プロフェッショナルスキルズ

Dr.上川秀士の神経内視鏡手術

Dr.上川秀士の神経内視鏡手術

■著者 上川 秀士

定価 19,800円(税込) (本体18,000円+税)
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  • B5判  96ページ  上製,オールカラー,DVD-Video付,イラスト135点,写真106点
  • 2009年3月27日刊行
  • ISBN978-4-7583-0920-2

神経内視鏡手術のエキスパートのテクニックをDVDと書籍で一緒に学ぶ待望の1冊!!

「あのドクターのあの手術が見てみたい」そういう声に応えるための待望の一冊。これまでの数多くの手術経験から独自の手法,コツ,スキルを編み出すことで日々の手術で好結果を生んでいる著者が,いったいどんな手術を行っているのか。神経内視鏡手術のエキスパート,上川秀士先生の手術のコツとテクニックをDVDと書籍で解説する。
DVDは,内視鏡のシステムから,モデルを使用して器具の接続方法から具体的な使い方までを理解できる「神経内視鏡の器具と取り扱い方」,術前準備から内視鏡手技までをコンパクトにまとめ,ナレーションにより実技指導を受けているように構成された「手術の流れを学ぶ」,各症例での手技を短くまとめた「症例ダイジェスト」,こだわりのテクニックを使用した症例を集め,手技のさらなる向上を目指す医師に参考となる「こだわりのテクニックを学ぶ」で構成されている。
さらに書籍では,ドクターならではの方法やピットフォールに陥らないためのポイントをイラストを用いて詳述している。『より精確に,より安全な神経内視鏡手術とは?』筆者が日頃気を付けている術前・術中・術後ポイントをカラーイラストでわかりやすく解説。DVDの付録としてではなく,神経内視鏡手術に関わる脳神経外科医必携の1冊である。


序文

 私と神経内視鏡との出会いは約20年前に遡る。神戸大学に在籍していたときに他科の内視鏡を見て脳神経外科に応用できないかと考えていた。その頃私は専門医になったばかりで第一解剖学講座で研究生として研究していたが,その教室の教授,山鳥 崇先生こそ日本で初めて脳室ファイバースコープを実験応用した人であり,1972年から山鳥型脳室ファイバースコープ(町田製作所)を7型機まで開発されておられた。その内視鏡を用いて当時第二内科の乾 明夫先生(現 鹿児島大学内科教授)の指導で研究を進め,8型機の実験用内視鏡の開発に参加することができた。この技術を応用して名機と言われる脳神経外科用のファイバースコープ(NEU-4, NEU-4L:町田製作所)が開発された。さらに,臨床では神経内視鏡の第一人者であられる当時福岡大学助教授であった岡 一成先生(現 幸手総合病院副院長)に基礎から丁寧に教えていただいた。1994年に兵庫県立こども病院に赴任してからは,小児脳神経外科領域でいかに内視鏡の応用の可能性が高いのかを実感し,症例を重ねることができた。そして,その有用性に一番驚いたのは私自身であったと思う。そしてそれを広く世界に知らしめることができたのは,1999年に東京女子医科大学(堀 智勝主任教授)に移ってからである。この間,巻末に示すように海外を含め,多くの施設を訪れることができ,仲間も多くできた。この仲間達とともに中国,オーストラリアなどにも行き,日本の神経内視鏡とその技術を広く伝えることができた。そして,2年前に世田谷砧の地にクリニックを開業した後は,神経内視鏡手術は時々行っている程度で,地域医療に専念している。
 今回,メジカルビュー社から本書をDVD付きで出版させていただく機会を得た。神経内視鏡のテキストはこれまでにいろいろ執筆してきたし,VTRの作成も行ったが,今回は私自身が開発,あるいはよく使用する機器を紹介するとともに,私の考え方を中心にまとめたので,独善的になっているところもあるかと思う。そのことを考慮しながら,利用して欲しい。
 本書が神経内視鏡手術のさらなる普及,発展に役立てば幸いである
 最後に本書の作成に,何日も深夜遅くまでつきあってくれたメジカルビュー社の浅賀朋宏氏と尾高亜希氏に感謝します。
 
平成21年2月
世田谷砧のクリニックにて
上川秀士
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目次

1 神経内視鏡手術の器具
 内視鏡本体
 硬性鏡と軟性鏡
 内視鏡手術に必要な器具と周辺機器
 処置具
 内視鏡固定装置(硬性鏡の場合)
 記録機器
 イリゲーション
 
2 神経内視鏡手術の適応
 現在の標準的神経内視鏡手術の適応
 神経内視鏡手術とは…
 水頭症
 脳内・脳室内血腫
 くも膜嚢胞
 脳室内腫瘍
 第三脳室底開窓術の適応
 適応疾患
 手術における器具の適応
 硬性鏡,脳室ファイバースコープの使い分け
 鉗子の使い分け
 
3 解剖とさまざまなアプローチ
 基礎的な解剖の理解
 基礎的な解剖
 アプローチ各種
 Frontal approach
 Occipital approach
 Suboccipital approach
 手術症例
 
4 神経内視鏡手術の基本
 神経内視鏡手術の基本手技
 術前準備
 術前処置
 脳室穿刺
 脳室内操作
 内視鏡抜去
 閉創
 術中内視鏡のシミュレーション
 神経内視鏡トレーニング用脳室モデルの使用
 
5 臨床応用
 腫瘍生検・摘出,硬膜下血腫除去
 アプローチ方向
 腫瘍摘出
 脳室内腫瘍生検のコツ
 慢性硬膜下血腫
 第三脳室底開窓術
 脳脊髄液の応用
 第三脳室底開窓術の実際
 新生児や乳児の水頭症に対する神経内視鏡手術の適応
 脳内・脳室内血腫除去
 脳内血腫
 脳室内血腫
 シャント手術との併用
 第三脳室底開窓術の流れ
 
6 神経内視鏡手術の合併症
 神経内視鏡手術の合併症
 合併症を避けるために
 術前−合併症を回避するための心得
 神経内視鏡手術に必要な器具と処置具
 手術適応の判断
 術中
 出血
 周囲脳組織の損傷
 術中disorientation
 低体温,徐脈
 脳室内圧亢進,低下,脳ヘルニア
 機器の故障
 術後
 発熱,嘔吐,悪寒,振戦(shivering)
 痙攣
 脳神経麻痺
 無言症,遷延性意識障害
 交感神経興奮状態
 仮性脳動脈瘤,静脈瘤形成
 髄液漏・硬膜下水腫(液貯留)
 髄膜炎
 
Let's Try 上川流
 ◇鉗子の使い方
 ◇横保持法をマスターしよう
 ◇開頭・閉頭手順
 ◇上川モデルでシミュレーション
 ◇ねじり切るコツ
 ◇処置具は常に画面の隅っこに見える
 ◇Hit and Away Technique
 ◇出血の対処法
 ◇高周波凝固子使用の止血ポイント
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