各内視鏡関連の学会では,講習会を催したり,ガイドラインを策定したりしてQuality controlの維持・向上に努め始めた。日本神経内視鏡学会でも一昨年から技術認定制度を発足させている。
 本書はその前半に日本神経内視鏡学会の技術認定に関連する基本的な技術面を5項目にわたり解説していただいた。また,後半では内視鏡手術の適応となる主な疾患7種類と,内視鏡による支援手術,合併症とその対策について記述していただいた。筆者はいずれも神経内視鏡手術のエキスパートであり,執筆にあたっては教科書的な記述は省略し,直ちに本質的かつ実践的な事項に入っていただくように要請した。図を多用し,‘ここがポイント’,‘ここにこだわり’,といった筆者自身が日頃注意をしていることやコツなどを随所に挿入していただいている。そのため通常の論文に見られるような参考文献などはかなり省略されている。
 本書は,これから神経内視鏡手術を始めようとする人の手引き書として,また既に始めているもののまだ十分に経験のない分野に関する心得書としてベテランの医師からの熱いメッセージであると考えていただきたい。
 最後に,神経内視鏡手術が患者にとって低侵襲であり,安全かつ確実な治療手技となることを祈念しつつ本書の序とする。

2008年2月
寺本 明
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目次

I 基本手技の技術認定
 内視鏡の操作法と使用器具の取り扱い  石原正一郎 
  神経内視鏡手術に必要な器具と使用上の注意点 
  内視鏡の故障とその原因 
  内視鏡手術の実際(主に脳室内操作の場合) 
 第三脳室開窓術  師田信人 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  術前準備 
  手術手技 
  合併症 
  最後に−内視鏡的第三脳室底開窓術の基本的概念− 
 脳室内病変の摘出  喜多村孝幸 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  手術適応 
  術前準備 
  脳室内解剖 
  手術手技 
  止血の工夫 
 経蝶形骨手術  永谷哲也 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  術前準備 
  手術手技 
  術後管理 
  本術式のポイント 
 脳内血腫除去術  西原哲浩 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  術前準備 
  手術手技 
  閉創 
  合併症 
  本手術を行う際の留意点 
II 疾患別応用編 中脳水道狭窄症  三木 保 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  手術準備 
  手術手技 
  術中合併症 
  術後管理 
 くも膜嚢胞  宮嶋雅一 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  術前準備 
  手術手技 
  合併症に対する対策 
 脳室内腫瘍  姜  裕 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  術前準備 
  手術手技 
  注意事項 
 大型下垂体腫瘍  田原重志,寺本 明 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  大型下垂体腺腫に対するeTSSの手術適応 
  手術手技 
  合併症 
 頭蓋咽頭腫−経脳室アプローチ 村井尚之 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  術前準備 
  手術手技 
  予想される合併症とその対策 
 高血圧性脳内血腫  陶山大輔 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  手術準備 
  被殻出血の手術 
  視床出血の手術 
  その他の出血の手術 
  合併症 
 慢性硬膜下血腫  峯  裕,大平貴之 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  目的 
  術前準備 
  手術手技 
  難しい症例・再発例 
  合併症 
  本術を行う際のポイント 
 内視鏡支援手術  森田明夫,木村俊運 
 ■本術式の特徴  
 ■手術手技  
  内視鏡支援手術の基本・準備 
  脳動脈瘤クリッピング手術の内視鏡支援 
  微小血管減圧術 
  聴神経腫瘍における内視鏡手術 
  そのほかの手術における内視鏡支援 
  内視鏡支援手術の合併症 
 合併症とその回避  上川秀士 
  合併症の種類とその回避 
  術前 
  手術適応 
  術中(脳室内手術:くも膜嚢胞を含む) 
  術後
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