肩関節のMRI

読影ポイントのすべて

改訂第2版

肩関節のMRI

■編集 佐志 隆士
井樋 栄二
秋田 恵一

定価 9,350円(税込) (本体8,500円+税)
  • B5変型判  336ページ  2色(一部カラー),写真986点,イラスト155点
  • 2011年6月20日刊行
  • ISBN978-4-7583-1041-3

最新MRI画像で肩関節がこんなに診える!

好評を博した初版「肩関節のMRI」の改訂版。MRI画像を最新の鮮明画像に一新し,本文内容も情報の最新化とボリュームアップを行っている。また,新たな執筆者として解剖学の秋田恵一先生(東京医科歯科大学解剖学教授)が加わることで,放射線科(佐志隆士先生),整形外科(井樋栄二先生)という3分野の先鋭達によるコラボレーションが実現した。
改訂版でも佐志先生流の本文(率直で,平易で,読みやすい文体)は踏襲され,さらに読者の疑問・難問に応えるコラムも随所に掲載されている。初版をお持ちの方にも自信を持ってお薦めできる一冊である。


序文

 初版「肩関節のMRI」が2000 年に刊行された時はいたく達成感に満たされた。「人生の元はとった」とさえ思った。しかし,すぐに改訂したいとも思った。そこでメジカルビュー社に改訂条件を教えてもらった。1.売れること,2.内容が陳旧化していること,3. 5 年以上経つこと,とのことであった。1,2,3の条件が揃った後に改訂を何度も試みたが,その都度挫折した。
 2010 年12 月に秋田大学を辞めてチャンスは訪れた。イメージング・センター:八重洲クリニックの常勤医師として働くことになった。ここには肩関節MRI の読影に没頭できる環境,豊富な症例,そして東京八重洲という地の利があった。
 この“改訂 第2版肩関節のMRI”には3 つの眼目がある。
  1.症例写真は最新3 テスラMRI で撮影された最高の画像。
  2. 難解な肩関節MRI オリエンテーションを少しでもわかりやすくするために,病変を多方向で提示する。また病変の前後スライス画像も表示する。
  3. 実際の読影にもすぐに役立つように,本の最初には「MRI 正常解剖図譜」と最後には「読影の壺」を配置する。
 初版の時は仲良く秋田大学に勤務していた佐志,井樋,皆川の3 人はそれぞれの新天地に移っている。師匠の井樋栄二先生は東北大学整形外科教授になられて多事多忙の毎日である。初版の時のように全文チェックを受けることができなくなっていた。皆川洋至先生も超音波診断の第一人者として東西奔放の日々である。運の良いことに,マクロ解剖で臨床に切り込む秋田恵一教授と,井樋先生の懐刀である山本宣幸先生の協力を新たに得ることができた。両先生ともに超多事多忙にも拘わらず,気合いをいれて執筆してくれた。推薦文は名著「肩 その機能と臨床」の著者であり,a man of passion:信原克哉先生が書いてくださった。約1 年半で書き上げた原稿であるが,校正に入ると内容も症例写真もすべて書き直したくなる。1 年前に書いた原稿は私には陳腐化してしまうのだった。それ程に症例は豊富にあった。またエキサイティングな東京で私自身の進化も加速した。メジカルビュー社編集担当の松原かおるさん,永石秀樹さんとの2 週の1 度の打ち合わせのたびに2 人を困らせた。この2 人の編集者は影の執筆者である。書き込むことができなかった内容,新たな教育的症例に関してはホームページを使って逐次紹介していこうと思っている。
 最後に改訂を強く勧めてくれた諸先輩,改訂内容に関してアドバイスをくれた友人達,新たな職場も含めて応援してくれたすべての人達に感謝いたします。

2011 年5 月
佐志隆士
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目次

MRI正常解剖図譜
 斜位冠状断,斜位矢状断,軸位断

1. 基 礎
 肩関節の解剖とMRI
  ■肩関節の解剖を知る
  ■肩関節の層構造
  ■肩複合体(上肢帯)
  ■肩関節の骨
  ■肩の筋群
  ■肩関節前・下方の安定化機構
  ■腱板疎部
  ■肩甲下滑液包
  ■肩峰下滑液包
  ■解剖写真でみる骨形態
  ■解剖写真でみる腱板の筋内腱,関節包の付着
 肩関節の機能解剖と病態
  ■肩関節の機能
  ■肩関節の病態
 肩関節の外来診察
  ■問診 − 誘導作戦
  ■視診 − 肩甲骨をみる
  ■触診 − 腱板断裂を触って診る
  ■ CT・MRI・超音波検査の使い分け
  ■理学テスト

2. 臨 床
 疼痛肩−腱板断裂
  ■腱板とは
  ■腱板疎部とは
  ■腱板断裂とは
  ■棘上筋腱停止部,滑液包側剥離断裂の拡大様式
  ■棘上筋における外傷性筋腱間断裂とその拡大,および残存遠位端の萎縮・消失
  ■棘上・下筋腱全層断裂後に生じる“引き込み”と萎縮評価
  ■ MRI で診断する腱板断裂
  ■ MRI で診断する部分断裂
  ■ MRI で診断する全層断裂
 疼痛肩−突き上げと擦れ(インピンジメント)
  ■中高年の疼痛肩
  ■突き上げと擦れ(インピンジメント)とは
 疼痛肩−石灰沈着性腱板炎
  ■石灰沈着性腱板炎とは
  ■ MRI で診断する石灰沈着性腱板炎
 疼痛肩−上腕二頭筋長頭腱炎
  ■上腕二頭筋長頭腱炎とは
  ■ MRI で診断する長頭腱炎
 疼痛肩−上腕二頭筋長頭腱断裂
  ■上腕二頭筋長頭腱断裂とは
  ■ MRI で診断する長頭腱断裂
 疼痛肩−上腕二頭筋長頭腱亜脱臼 ,脱臼
  ■上腕二頭筋長頭腱亜脱臼,脱臼とは
  ■ MRI で診断する長頭腱亜脱臼,脱臼
 疼痛肩− Hidden lesion(隠された病変) 長頭腱滑車部での肩甲下筋腱舌部損傷
  ■ Hidden lesion とは
  ■長頭腱亜脱臼を伴わないhidden lesion とは
  ■ MRI で診断するhidden lesion
 疼痛肩−筋損傷
  ■肉ばなれとは
  ■筋挫傷とは
  ■ MRI で診断する筋損傷
 疼痛肩−上腕骨頭大結節不全骨折,骨挫傷
  ■上腕骨頭大結節不全骨折,骨挫傷とは
  ■ MRI で診断する上腕骨頭大結節不全骨折,骨挫傷
 疼痛肩−腋窩嚢拘縮,腱板疎部拘縮
  ■拘縮肩とは
  ■腋窩嚢拘縮とは
  ■ MRI で診断する腋窩嚢拘縮
  ■腱板疎部拘縮とは
  ■ MRI で診断する腱板疎部拘縮
 疼痛肩−腱板疎部炎,腱板疎部損傷
  ■腱板疎部とは
  ■腱板疎部炎,腱板疎部損傷とは
  ■ MRI で診断する腱板疎部炎,腱板疎部損傷
 スポーツ障害肩
  ■肩のスポーツ外傷とスポーツ障害
  ■投球障害肩
  ■後上方関節唇損傷(SLAP 損傷)
  ■傍関節唇嚢胞(ガングリオン,paralabral cyst)
  ■関節内後方押し擦れ
  ■ Slant appearance,Bennett 損傷
  ■小円筋の浮腫
  ■上腕骨近位骨端線離開
 不安定肩
  ■反復性肩関節脱臼
  ■動揺肩
 その他の肩関節疾患
  ■変形性肩関節症
  ■化膿性肩関節炎
  ■リウマチ性肩関節症
  ■透析肩(hemodialysis-related shoulder)
  ■上腕骨頭壊死
  ■滑膜(骨)軟骨腫症(synovialosteochondromatosis)
  ■ PVNS(色素性絨毛結節性滑膜炎,pigmented villonodular synovitis)
  ■肩の腫瘍,腫瘍類似性病変
  ■骨島
  ■烏口下滑液包炎
  ■ Os acromiale

3. MRIの基礎知識
 MRIの基礎知識
  ■ MRI の原理は難しくてわからない!
  ■ MRI は何をみているのか?
  ■スピン・エコー法
  ■整形外科医が知らない画像の基礎知識
  ■放射線科医が恐れる“k-space”
 撮像方法
  ■検査の目的
  ■撮像方法を決める
  ■撮像方向を決める
  ■ T1,T2,T2*,脂肪抑制のパルス・シークエンスの選び方
  ■患者への対応
  ■撮像時の注意点
  ■ルーチン検査のプロトコル
  ■病変はどこにあるのか (位置決め撮像)
  ■ MR- 関節造影(MR-arthrography)

読影の壺
 疾患別にみる読影・臨床のポイント

肩関節の整形外科用語

索引
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