運動療法のための

機能解剖学的触診技術 下肢・体幹

改訂第2版

機能解剖学的触診技術 下肢・体幹

■監修 青木 隆明

■著者 林 典雄

定価 6,270円(税込) (本体5,700円+税)
  • B5判  344ページ  オールカラー,イラスト360点,写真640点
  • 2012年3月5日刊行
  • ISBN978-4-7583-1137-3

運動器リハビリテーションのための必携『触診技術』,待望のオールカラー改訂第2版!

運動器リハビリテーションに関わるすべてのセラピストに欠かせない触診技術を,機能解剖とともに詳解する『運動療法のための 機能解剖学的触診技術』,待望のオールカラー改訂第2版。先に刊行された『上肢』の続刊として,下肢および体幹の触診技術を扱う。
絶大な支持を得た初版に超音波解剖など最新の知見を反映し,フルカラーの写真とイラストで,より見やすく・わかりやすくなった。ボリューム増でさらにパワーアップした,『触診技術』決定版。
本『下肢・体幹』は,「I 下肢の骨」「II 下肢の靱帯」「III 下肢の筋」「IV 体幹」の全4章で構成している。
それぞれ部位ごとに触診に必要な“解剖学的特徴”“機能の特徴”などを,各項目の冒頭に箇条書きにしてまとめ整理。フルカラーのイラスト・写真を用いて,触診に必要な機能解剖の知識,およびその知識に基づく触診技術が身につくよう,詳しく解説した。
さらに臨床に役立つ知識を盛り込んだコラム“Skill Up”を適宜設け,徒手検査法や疾患の知識を解説。現場の理学療法士・作業療法士にも役立つ内容となっている。


序文

改訂第2版 序 〜Scienceも…… そしてSkillも……〜

 『運動療法のための機能解剖学的触診技術』が出版されもう6年が経過しました。ありがたいことに本書は多くの現役理学療法士を中心に読んで頂くとともに,大学,専門学校など多くの養成校で教科書として採用されてきました。併せて,韓国語,中国語にも翻訳され,アジアに向けても情報発信させて頂けたことは,著者として感謝の気持ちで一杯です。
 出版を契機として「機能解剖学的触診技術をベースとした運動療法の考え方」と題した講演会ならびに研修会の依頼が数多くあり,全国各地でお話しさせて頂いています。受講した先生方の多くで,「機能解剖学の大切さ」,「基礎の大切さ」をあらためて実感したとする感想とともに,各組織をセラピストとして「触りきる技術」の未熟さを痛感させられたとの声も多く寄せられました。

 現在の日本理学療法学術大会に寄せられる応募演題数は2,000題に迫り,その研究レベルも飛躍的に進歩しています。私は,我々日本の理学療法士が取り組んでいるScienceの高さは,決して見劣りするものではなく,世界に誇れるものと感じています。その一方で忘れてならないのは,我々セラピストは「Therapist」であるということです。すなわち我々は「Therapy」する人なのです。私は常々,研究を行い得られた知識は,必ず技術を少しずつでも変化させるものであるべきと考えています。その一つ一つの知識と技術のマッチングが,患者の疼痛を緩和し,拘縮を改善し,パフォーマンスを改善します。そして,これらの地道な努力がセラピストとしての「格」を決めていくものと信じています。

 新たな「知識」を「技術」へ変換するための最低限の能力として,目的とする組織を触診する力が不可欠です。我々セラピストの触診は,ただ触るだけでは意味がありません。組織を緊張させたり,弛緩させたり,走行に沿って圧迫したり……。これらの触診から得られる情報の正確さは,いわゆる「Skill」の高さに比例して精度が増してきます。正確な情報は運動療法の取捨選択を容易にし,病態にあった運動療法の実施を可能とするでしょう。このことは,誰のためでもなく全ては患者に還元されます。患者の前に立ち続ける限りは,常にその「Skill」を高める努力を続けることこそ,「Science」と「Skill」が良い割合で融合していくのだと思います。

 昨年末に出版されました上肢編に引き続き,『運動療法のための機能解剖学的触診技術 下肢・体幹』をお届けします。内容的には,臨床家として触れられるべき組織を追加するとともに,必要に応じエコー画像を配し,立体的な把握ができるように配慮しました。触診の手順も初版に比べてより詳細に解説するとともに,臨床との関連情報も更に追加しました。また,第2版では,メジカルビュー社の強いサポートのおかげで,紙面はオールカラーとなりました。写真もプロのカメラマンに撮影して頂きました。当然ですが写真の精度が格段に進化したおかげで,さらに内容の理解を助ける効果が生まれています。初版をお持ちの先生方も一度手にとってご覧頂けると幸いです。

 最後に第2版出版の機会を与えて頂きましたメジカルビュー社,紙面のレイアウト,編集作業など多大なご尽力を頂きました間宮卓治氏,写真撮影において協力頂いた中部学院大学准教授の鵜飼建志氏,吉田整形外科病院理学療法士の近藤秀哉氏,三田村信吾氏にこの場を借りてお礼申し上げます。そして初版にも書きましたが,年々忙しくなる私を,そして家族をしっかりと支えてくれている妻,由美子の協力なくして『運動療法のための機能解剖学的触診技術』は世に出なかったと思います。心から感謝しています。
 この本は新しい装いで再び出発します。読者の方々には屈託のないご批判やご意見を遠慮無くお寄せ頂ければ,さらによい本へと成長できると思います。どうぞこれからも宜しくお願い致します。

2012年2月
中部学院大学リハビリテーション学部理学療法学科
理学療法士 林 典雄
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目次

I 下肢の骨
 1.骨盤
 ・腸骨稜
 ・上前腸骨棘,下前腸骨棘
 ・上後腸骨棘,仙腸関節
 ・坐骨結節
 2.大腿骨
 ・大転子
 ・大腿骨頭
 3.膝関節周辺
 ・膝蓋骨,大腿骨膝蓋面
 ・大腿骨内側顆,大腿骨外側顆,脛骨内側顆,脛骨外側顆
 ・大腿骨内側上顆,大腿骨外側上顆,内転筋結節
 ・脛骨粗面,Gerdy結節
 ・腓骨頭
 4.足関節および足部周辺
 ・内果,外果,距腿関節
 ・距骨(体,頸,頭,滑車),足根洞
 ・踵骨,踵骨隆起,載距突起,長母趾屈筋腱溝,長腓骨筋腱溝,距骨下関節,踵立方関節
 ・舟状骨,内側楔状骨,母趾中足骨
 ・足根中足関節(リスフラン関節),中間楔状骨,外側楔状骨,第2〜5趾中足骨,第5中足骨粗面,立方骨

II 下肢の靱帯
 1.スカルパ三角関連
 ・鼠径靱帯,大腿動脈,大腿神経,大腿外側皮神経
 2.膝関節関連
 ・内側側副靱帯
 ・外側側副靱帯
 ・ファベラ腓骨靱帯
 ・膝蓋靱帯,内側膝蓋支帯,外側膝蓋支帯
 ・内側膝蓋大腿靱帯,内側膝蓋脛骨靱帯,外側膝蓋大腿靱帯,外側膝蓋脛骨靱帯
 ・腸脛靱帯
 3.足関節関連
 ・三角靱帯(内側靱帯)
 ・外側側副靱帯
 ・二分靱帯(踵舟靱帯,踵立方靱帯)
 ・後距踵靱帯
 ・足底腱膜,スプリング靱帯(底側踵舟靱帯)

III 下肢の筋
 1.股関節に関わる筋
 ・腸腰筋,腸骨筋,大腰筋
 ・縫工筋
 ・大腿筋膜張筋
 ・中殿筋,小殿筋
 ・大殿筋
 ・梨状筋,大腿方形筋,上双子筋,下双子筋,内閉鎖筋
 ・長内転筋,恥骨筋
 ・大内転筋
 2.膝関節に関わる筋
 ・大腿直筋
 ・内側広筋
 ・外側広筋
 ・中間広筋,膝蓋上包(膝蓋上嚢)
 ・半腱様筋,半膜様筋
 ・大腿二頭筋長頭,大腿二頭筋短頭
 ・薄筋
 ・膝窩筋
 3.足関節および足部に関わる筋
 ・前脛骨筋
 ・長趾伸筋,長母趾伸筋
 ・腓腹筋,ヒラメ筋
 ・後脛骨筋
 ・長趾屈筋,長母趾屈筋
 ・長腓骨筋,短腓骨筋
 ・母趾外転筋,短母趾屈筋,母趾内転筋
 ・短趾屈筋

Ⅳ 体幹−胸郭・脊柱関連組織
 1.胸郭に関連する諸組織
 ・胸骨柄,頸切痕,胸骨角,鎖骨間靱帯,第1・2胸肋関節
 ・胸骨体,剣状突起,第3〜7胸肋関節
 ・第11肋骨,第12肋骨,腰方形筋
 ・乳様突起,胸鎖乳突筋
 ・前斜角筋,中斜角筋,腕神経叢
 2.脊柱に関連する諸組織
 ・外後頭隆起,上項線,下項線
 ・環椎横突起
 ・頸椎棘突起
 ・腰椎棘突起,仙骨正中仙骨稜,椎間関節
 ・胸椎棘突起
 ・腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋
 ・腰部多裂筋

下肢筋の支配神経・髄節レベル一覧
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