ビジュアル脳神経外科 1

前頭葉・頭頂葉

前頭葉・頭頂葉

■担当編集 片山 容一

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  224ページ  オールカラー,イラスト171点,写真184点
  • 2010年9月27日刊行
  • ISBN978-4-7583-1177-9

脳神経外科医必須の最新の知識・技術を豊富なイラストと写真を用いて解説した実践シリーズ

第1巻では,前頭葉,頭頂葉を取り上げる。第I章では前頭葉・頭頂葉の手術に必要な構造と機能を,第II章では画像診断・検査を,第III章では手術のアプローチを豊富なイラスト,写真を中心に解説する。脳神経外科医待望の実践的シリーズである。

■シリーズ編集
片山容一/冨永悌二/斉藤延人


序文

 この度,新たな脳神経外科シリーズ『ビジュアル脳神経外科』が上梓される運びとなりました。メジカルビュー社ではかつて『図説脳神経外科 New Approachシリーズ』を刊行し好評を得てきましたが,それから10数年を経過した今日では,脳神経外科手術に“機能の温存”が更に強く求められるようになっております。そこで本書(シリーズ第1巻『前頭葉・頭頂葉』)では,“脳神経外科手術に必要な”をテーマに,脳神経外科医が日常の診療にあたって知っておくべき基本的な知識を解説することに加えて,“機能の温存”というもう一つの主要なテーマが十分に理解されるように企画しました。
 本書の構造と機能の項では,主に脳動脈瘤の手術に際して必須の知識である脳槽および血管系の構造を,実際の手術アプローチから見る視野から解りやすく解説するとともに,脳神経外科手術に際して留意すべき前頭葉・頭頂葉機能,なかでも運動や言語機能に関係する脳部位の構造を解説しました。画像診断・検査の項では,構造と機能の項の知識を(機能)画像などの諸検査でどのように捉えて,それを実際の手術にいかに反映させるかということに主眼を置いた構成となっています。手術の項では,前頭葉・頭頂葉の代表的な手術に加えて,言語・運動野の器質的疾患に対して“機能の温存”を念頭に置いた手術を解説しました。また,執筆者の方々に多くの図や画像を挿入頂けたことが視覚的な補助となり,理解しやすい内容となっていることは本シリーズの名称『ビジュアル脳神経外科』が示す通りです。
 最後に,本書の執筆者の方々に対して,ご多忙にもかかわらずご執筆をお引き受けくださいましたことに厚く御礼を申し上げます。また,膨大な図・画像の作成および校正に多大なご尽力頂きましたメジカルビュー社の担当諸氏に,あらためて感謝申し上げます。

2010年8月 
片山容一
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目次

I.前頭葉・頭頂葉の構造と機能   
 手術に必要な前頭葉・頭頂葉の解剖  
    前頭葉・頭頂葉の構造 
       前頭葉の境界
       頭頂葉の境界
    手術およびその計画に必要な解剖知識 
       シルビウス裂
       前頭葉の主要な脳溝とそのバリエーション
       頭頂葉の主要な脳溝とそのバリエーション
       前頭葉・頭頂葉の脳回と主要機能野
 手術に必要なくも膜下腔・脳槽の微小解剖  
    脳表を構成する膜構造 
    各脳槽の解剖 
       Sylvian cistern(シルビウス槽)
       Carotid cistern
       Lamina terminalis cistern
       Chiasmatic cistern(視交叉槽)
       Olfactory groove cistern(嗅溝)
    脳槽解剖と手術の要点 
       くも膜の切開
       中大脳動脈瘤
       内頚動脈瘤
       前交通動脈瘤
 手術に必要な内頚動脈とその分枝の微小解剖  
    内頚動脈(internal carotid artery)の解剖学的区分 
    各部位の解剖 
       海綿静脈洞部内頚動脈の解剖
       前床突起と内頚動脈
       脳槽部内頚動脈の解剖
 手術に必要な前大脳動脈・前交通動脈とその分枝の微小解剖  
    前大脳動脈近位部(A1部) 
    前交通動脈瘤近傍 
    前大脳動脈遠位部(A2-A5) 
 手術に必要な中大脳動脈とその分枝の微小解剖  
    微小外科解剖 
       Sphenoid segment(M1)
       Insular segment(M2)
       Opercular segment(M3)
       Cortical segment(M4)
    中大脳動脈と灌流領域 
    中大脳動脈の奇形 
       重複中大脳動脈(duplicate middle cerebral artery)
       副中大脳動脈(accessory middle cerebral artery)
    中大脳動脈と手術 
       脳動脈瘤
       バイパス手術
       脳腫瘍
 手術に必要な前頭-頭頂部の静脈・静脈洞の解剖  
    上矢状静脈洞 
    下矢状静脈洞 
    蝶形頭頂静脈洞 
 前頭葉・頭頂葉の症候学  
    前頭葉の症候学 
       穹窿面損傷による症候
       内側面損傷による症候
       眼窩面損傷による症候
    頭頂葉の症候学 
       中心後回損傷による症候
       頭頂間溝・上頭頂小葉の損傷による症候
       優位半球下頭頂小葉の損傷による症候
       非優位半球下頭頂小葉の損傷による症候

II.前頭葉・頭頂葉の画像診断・検査   
 前頭葉・頭頂葉のCT,MRI  
    前頭葉・頭頂葉の構造特定のためのCT,MRI検査 
    前頭葉・頭頂葉の画像解剖 
       中心溝とその周囲
       下前頭回,弁蓋,縁上回・角回
       内側面・下面の諸構造
       前頭葉・頭頂葉の皮質中枢と前頭連合野
 ニューロ・ナビゲーションシステム  
    ニューロ・ナビゲーション画像における主要な脳溝の同定 
       シルビウス裂
       中心溝(central sulcus)
       中心前溝(precentral sulcus)
       上前頭溝(superior frontal sulcus)
       下前頭溝(inferior frontal sulcus)
       中心後溝(postcentral sulcus)
       頭頂間溝(intraparietal sulcus)
 前頭葉・頭頂葉の脳機能イメージング  
    脳循環代謝イメージングによる脳機能マッピングとは 
    運動と知覚のイメージング 
    体性機能局在のイメージング 
    言語と認知機能のイメージング 
    前頭葉てんかん焦点描出における機能イメージング 
    基礎研究における機能イメージング 
 手術計画に必要な機能検査:言語優位半球の同定法  
    ワダテスト 
    ダイコティック・リスニング 
    機能的MRI(fMRI) 
    近赤外分光法 
    脳磁図 
 手術計画に必要な機能検査:電気生理学的検査法  
    運動誘発電位(MEP) 
       運動プログラムの流れ
       方法:刺激と記録
       皮質脊髄路を下行する電位
       MEPの臨床的意義
    体性感覚誘発電位(SEP) 
       感覚情報の流れと感覚線維の種類
       方法:刺激と記録
       正中神経刺激SEPの成分
       SEPの臨床的意義
 術中神経生理−言語・運動機能を中心に−  
    運動機能の術中神経生理 
       皮質刺激−筋電図記録
       皮質刺激−脊髄硬膜外記録
       経頭蓋刺激−筋電図記録
       経頭蓋刺激−脊髄硬膜外記録
       皮質下での皮質脊髄路マッピング
    言語機能の術中神経生理 
       覚醒下手術による言語機能マッピング
       留置硬膜下電極による言語機能マッピング
       言語停止の意味
       言語関連皮質下線維のマッピング
    損傷後の機能回復に関する問題 

III.前頭葉・頭頂葉の手術   
 基本的手術法   
 前頭葉切除術  
    適応 
    開頭およびアプローチ法 
       開頭
       切除範囲(切開線)
       切除の実際
    手術に必要な解剖 
       前頭葉の脳回,脳溝
       シルビウス溝と下前頭回
       前頭葉切除術において注意すべき血管
       前頭葉前方(切除範囲)からの神経線維束
 経シルビウス裂アプローチによるウィリス動脈輪前半部動脈瘤の手術  
    適応 
    開頭およびアプローチ法 
       開頭法(前頭側頭開頭)
       体位
       皮膚切開,硬膜切開,開頭
       シルビウス裂の開放
    手術に必要な局所解剖 
       側頭筋,顔面神経
       Sylvian vein
       前床突起,上眼窩裂
       各部位の脳動脈瘤手術
 Interhemispheric approachによる前交通動脈瘤および末梢前大脳動脈瘤の手術  
    Interhemispheric approachの利点と欠点 
    術前検査 
    術中モニター 
    Interhemispheric approachの実際 
       体位と頭位
       皮切と骨膜弁の採取
       開頭
       前頭洞の処置
       硬膜切開および架橋静脈とcrista galliの処置
       顕微鏡操作(半球間裂の剥離手順と軟膜損傷の予防)
       Microvascular interhemispheric fissure
       動脈瘤の処置
       術中破裂
       前頭洞の閉鎖と閉創
    末梢前大脳動脈瘤に対する手術 
 側脳室三角部へのアプローチ  
    側脳室三角部の解剖 
    側脳室三角部への手術アプローチ 
       Paramedian high parietal approach
       Parieto-occipital interhemispheric precuneus approach
       Middle temporal gyrus approach
       その他の手術アプローチ
 疾患に対する手術法   
 嗅窩部・鞍結節部髄膜腫  
    嗅窩部髄膜腫(olfactory groove meningioma) 
       術前検査
       術前処置
       体位・頭部固定
       手術
    鞍結節部髄膜腫(tuberculum sellae meningioma) 
       手術適応
       手術法:特徴と適応
       手術:pterional approach
 傍矢状洞・大脳鎌髄膜腫  
    矢状洞・大脳鎌をめぐる外科解剖 
    術前画像診断 
    アプローチの決定 
    手術手技 
       皮膚切開
       開頭
       硬膜切開
       静脈,静脈洞の処理
       傍矢状洞硬膜付着部の処理
       大脳鎌の切断
       脳との剥離
 言語・運動野のグリオーマ  
    弁蓋グリオーマ 
       局所解剖と機能
       手術方針の決定
       術中モニタリングの選択
       手術方法
    その他のグリオーマ 
       中前頭回腫瘍
       中心前回腫瘍
       補足運動野腫瘍
 言語・運動野の脳動静脈奇形  
    治療方針の決定 
       外科治療の適応
       手術計画
       手術に必要な局所解剖
       術前評価
       術中モニタリングについて
       摘出操作について
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