図説 足の臨床

改訂第3版

図説 足の臨床

■監修 高倉 義典

■編集 田中 康仁
北田 力

定価 24,200円(税込) (本体22,000円+税)
  • B5変型判  512ページ  上製,オールカラー,イラスト530点,写真1,000点
  • 2010年6月2日刊行
  • ISBN978-4-7583-1036-9

カラー写真とイラストで足の解剖・診断・治療をオールマイティに網羅する一冊

「図説 足の臨床」は,奈良県立医科大学および関連病院が所有する豊富な足の疾患・外傷所見で構成された成書であり,日本整形外科学会の専門医試験の参考図書のひとつに加えられている。
今回の改訂に伴いイラスト・写真を一新・追加し,また新規の項目も設けて更なる情報の充実を図った(全123項目)。「扁平足」や「外反母趾」,「足関節鏡」など昨今の治療発展がめざましい項目を中心に最新の知見を揃え,足部の各種疾患・外傷およびその治療についてカラー写真とイラストで見やすく,わかりやすく提示している。必ずや足の診療に当たる医師の手助けとなる一冊である。


序文

監修の序

 早いもので「図説足の臨床」の初版が1991年に上梓されて今年で20年になり,1998年に全面的な改定を行ってから12年が経過した。その間,医療行政は目まぐるしく変遷し,とくに医療費削減のために医師養成数が削減され,その上に新臨床研修制度が導入されて深刻な医師不足が起こってきている。地域の医師の偏在に止まらず,小児科や産科などの特定の診療部門の医師不足が顕在化し,深刻な社会問題となっている。外科系においても,同様の現状が現れており,人間の生命に関係する重要臓器を扱い,緊急を要するような診療科を希望する研修医の減少傾向が顕著である。整形外科領域においても,外科系の一診療科としてその影響を受けて多少とも減少したが,ごく最近では徐々に増加傾向が認められてきた。
 一方,足の外科領域でもこの20年間には相当の変遷がみられ,先天性内反足をはじめとする先天性疾患が著しい減少傾向を示した。そのなかでギプス矯正法の一つであるPonseti法が再確認され,広く行われて治療成績を向上させている。逆に,社会的には高齢化と日常生活の欧風化の進行にともない,成人期の扁平足や外反母趾は著しい増加傾向を示し,対象となる手術症例も増えてきている。後脛骨筋機能不全による扁平足は1980年代初めに米国において注目され始めて,本邦で初めて本症が論文になったのは1988年であり,本書の初版では全く採り上げていない。そのため,本症は現在においても整形外科医にしばしば見逃され,進行して著しく変形してから紹介されてきている。
 また,近年の低侵襲手術の普及に伴い,足部・足関節においても鏡視下手術が広く導入されつつある。それに関する手術器具の目覚ましい改良により,骨棘や過剰骨の切除,滑膜切除を含めた関節の廓清術,さらには関節固定術が行われ,術後の除痛効果や早期の職場およびスポーツ復帰に効果を挙げている。
 この度,本書が再度の改訂を要請されたこと,ならびには日本整形外科学会の専門医試験の参考図書の一つに加えていただいていることは編者ならびに執筆者にとりましては誠に光栄の限りです。そこで,前述の事項や疾患を十分に考慮して全面的な改編を行いました。本書の従来からの特徴であります症例のカラー写真や画像診断,さらにはイラストを豊富に掲載して解りやすい説明を添えました。また,辞書的な役割を兼ね備えることを目的として,発生頻度の少ない外傷や疾患にも図や写真を加えて紹介し,足部に関する全ての特殊な用語を解説して掲載しました。
 本書は今後益々増加する足部疾患に対する最新情報を網羅した専門書として,整形外科医だけでなく,日常診療をされている外科系の先生方にも,外来で本書の写真や図を示して患者さんの説明用としても使用していただけるものと考えています。
 最後に,今回の改訂に当たりご協力いただきました松原かおる氏をはじめメジカルビュー社の関係者の方々に深謝申し上げます。

平成22年3月
奈良県立医科大学 名誉教授
高倉 義典
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目次

足の解剖・機能解剖
 足の解剖
 足の機能解剖

足の診断
 問診,視診,触診
 画像診断
 徒手筋力テスト
 疼痛部位と疾患

先天性の変形
 先天性脛骨欠損症
 先天性腓骨列形成不全症
 先天性下腿弯曲症
 先天性内反足
 先天性内転足
 先天性多発性関節拘縮症
 先天性外反扁平足
 先天性垂直距骨
 多趾症
 合趾症
 巨趾症
 先天性内反母趾
 巻き趾
 絞扼輪症候群
 足趾短縮症
 足根骨癒合症
 球状足関節

後天性の変形
 変形性足関節症
 変形性Lisfranc関節症
 扁平足
 足底腱膜炎
 腓骨筋腱滑車症候群
 外反母趾
 強剛母趾
 槌趾
 内反小趾
 陥入爪,弯曲爪,鉤弯爪
 胼胝,鶏眼

種子骨および過剰骨障害
 母趾種子骨障害
 三角骨障害
 外脛骨障害
 そのほかの種子骨・過剰骨障害

絞扼性神経障害
 足根管症候群
 前足根管症候群
 Morton病

骨端症および無腐性壊死
 踵骨骨端症
 第1Kohler病
 二分舟状骨
 Freiberg病
 距骨壊死

骨折
 果部骨折
 軸圧骨折
 足関節部骨端損傷
 距腿関節脱臼
 距骨下関節脱臼
 距骨骨折
 距骨骨軟骨損傷
 距骨外側突起骨折
 踵骨骨折
 二分靱帯損傷および踵骨前方突起骨折
 舟状骨骨折
 立方骨骨折
 Lisfranc関節脱臼・骨折
 中足骨骨折
 趾骨骨折と脱臼

筋腱・靱帯・皮膚損傷
 アキレス腱断裂
 足関節靱帯損傷
 新鮮外側靱帯損傷
 陳旧性外側靱帯損傷
 内側靱帯損傷,三角靱帯損傷
 脛腓靱帯損傷
 骨間距踵靱帯損傷
 Lisfranc靱帯損傷
 足根洞症候群
 腓骨筋腱脱臼
 後脛骨筋腱脱臼
 皮膚損傷

麻痺足
 麻痺足
 弛緩性麻痺
 痙性麻痺

足部の腫瘍および類似疾患
 単発性骨嚢腫
 踵骨内脂肪腫
 滑膜性骨軟骨腫症
 類骨骨腫
 爪下外骨腫
 骨軟骨腫
 足底線維腫
 黄色腫
 腱鞘巨細胞腫
 色素性絨毛性滑膜炎
 ガングリオン
 メロレオストーシス
 線維性骨皮質欠損

足部の炎症および全身性疾患に伴う足部障害
 化膿性関節炎 
 結核性関節炎
 踵骨骨髄炎
 Brodie骨膿瘍
 足部の滑液包炎
 血友病性足関節症
 関節リウマチ
 痛風
 足部の血行障害
 神経病性関節症
 糖尿病性足部障害

足部のスポーツ障害
 アキレス腱周囲炎,アキレス腱炎
 アキレス腱付着部障害
 シンスプリント
 衝突性外骨腫
 疲労骨折

足部疾患の治療−保存療法
 徒手整復とギプス固定
 テーピング
 サポータ
 足底挿板
 短下肢装具
 義足
 靴

足部疾患の治療−手術療法
 アンクルブロック
 皮切および進入路
 足関節鏡,鏡視下手術
 足関節滑膜切除術
 下位脛骨骨切り術
 人工足関節置換術
 足関節固定術
 距骨下関節固定術
 足関節兼距骨下関節固定術
 三関節固定術
 切断
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