OS NOW Instruction No.14

内視鏡・ナビゲーションを併用した脊椎手術

最新の手術手技の見逃せないポイント

内視鏡・ナビゲーションを併用した脊椎手術

■担当編集委員 馬場 久敏

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  196ページ  オールカラー,イラスト200点,写真210点,DVD-Video付き
  • 2010年4月23日刊行
  • ISBN978-4-7583-1013-0

カラーイラストとDVDで内視鏡・ナビゲーション併用の脊椎手術をしっかりマスター!

手術の低侵襲化とともに,近年は脊椎手術においても手術用のナビゲーションシステムを用いた安全,確実な手術が広がってきている。本書では,頚椎から仙椎までの内視鏡・ナビゲーションを用いて行う数々の脊椎手術について,多数のカラーイラストとDVDに収録した動画で詳細に説明している。
本文中では,手術手技の基本的な流れの解説,ナビゲーションの用い方についての解説のほか,「手術のコツ,注意点」「トラブルシューティング」を随所に掲載し,術中トラブルや合併症への対処法なども解説している。

■シリーズ編集委員
岩本幸英/安田和則/馬場久敏/金谷文則


序文

 OS NOW Instruction No.14『内視鏡・ナビゲーションを併用した脊椎手術』を発行することができました。近年の国民年齢構造や患者意識,光学機器ならびにコンピュータ機器の技術的進歩,などが勢い集合して,内視鏡・ナビゲーション手術というジャンルが脚光を浴びるようになりました。現在でも盛んに応用されてはいますが顕微鏡視下手術に加え,皮切やアドレスの縮小化や開胸・開腹手段を排除する,という意味合いでの内視鏡・ナビゲーション手術が様々な脊椎疾患に応用されてきています。もはやそういった手術手技をもたない施設は些か古びた感も否めなく,また患者層からも注目を集めないような状況にさえなって来ている感があります。
 現在の医療情勢では外科系にあっては「低侵襲性治療」が gold standard ともなり,これがメデイアの公表や医科器械開発ビジネスなどの後追い点火を得て,もはや医学医療の根本理念にまで昇華されてきています。ここ20年の医療におけるこの大きな意識変化や医療環境変化によって,我々整形外科医は外科治療の根本理念をも否応無しに変えざるを得ない状況さえなってきているといえるでしょう。以前にも書きましたが,「外科治療が困難な病態に対しても低侵襲で臨むことができる」という理念は言わば万人が希求する「夢の医学」なのですが,それが私たちの眼前に展開している観があり,我々自身もそれに向かって努力せざるを得ない環境にあります。分子標的などにより極めて大きな侵襲の切除外科学が変容を遂げ,光学機器の進化は入院期間の短縮・リハビリテーション治療の変化,さらには医療経済や医療制度までをも変化させ,メデイアでの公表は極端には「医療観光(Medical Tourism)」という新しいビジネス形態を産出させました。読者諸兄もご存じのように内視鏡・ナビゲーション手術を謳い文句にした韓国・上海・シンガポール・インドへの医療観光 (Medical Tourism)が人知れずブームになっており,それを扱うブローカーの暗躍もあると聞きます。
 外科治療というのは特定の病態を外科的な手段でもって治療するということです。内視鏡・ナビゲーション手術というのは手段であって目的ではありません。若い研修医やレジデントの方々はきちんと「手段と目的」を整理し,その上で個々の病態を制圧することに意を尽くして頂きたく思います。ヘルニアであれ狭窄症であれ内視鏡で除去・切除することに腐心しその病態の把握や評価はそっちのけ,またはナビゲーションで脊椎にネジを入れることに懸命になり患者は十何時間も手術台で横臥を強制される,なんてことはナンセンスな話しでしょう。短時間で侵襲性を極力軽減させ,安全性の高揚のためにコンピュータを利用したナビゲーションを併用する,という基本に常に留意して手術に望んで欲しいと思います。
 内視鏡・ナビゲーション手術は整形外科医にとっても learning curve が長く,医療機関にとっても経費的に負担となりますが,患者がそれを希望する場合には排除できない治療手段です。そのような現況ですので,読者諸兄には是非本書を十分にご活用になられ,ご自身のアートも追加されて,最大限の恩恵が患者さんに与えられますようお願いしたいと考えております。

2010年3月
馬場久敏
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目次

頚椎
  脳外科用ナビゲーションの上位頚椎前方手術への応用  根尾昌志,ほか
  頚椎後弯変形に対するナビゲーションを用いた椎弓根スクリュー固定  田中雅人,ほか
  術中3D画像ナビゲーションを用いた頚椎椎弓根スクリュー固定  石川喜資,ほか
  頚椎外傷に対する術中三次元CTを併用したナビゲーション手術  伊藤康夫,ほか
  頚椎椎弓根スクリュー刺入におけるナビゲーションを用いた低侵襲化手技  茂手木博之
  リアルタイムMRIナビゲーションを用いた頚髄手術  猿橋康雄,ほか
  頚部神経根症に対する顕微鏡視下頚椎後方除圧術  藤原 靖,ほか
  頚椎ナビゲーション手術におけるレジストレーション  酒井義人

胸椎
  術中3D-CTナビゲーション・システム併用による経皮的椎体形成術  中原誠之,ほか
  胸椎手術における三次元実体模型の有用性—術前手術シミュレーションおよび術中ナビゲーションー
   山崎正志
  胸椎後縦靱帯骨化症に対するナビゲーション併用による骨化巣切除術  竹下克志,ほか
  VATSとナビゲーションを用いた側弯の前方矯正固定  江原宗平
  特発性側弯症に対するナビゲーション手術  小谷俊明,ほか
  特発性側弯症に対するコンピュータ・ナビゲーション手術  村上秀樹,ほか
  先天性脊柱変形に対するコンピュータ支援手術  高橋 淳

腰椎・仙椎
  腰椎変性すべり症に対するナビゲーションを用いた経椎間孔椎体間固定術(TLIF)  藤田拓也,ほか
  ナビゲーションシステムを併用した椎間孔外側病変(L5-S1)に対する脊椎内視鏡手術  柴山元英
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