OS NOW Instruction No.10

脊椎の低侵襲手術

患者負担を軽減する手術のコツ

脊椎の低侵襲手術

■担当編集委員 馬場 久敏

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • i_dvd.jpg
  • A4判  216ページ  オールカラー,イラスト300点,DVD-Video付き
  • 2009年4月27日刊行
  • ISBN978-4-7583-1009-3

カラーイラストとDVDで脊椎の低侵襲手術をしっかりマスター!

近年,整形外科手術では「低侵襲」が求められることが多く,脊椎外科においても例外ではない。頚椎から胸椎,腰椎・仙椎の各種低侵襲手術手技を多数のカラーイラストで詳細に図解した。さらに,11項目の動画が収載されたDVDを同封し,より視覚的な手術手技の理解が可能な1冊になっている。
本文中では,手術手技の基本的な流れの解説はもちろん「手術のコツ,注意点」「トラブルシューティング」を随所に掲載し,術中トラブルや合併症への対処法なども解説した。
脊椎の低侵襲手術現場で求められる多彩な情報が集約された1冊となっている。

■シリーズ編集委員
岩本幸英/安田和則/馬場久敏/金谷文則


序文

 OS NOW Instruction No.10『脊椎の低侵襲手術』を発行することができました。整形外科の日常診療において脊椎疾患は約3割を占め,入院患者比率は3〜4割,また特定の大学病院では手術患者の実に5割が脊椎疾患を占めることがあります。現在の医療情勢では外科系にあっては「低新襲性治療」が gold standard ともなり,これがメデイアの公表や医科器械開発ビジネスなどのアフター・バーナー点火により, もはや医学医療の根本理念にまで昇華されてきております。切除外科学は温存外科学へ発展,個別の病態の解明により分子標的医学へと進化し,顕微鏡・内視鏡加にえてナビゲーションや手術補助器具の医工学的開発も相まって,大きな侵襲が必要な病態も drastic に生体への低侵襲化が進んできました。「外科治療が困難な病態に対して低侵襲で臨むことができる」という理念は言わば万人が希求する「夢の医学」なのですが,それが私たちの眼前に展開している観があります。しかしその手術にあたっては,単なる「技術習得」以上に外科解剖学や病態生理の基礎医科学の理解が必要です。その様な基礎科学なくしての低侵襲手技はややもすると “monkey plays” になってしまう訳です。”神々が宿る外科医の頭脳に神々の意志でもって執り行う神業的な手技” にまで個々の術者の手術を昇華するにはなみなみならぬ努力が必要条件になります。また,低侵襲手術にせよ外科学には十分条件というものはありません。日々の精進と反省,および個々の手術手技の sustainability の評価,というグルグル巻きの自己規制が我々外科医の生き方であるとも換言できましょう。
 脊椎脊髄外科学では脊柱の運動性・支持性・神経学の基盤において個別の病態に適合する治療法をとることが必要です。悪性腫瘍では根治性を担保するには脊椎全摘術が適応になりますが,変性疾患の多くは低侵襲で対応できるものが多く存在します。instrumentation では実に多くの implants が市場に登場していますが,implant にあわせた手術を開発するのではなく,病態にあわせた最少限の器材をしかも低侵襲性を考慮しながら選択していくべきであって,その観点に立脚すれば自ずと「minimal invasiveness」の理念が見えてくると思われます。本書の項目では想定できる脊椎低侵襲手術をほぼ網羅して,その方面で第一線でご活躍の経験豊かな方々に執筆をお願いしました。「ヤマ」や「コツ」,「注意点」などはご経験にもとづいており「味のある」記述を特別にお願い致しました。教科書というものは「聖書」ではなく「成書」でありまして,読者諸兄には是非本書を通読,マスターされると同時にこの書物を「サブノート」としてお考えになり,一例一例の貴重なご経験を「赤字で追加記載」され,ご自身の「脊椎低侵襲手術実践書」をお創りいただきたいと考えております。外科手術は常に進化しますのでご自身で追記記載され,また新しい情報をも追加されながら,ご自身の「アート」の部分を積算していただきたいと祈念致しております。本書を単に「物まねの書」とするのではなく,この書物をご自身の「脊椎低侵襲手術実践書」の「スカフオールド」としてご活用いただきたいと願っております。

2009年4月
馬場久敏
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目次

頚椎
 環軸椎病変に対する低侵襲後方手術—Magerl and Brooks法の低侵襲化手技—  加藤義治
 顕微鏡視下頚椎前方除圧固定術(OPLL,頚椎症)  清水克時
 頚椎laminoplasty時の項頚筋への低侵襲化手技  飯塚 伯
 内視鏡下頚椎椎間孔拡大術(microendoscopic cervical farminotomy and discectomy)  南出晃人,ほか
 頚椎選択的椎弓形成術—skip laminoplastyを含めてー  白石 建,ほか
 頚椎椎弓根スクリュー固定の低侵襲化手技  湯川泰紹
 
胸椎
 骨粗鬆症性脊椎骨折に対する低侵襲vertebroplasty  網代泰充,ほか
 急性椎体損傷に対する低侵襲vertebroplasty  土井俊郎,ほか
 内視鏡的経皮経椎弓根的椎体形成術—リン酸カルシウム骨ペースト椎体内注入術—  南里泰弘
 胸腔鏡視下胸椎前方手術—video-assisted thoracic surgery(VATS)—  佐藤公治
 内視鏡手術による側弯の前方矯正固定  江原宗平
 脊柱側弯矯正固定術への胸腔鏡の応用  松山幸弘
 
腰椎・仙椎
 腰椎椎間板ヘルニアに対するMED  藤林俊介
 microendoscopic far-lateral lumbar discectomy  八木省次
 腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡下後方除圧術  中川幸洋
 腰椎椎間孔狭窄に対する顕微鏡下除圧術  内田研造,ほか
 腰椎分離症に対する小皮切pedicle screw hook-rod修復手技  西良浩一,ほか
 X-tubeを用いたTLIF  齋藤貴徳
 腰椎椎間孔狭窄症に対する内視鏡下椎弓根内進入椎弓根部分切除術  長谷川 徹
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