ビジュアル脳神経外科 5

頭蓋底1:前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩

頭蓋底1:前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩

■担当編集 冨永 悌二

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  264ページ  オールカラー,イラスト160点,写真291点
  • 2012年9月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-1181-6

前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩病変への手術手技をエキスパートに学ぶ

進歩の著しい脳神経外科手術の現状を踏まえて,脳神経外科専門医および専門医を目指す若手医師が知っておくべき知識と技術を解説したシリーズ第5巻。
本巻では前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩を取り上げる。この部位の疾患は腫瘍から,脳血管障害,機能的疾患まで多岐にわたる。また脳神経外科だけでなく,形成外科,頭頸部外科,眼科にもまたがり,整容的な配慮も必要な領域で,手術には総合的な知識と技術が必要となる。
本書では,基本的な解剖から,機能検査,モニタリング,そして代表的な手術アプローチと疾患の治療を豊富なイラストを用いて解説し,前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩病変の手術が総合的に学べる一冊となっている。

■シリーズ編集
片山容一/冨永悌二/斉藤延人


序文

 この度,ビジュアル脳神経外科シリーズの『頭蓋底①:前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩』が上梓されました。
 本シリーズでは,解剖を中心とした脳神経外科手術に必要な知識をわかりやすく伝えるため,大きくきれいな図譜が豊富に付されています。読者の直観的理解を助け,忙しい中でも手術に関する重要事項を“眺める”ことができます。まさにビジュアルと銘打つ所以です。また“CHECK Point”や“Dont do it”などのコラムには,先輩が後輩に伝えるように実践的な手術のポイントが随所に記されており,手術のポイントを押さえることができるようになっています。
 既刊の『頭蓋底②:後頭蓋窩・錐体斜台部』に加えて,本書では前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩を特集しており,まず解剖と画像検査にはじまり,機能検査とモニタリング,基本的な頭蓋底アプローチと再建が配されています。ここに記された頭蓋底外科による基本的アプローチは腫瘍ばかりでなく様々な病種で必要とされており,基本テクニックとして身につけるべき時代になっていると思います。また代表的な8つの疾患を取り上げ,それぞれの治療戦略や標準的かつ具体的な手術内容が記載されています。これらの疾患の中には,有名であるけれども比較的経験することが少ない疾患も含まれており,是非日常診療に役立てていただければと思います。
 ご多忙の中,各項目を執筆いただいたエキスパートの先生方に感謝すると同時に,本書が若手脳神経外科医のみならず,手術にかかわる多くの先生のお役にたつことを祈念いたします。

2012年8月
冨永悌二
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目次

Ⅰ.前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩の解剖と画像検査
 眼窩の解剖と画像検査 名取良弘
   眼窩の解剖
     筋肉
     神経
     動・静脈
   画像診断
     CTによる眼窩病変の診断
     MRIによる眼窩病変の診断
     特殊撮影−ダイナミック造影検査ほか
     手術に必要な画像と解剖

 海綿静脈洞の解剖 鰐渕昌彦,秋山幸功,杉野俊哉,三國信啓
   海綿静脈洞
     前外側の解剖
     外側の解剖
     内側の解剖
   結語

 外頭蓋底の解剖−内視鏡頭蓋底外科を中心に 戸田正博
   鼻腔解剖
   副鼻腔解剖
     前頭洞
     上顎洞
     篩骨洞
     蝶形骨洞
     翼口蓋窩
   前頭蓋底
   トルコ鞍およびその近傍
   斜台

Ⅱ.前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩の機能検査とモニタリング
 神経眼科的検査 江本博文,清澤源弘
   視力の記載
   色覚
   視野検査
     動的視野検査
     自動静的視野検査
   眼球運動検査
     第一眼位(primary eye position)
     単眼運動(duction)
     両眼共同運動(version)
     ヘスチャート(Hess chart)
   瞳孔検査
     瞳孔反応異常
     Swinging flashlight test
     黒内障性瞳孔強直

 嗅覚異常と検査 三輪高喜
   嗅細胞によるにおいの受容
   中枢における嗅覚経路
   嗅覚障害の分類と原因疾患
     呼吸性嗅覚障害·
     嗅粘膜性嗅覚障害
     末梢神経性嗅覚障害
     中枢性嗅覚障害
     発生頻度
   嗅覚障害の診断
   画像診断
    CT
     MRI
   嗅覚検査
     域値検査
     同定能検査
     識別能検査
     静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)
     Open Essence(嗅覚同定能検査)

 視神経モニタリング 佐々木達也,昆 博之,西嶌美知春
   視覚誘発電位(VEP)
     方法
     症例1〜5
   考察

Ⅲ.前頭蓋窩・眼窩・中頭蓋窩の手術
基本頭蓋底アプローチと再建
 Basal interhemispheric approach 林 央周
   BIHAの適応と各疾患における利点
     前交通動脈瘤,末梢性前大脳動脈瘤
     前頭蓋底部,鞍上部腫瘍
   開頭およびアプローチ
     体位
     皮膚切開
     開頭
     硬膜切開と硬膜内操作
   BIHAにおける合併症とその対策
     髄液漏および頭蓋内感染症
     嗅覚障害
     整容的問題

 Orbitozygomatic approach 野口明男,塩川芳昭
   手術手技
     体位
     皮膚および側頭筋切開
     筋肉の翻転
     開頭
   応用

 Extended transsphenoidal approach 北野昌彦
   体位と頭位
   粘膜切開から蝶形骨洞前壁まで
   術野拡大のテクニック
     側方への術野拡大
     前方への術野拡大
     下方への術野拡大
     硬膜切開
   疾患別治療戦略
     巨大下垂体腺腫
     頭蓋咽頭腫
     鞍結節部髄膜腫
     海綿静脈洞内腫瘍
   確実な髄液漏予防
     創の閉鎖

 Infratemporal (fossa) approach 青柳 傑,角田篤信,矢野智之,岸本誠司
   手術適応
   中頭蓋底および側頭下窩の解剖学的特徴
   手術アプローチ
     全身麻酔,spinal drainage挿入と手術体位
     皮膚切開,開頭
     硬膜外剥離,海綿静脈洞外側壁の剥離,中頭蓋底削除
     Orbitozygomatic approach,あるいはfacial dismaskingによる頭側からの側頭下窩腫瘍の摘出
     顔面神経,耳下腺,下顎骨(枝),下顎関節処理,内頚動脈周辺へのアプローチ
     腫瘍摘出腔の再建術

 前頭蓋底・中頭蓋底の再建 力丸英明,清川兼輔
   再建材料の選択
     硬膜欠損部の修復に用いる再建材料
     頭蓋腔と鼻・副鼻腔もしくは外界との遮断に用いる再建材料
   前頭蓋底の術野の展開と再建材料の準備
     術野の展開と側頭筋骨膜弁の挙上
     側頭筋骨膜弁(temporal musculo-pericranial flap)
     前頭筋骨膜弁(frontal musculo-pericranial flap)
   前頭蓋底の再建
     側頭筋骨膜弁による硬膜欠損部の修復
     頭蓋腔と鼻・副鼻腔の遮断
   閉頭
   中頭蓋底腫瘍に対する側頭下窩の術野の展開と再建
     術野の展開
     再建

疾患に対する治療法
 眼窩内腫瘍の手術 近藤聡英,新井 一
   適応・治療戦略
   手術アプローチ法
     経頭蓋到達法(transcranial approach)
     側方到達法
   閉創について

 鞍結節部・前床突起髄膜腫の手術 深見忠輝,地藤純哉,野崎和彦
   栄養血管とその解剖
     正常解剖
     傍トルコ鞍部,前床突起部髄膜腫の塞栓術を行ううえで注意を要する危険な吻合
     傍トルコ鞍部,前床突起部髄膜腫の塞栓術を行ううえで注意を要する脳神経と栄養血管の関係
   鞍結節部髄膜腫
     手術適応
     治療戦略
     開頭および各種アプローチ
   前床突起髄膜腫
     手術適応
     治療戦略
     開頭およびアプローチ

 前頭蓋窩・中頭蓋窩悪性腫瘍の手術 土井清司,丹生健一
   適応
     対象疾患
     手術適応の判断する要素
     進展範囲からの限界
   治療戦略
     血管造影検査
     ナビゲーションシステム
     体位・頭部固定
     硬膜閉鎖
     再建
     術後管理
   開頭および各種のアプローチ
     開頭方法
     アプローチ
   手術に必要な局所解剖
     前頭蓋窩
     眼窩
     頭皮
     中頭蓋窩

 視神経近傍病変に対する定位放射線照射 岩井謙育
   定位放射線照射の装置の理解
     定位的放射線照射装置の種類
   治療適応
   線量計画
   疾患別治療戦略
     海綿静脈洞部髄膜腫
     下垂体腺腫
     頭蓋咽頭腫
     眼窩内腫瘍
     脈絡膜腫瘍

 傍床突起内頚動脈瘤の手術 西山義久,木内博之,堀越 徹
   手術に必要な局所解剖
   適応,治療戦略
     適応
     治療戦略
   術前検査
     3D-CT angiography(CTA)
     Bone density CT
     同側内頚動脈の閉塞試験(BTO)
   開頭およびアプローチの実際
     頚部内頚動脈の確保
     前床突起の削除と視神経管の開放,およびoptic strutの削除
     視神経鞘および遠位側硬膜輪(distal dural ring)の切開
     クリッピング
     神経内視鏡の導入
     閉創
   症例呈示
     Lt. anterior paraclinoid aneurysm
     Rt. ophthalmic aneurysm
     Lt. posterior paraclinoid aneurysm

 海綿静脈洞内動静脈瘻の治療 江面正幸,木村尚人,冨永悌二
   海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻
     病態
     治療適応
     治療
   特発性内頚動脈海綿静脈洞瘻
     病態
     治療適応
     治療
   外傷性内頚動脈海綿静脈洞瘻
     病態
     治療

 外傷性髄液漏・視神経管骨折の外科治療 堀口健太郎,佐伯直勝
   外傷性髄液漏
     解剖
     診断
     画像診断
     手術
   視神経管骨折
     解剖
     治療適応
     画像診断
     手術

 頭蓋縫合早期癒合症(狭頭症)に対するfronto-orbital advancement 重田裕明
   Fronto-orbital advancementの適応と治療戦略
     適応
     従来法と骨延長法
     治療時期と治療戦略
   手術に必要な局所解剖
   術前準備
     術前画像診断と検査
     術前の頭部処置
     術中モニター
   Fronto-orbital advancement(従来法)の手術手技
     頭部固定と手術体位
     皮膚切開
     両側前頭骨とsupraorbital barの骨切り
     骨変形の矯正
     前方移動と固定
     閉創
   骨延長法によるfronto-orbital advancementの手術手技
     皮膚切開
     骨切り
     骨延長器の設置
     術後の骨延長方法と処置
     骨延長器の摘出手術
   手術合併症について
   合併病態の対策
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