運動療法のための

機能解剖学的触診技術 上肢

改訂第2版

機能解剖学的触診技術 上肢

■著者 林 典雄

■監修 青木 隆明

定価 6,270円(税込) (本体5,700円+税)
  • B5判  376ページ  オールカラー,イラスト450点,写真660点
  • 2011年12月22日刊行
  • ISBN978-4-7583-1136-6

運動器リハビリテーションのための必携『触診技術』,待望のオールカラー改訂第2版!

運動器リハビリテーションに関わるすべてのセラピストに欠かせない触診技術を,機能解剖とともに詳解する『運動療法のための 機能解剖学的触診技術』,待望のオールカラー改訂第2版。絶大な支持を得た初版に超音波解剖など最新の知見を反映し,フルカラーの写真とイラストで,より見やすく・わかりやすくなった。初版比60ページ以上のボリューム増でさらにパワーアップした,『触診技術』決定版。
本『上肢』は,「I 触診の基本」「II 骨」「III 靱帯」「IV 筋」の全4章で構成している。I章ではこれから触診,運動療法を学ぼうとする初学者のために“肢位”“運動の面・軸方向”,また“指のあて方”など,触診に必要な基本的知識を解説した。II章以降は「骨」「靱帯」「筋」の3章に分け,それぞれ部位ごとに触診に必要な“解剖学的特徴”“機能の特徴”などを,各項目の冒頭に箇条書きにしてまとめ整理。フルカラーのイラスト・写真を用いて,触診に必要な機能解剖の知識,およびその知識に基づく触診技術が身につくよう,詳しく解説した。さらに臨床に役立つ知識を盛り込んだコラム“Skill Up”を適宜設け,徒手検査法や疾患の知識を解説。現場の理学療法士・作業療法士にも役立つ内容となっている。


序文

改訂第2版 序 〜Scienceも…… そしてSkillも……〜

 『運動療法のための機能解剖学的触診技術』が出版されもう6年が経過しました。ありがたいことに本書は多くの現役理学療法士を中心に読んで頂くとともに,大学,専門学校など多くの養成校で教科書として採用されてきました。併せて,韓国語,中国語にも翻訳され,アジアに向けても情報発信させて頂けたことは,著者として感謝の気持ちで一杯です。
 出版を契機として「機能解剖学的触診技術をベースとした運動療法の考え方」と題した講演会ならびに研修会の依頼が数多くあり,全国各地でお話しさせて頂いています。受講した先生方の多くで,「機能解剖学の大切さ」,「基礎の大切さ」をあらためて実感したとする感想とともに,各組織をセラピストとして「触りきる技術」の未熟さを痛感させられたとの声も多く寄せられました。

 現在の日本理学療法学術大会に寄せられる応募演題数は2,000題に迫り,その研究レベルも飛躍的に進歩しています。私は,我々日本の理学療法士が取り組んでいるScienceの高さは,決して見劣りするものではなく,世界に誇れるものと感じています。その一方で忘れてならないのは,我々セラピストは「Therapist」であるということです。すなわち我々は「Therapy」する人なのです。私は常々,研究を行い得られた知識は,必ず技術を少しずつでも変化させるものであるべきと考えています。その一つ一つの知識と技術のマッチングが,患者の疼痛を緩和し,拘縮を改善し,パフォーマンスを改善します。そして,これらの地道な努力がセラピストとしての「格」を決めていくものと信じています。

 新たな「知識」を「技術」へ変換するための最低限の能力として,目的とする組織を触診する力が不可欠です。我々セラピストの触診は,ただ触るだけでは意味がありません。組織を緊張させたり,弛緩させたり,走行に沿って圧迫したり……。これらの触診から得られる情報の正確さは,いわゆる「Skill」の高さに比例して精度が増してきます。正確な情報は運動療法の取捨選択を容易にし,病態にあった運動療法の実施を可能とするでしょう。このことは,誰のためでもなく全ては患者に還元されます。患者の前に立ち続ける限りは,常にその「Skill」を高める努力を続けることこそ,「Science」と「Skill」が良い割合で融合していくのだと思います

 今回,『運動療法のための機能解剖学的触診技術』の第2版を出版します。内容的には,臨床家として触れられるべき組織を追加するとともに,必要に応じエコー画像を配し,立体的な把握ができるように配慮しました。触診の手順も初版に比べてより詳細に解説するとともに,臨床との関連情報も更に追加しました。また,第2版では,メジカルビュー社の強いサポートのおかげで,紙面はオールカラーとなりました。写真もプロのカメラマンに撮影して頂きました。当然ですが写真の精度が格段に進化したおかげで,さらに内容の理解を助ける効果が生まれています。初版をお持ちの先生方も一度手にとってご覧頂けると幸いです。

 最後に第2版出版の機会を与えて頂きましたメジカルビュー社,紙面のレイアウト,編集作業など多大なご尽力を頂きました間宮卓治氏,写真撮影において協力頂いた中部学院大学准教授の鵜飼建志氏,吉田整形外科病院理学療法士の近藤秀哉氏,三田村信吾氏にこの場を借りてお礼申し上げます。そして初版にも書きましたが,年々忙しくなる私を,そして家族をしっかりと支えてくれている妻,由美子の協力なくして『運動療法のための機能解剖学的触診技術』は世に出なかったと思います。心から感謝しています。

 この本は新しい装いで再び出発します。読者の方々には屈託のないご批判やご意見を遠慮無くお寄せ頂ければ,さらによい本へと成長できると思います。どうぞこれからも宜しくお願い致します。

2011年11月
中部学院大学リハビリテーション学部理学療法学科
理学療法士 林 典雄
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目次

I 触診の基本
 1.基本的立位肢位と解剖学的立位肢位
 2.運動の面・軸・方向
 ・運動の面
 ・運動の軸
 ・運動の方向
 3.姿勢の表し方
 4.触診を行う際の指のあて方

II 骨
 1.肩甲骨
 ・肩甲棘,肩峰,棘三角
 ・内側縁,上角,下角
 ・外側縁,関節下結節,烏口突起
 2.鎖骨
 ・鎖骨体,肩鎖関節,胸鎖関節
 3.上腕骨
 ・大結節,小結節,結節間溝
 ・外側上顆,内側上顆
 ・上腕骨小頭
 ・肘頭窩,上腕骨滑車
 ・尺骨神経溝
 4.橈骨
 ・橈骨頭,腕橈関節,近位橈尺関節
 ・橈骨茎状突起
 ・リスター結節
 5.尺骨
 ・肘頭,腕尺関節
 ・尺骨頭,遠位橈尺関節
 ・尺骨茎状突起
 6.手根骨と指骨
 ・豆状骨
 ・三角骨
 ・舟状骨
 ・月状骨
 ・大菱形骨
 ・小菱形骨
 ・有頭骨
 ・有鉤骨
 ・中手骨頭・体・底,中手指節間関節

III 靱帯
 1.肩関節複合体に関連する靱帯
 ・烏口肩峰靱帯
 ・烏口鎖骨靱帯(菱形靱帯,円錐靱帯)
 ・烏口上腕靱帯
 ・肩鎖靱帯
 ・前胸鎖靱帯,肋鎖靱帯
 ・肩関節包靱帯
 2.肘関節複合体に関連する靱帯
 ・内側側副靱帯
 ・外側尺骨側副靱帯
 ・外側側副靱帯
 ・橈骨輪状靱帯
 3.中手指節関節に関連する靱帯
 ・MP関節の側副靱帯

IV 筋
 1.肩甲上腕関節に関わる筋
 ・三角筋
 ・大胸筋
 ・棘上筋
 ・棘下筋
 ・小円筋
 ・大円筋
 ・肩甲下筋
 ・広背筋
 ・烏口腕筋
 2.肩甲胸郭関節に関わる筋
 ・僧帽筋
 ・菱形筋
 ・肩甲挙筋
 ・小胸筋
 ・前鋸筋
 3.肘関節に関わる筋
 ・上腕二頭筋
 ・上腕筋
 ・腕橈骨筋
 ・上腕三頭筋
 ・肘筋
 ・円回内筋
 ・方形回内筋
 ・回外筋
 4.手関節および手指に関わる筋
 ・長掌筋
 ・橈側手根屈筋
 ・尺側手根屈筋
 ・長橈側手根伸筋,短橈側手根伸筋
 ・尺側手根伸筋
 ・総指伸筋
 ・示指伸筋
 ・小指伸筋
 ・長母指伸筋
 ・短母指伸筋
 ・長母指外転筋
 ・浅指屈筋
 ・深指屈筋
 ・長母指屈筋
 ・短母指屈筋
 ・短母指外転筋
 ・母指内転筋
 ・母指対立筋
 ・小指外転筋
 ・短小指屈筋
 ・小指対立筋
 ・虫様筋,背側骨間筋,掌側骨間筋

上肢筋の支配神経・髄節レベル一覧
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