執刀医のためのサージカルテクニック

脊椎アドバンス

脊椎アドバンス

■編集 松崎 浩巳
徳橋 泰明

定価 14,300円(税込) (本体13,000円+税)
  • B5変型判  232ページ  2色(一部カラー),イラスト407点,写真50点
  • 2008年5月23日刊行
  • ISBN978-4-7583-1027-7

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グレードと難易度の高い脊椎手術のスキルとヒントが満載の手術書

本書は『執刀医のためのサージカルテクニック 脊椎』(2004年刊行)のレベルアップ編である。1.最近行われるようになった手術,2.グレードの高い手術,3.難易度の高い手術,4.特殊だが応用範囲の大きな手術に該当する14術式を取り上げ,執刀医として経験を積んでいった読者が,さらなるステップアップをするための手術書として構成されている。
レベルの高い手術だからこそ重要となる「術前計画」についても詳述し,手術への取り組み方,姿勢がよく理解できるようにし,また前回同様,手術の流れを起承転結に分け,各パートで著者ならではの技と工夫が,明解なイラストと,本文中の〈コツ〉〈トラブル〉で,一目瞭然に掲載されている。本書は,読者が自分の技量を基にさらに応用前進するためのヒントとスキルが満載された手術書である。


序文

 手術技術や手術機器,麻酔の進歩により,従来では手術適応にならなかった症例にも適応が拡大され,脊椎・脊髄手術が行われるようになりました。また,従来の手術に対しても低侵襲化が進みました。このように手術適応が拡大された難易度の高い手術と低侵襲化手術は,いずれもいわゆる名人,達人の手術術式の創意と工夫の積み重ねであり,その取り組み方と姿勢にこそ多くの学ぶ点が隠されています。われわれの日常の手術も毎日同じようでも実際には少しずつ異なり,まったく同じ症例はないと言えます。時には経験のない困難な症例に立ち向かわなくてはならない場合もあります。その際にいわゆる名人,達人たちの手術技術や手術機器のノウハウだけでなく,その取り組み方が大いに参考になることはいうまでもありません。
 すでに出版されている本シリーズ「執刀医のためのサージカルテクニック 脊椎」では,整形外科専門医になってから脊椎脊髄手術を学ぶ人のために基本的で頻度の高い術式について第一線の先生方に執筆いただき,「後輩に安全で,確実な手術の実地指導をするような手術書」を目指しました。そして皆様のご尽力のおかげでご好評をいただきました。しかし,すべての脊椎・脊髄手術を網羅したわけではなく,実際の現場では患者のニーズに応えるために,その応用編となるべき難解な手術であっても執刀しなければなりません。また,この医療過誤のきびしい時代においても脊椎外科医は,常在戦場果敢に挑戦していかなければならない宿命でもあります。そこで,本書では最近行われるようになった手術,難易度の高い手術,特殊であるが応用範囲の大きな手術を,経験多き第一線の脊椎・脊髄外科指導医にご執筆いただきました。とくに1.術前計画の進め方,2.その準備の実際,3.注意すべき合併症とその対策,について重点的に執筆をお願いしました。すなわち,読者にその取り組み方,姿勢がよく理解できるように記述していただきました。本書の趣旨は「誰もがいきなり大手術を目指すということではなく,本書から自分の技量にあった応用を読者が図れる手術書」を目指しました。
 関係者皆様のお蔭で,本書は前作同様にご執筆いただいた先生方の知識(science)と経験(experience)に基づいた技術(techniquesとart)と情熱(heart, passion)が盛り込まれた力作となっております。本書が脊椎・脊髄手術に関与する皆様にご利用いただき,一人でも多くの患者に光明を与えていただければ幸いです。
 最後に私どもの趣旨にご賛同いただき,多大なご協力いただいたメジカルビュー社関係者に心から御礼申し上げます。

2008年4月
松崎浩巳
徳橋泰明
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目次

(続)執刀医の心得  徳橋泰明
Rigidな後弯変形を伴った頚椎症性頚髄症に対するpedicle screw fixationを併用した後方除圧矯正固定術  松山幸弘
  起  皮切〜除圧固定範囲の展開
  承  除圧,椎弓形成術〜麻痺予防のための術中脊髄モニタリング
  転-1 頚椎椎弓根スクリューの刺入〜椎間関節切除
  転-2 頚椎後弯変形の矯正テクニック
  結  後方除圧固定の完成〜脊髄モニタリングの確認
関節リウマチによる頚椎重複病変に対する後方手術 後頭骨〜胸椎間固定術  清水敬親
  起  皮切〜術野展開
  承  除圧〜頚椎アンカーの設置
  転  胸椎固定アンカーの設置〜RRP loopとの連結
  結  後方固定の完成〜創閉鎖
多椎間連続型巨大頚椎後縦靱帯骨化症に対する前方除圧固定術(浮上術)  進藤重雄,中井 修
  起  皮切〜椎体への到達
  承  椎間板切除〜椎体後縁の菲薄化
  転  鉤椎関節の切除〜骨化浮上の確認
  結  骨移植〜創閉鎖
頚髄髄内腫瘍に対する脊髄腫瘍摘出術  中村雅也,戸山芳昭
  起  皮切〜椎弓の処理
  承  硬膜の処理〜後正中溝の展開[顕微鏡視下手技]
  転  髄内腫瘍頭尾側の剥離〜摘出
  結  硬膜・くも膜縫合〜閉創
多椎間胸椎後縦靱帯骨化症に対する前方除圧固定術  藤村祥一
  起  皮切〜胸膜外進入法
  承  除圧前の胸椎前方部除圧範囲の展開
  転-1 前方除圧〜OPLL摘出術
  転-2 前方除圧〜OPLL浮上術
  結  前方固定〜創閉鎖
多椎罹患胸椎後縦靱帯骨化症,黄色靱帯骨化症に対する後方除圧固定術  徳橋泰明
  起  皮切〜除圧,固定範囲の椎弓の展開
  承  除圧前のインストゥルメンテーションアンカー設置の準備
  転-1 頚椎部後方除圧〜胸椎に残存した黄色靱帯骨化の切除
  転-2 後方除圧の適否の判定と追加手術
  結  後方固定の完成〜創閉鎖
多椎罹患脊椎悪性腫瘍に対する脊椎全摘術  徳橋泰明
  起  皮切〜肋骨切除
  承  椎弓根切離〜椎体前方の剥離
  転  腫瘍椎体後面の剥離〜インストゥルメントの設置
  結  人工椎体の設置〜創閉鎖
高度亀背変形を伴った結核性脊椎炎に対する手術  斉藤正史
  起  進入側の選択〜固定範囲の展開
  承  病巣掻爬の準備
  転  病巣掻爬と椎体の亜全摘
  結  支柱骨による前方固定〜創閉鎖
重度側弯症に対する矯正固定術 一期的前後合併手術  川上紀明
  前方手術
  起  皮切〜開胸予定部位における筋層の切離と肋骨の露出
  承  骨膜剥離と肋骨切除〜開胸と椎体の確認
  転-1 壁側胸膜の切開と椎間板の展開
  転-2 椎間板切除〜軟骨終板切除
  結  肋骨チップの各椎間板への移植〜閉胸と創閉鎖
  後方手術
  起  マーク打ちと手術高位の確認〜固定範囲の傍脊柱筋の剥離と椎弓,横突起,椎間関節の展開
  承  インストゥルメンテーションアンカー設置
  転-1 上関節突起の切除と骨性解離〜多椎間におけるSmith-Petersen骨切り
  転-2 椎間関節部への骨移植〜矯正状態の判定と確認
  結  椎弓のdecorticationと骨移植の追加〜創閉鎖
呼吸機能に問題のある側弯症(進行性筋ジストロフィー症)に対する矯正固定術  中井定明,稲見州治
  起  皮切〜展開
  承  尾側端のフック挿入〜超高分子ポリエチレンケーブルを使用する方法
  転  移植骨の採取〜ロッドの挿入
  結  ドレーンの設置
腰部脊柱管狭窄症に対する片側進入内視鏡下後方除圧術  中川幸洋,吉田宗人
  起  皮切〜レベル確認
  承  進入側除圧椎弓間の骨切除 〜対側椎弓間の骨切除
  転  黄色靱帯の切除〜外側陥凹部における神経根の除圧
  結  除圧の確認〜持続吸引ドレーン留置
骨粗鬆症を伴う腰椎後弯症に対する矯正固定術(脊柱短縮術)
  pedicle subtraction osteotomy  松崎浩巳
  起  皮切〜固定椎弓の展開
  承  インストゥルメントの設置
  転-1 椎弓切除〜分節動脈または関連血管の処理
  転-2 椎体のwedge osteotomy〜短縮操作
  結  固定部へのロッドの設置〜持続吸引ドレナージの留置と創閉鎖
破壊性脊椎関節症に対する手術  伊東 学,須藤英毅,鐙 邦芳
  起  皮切〜頚椎後方の展開
  承  骨上ランドマークの把握〜椎弓根スクリューの刺入
  転  後方除圧術〜骨移植
  結  インプラントの完成〜創閉鎖
仙骨悪性腫瘍に対する仙骨全摘術  大幸俊三
  全仙骨切除術
  起  U字皮切〜正中仙骨動静脈の結紮・切離
  承  腸腰動脈の結紮・切離〜腫瘍と直腸の剥離
  転  逆Y皮切〜腫瘍の切除
  結  再建
  高位仙骨切除術
  起  U字皮切〜正中仙骨動静脈の結紮・切離
  承  S1椎体の骨切り〜MT-sawの挿入
  転  両仙結節靱帯の切離〜腫瘍の剥離
  結  再建
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