ビジュアル脳神経外科 6

間脳・下垂体・傍鞍部

間脳・下垂体・傍鞍部

■担当編集 斉藤 延人

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  244ページ  オールカラー,イラスト154点,写真238点
  • 2013年2月22日刊行
  • ISBN978-4-7583-1182-3

間脳・下垂体・傍鞍部の疾患を識るにはこの一冊から

進歩の著しい脳神経外科手術の現状を踏まえて,脳神経外科専門医および専門医を目指す若手医師が知っておくべき知識と技術を解説したシリーズ第6巻。今回は間脳・下垂体・傍鞍部を取り上げる。
下垂体・傍鞍部周辺は,下垂体腺腫をはじめ,頭蓋咽頭腫,傍鞍部髄膜腫など,脳腫瘍が発生しやすい部位である。また内分泌器官である下垂体の治療には,脳神経外科医だけでなく内分泌内科の医師も関わってくる。本書では,間脳・下垂体・傍鞍部の基本的な解剖から,機能検査,画像診断,そして下垂体関連の腫瘍を中心にその治療法(薬物療法・手術)を豊富なイラスト・写真を用いて解説する。

■シリーズ編集
片山容一/冨永悌二/斉藤延人


序文

 この度,『ビジュアル脳神経外科』第6巻『間脳・下垂体・傍鞍部』が上梓される運びとなりました。本シリーズは約15年前に刊行され好評を得た『図説脳神経外科New Approach』の後継リニューアル版で,今回のシリーズでも,脳の構造や機能を理解し,手術をはじめとした日常診療に役立てることを目的に編集されています。単なる手術書とは異なり,バックグランドとなる解剖や生理の知識をはじめ,手術の考え方を学べるようになっています。また,イラストや画像などを多用し,わかりやすく親しみやすい教科書として最新版の知識を提供しています。
 間脳・下垂体・傍鞍部は脳神経や動静脈が入り組んで解剖が複雑なばかりでなく,神経機能や内分泌機能の中枢でもあり,構造的にも機能的にも最もバリエーションに富んだ魅力あふれる領域です。第Ⅰ章ではその解剖を,間脳・下垂体,傍鞍部・海綿静脈洞,副鼻腔に分け詳述しています。第Ⅱ章では「内分泌学的評価法と薬物療法」と題し,この領域の特殊性を内科の専門家の先生にもお願いし詳述していただきました。第Ⅲ章では,画像診断について神経放射線や核医学の先生にご解説をいただいております。第Ⅳ章では手術について,まず「基本的手術法」として経蝶形骨洞アプローチと海綿静脈洞部の血管内治療を取り上げ,ついで「疾患別治療法」を第一線でご活躍の先生にご執筆いただいています。最先端の知識をビジュアルで理解しやすい形式にまとめ上げた本書が,専門医取得のための学習や脳神経外科専門医の知識の更新や日常診療のお役に立つことを願っています。
 最後に,ご多用中にもかかわらずご執筆をお引き受け下さいました先生方に深謝申し上げます。また,本書の企画から編集,イラストの作成などご尽力をいただきましたメジカルビュー社の担当諸氏に厚く御礼申し上げます。

2013年1月
斉藤延人
全文表示する

目次

Ⅰ.間脳・下垂体・傍鞍部の解剖
間脳と下垂体部の解剖  田中雄一郎,高砂浩史
 間脳の概観と発生
 視床上部
 背側視床
 腹側視床
 視床下部
 間脳の血管
 下垂体
 下垂体の血管

傍鞍部・海綿静脈洞の微小血管解剖  西澤 茂,山本淳考
 海綿静脈洞の解剖
   流入路
   流出路
 海綿静脈洞と内頚動脈
   海綿静脈洞の内頚動脈
   海綿静脈洞内内頚動脈の分枝
 脳下垂体の微小血管解剖
   下垂体前葉
   下垂体後葉
   下垂体の血管
 海綿静脈洞と脳神経

経蝶形骨洞的手術に必要な鼻副鼻腔の解剖  近藤健二
 鼻腔の構造
   鼻中隔
   鼻甲介
 副鼻腔の構造
   蝶形骨洞
   篩骨蜂巣
   上顎洞
 鼻腔の血管

Ⅱ.内分泌学的評価法と薬物療法
視床下部病変の症候と生理学的検査  福多真史
 視床下部の構造
 視床下部の諸核
   前域
   中間域
   後域
 視床下部の主な求心路と遠心路
   求心路
   遠心路
 視床下部の機能
 視床下部病変の症候
 視床下部の生理学的所見

下垂体病変の内分泌学的検査と診断  高野幸路
 負荷試験の必要性の判断
 試験施行時の留意点
 下垂体機能低下症の診断
   成長ホルモン(GH)
   副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
   プロラクチン(PRL)
   甲状腺刺激ホルモン(TSH)
   ゴナドトロピン
   バソプレシン
 先端巨大症の診断のための検査
 クッシング病の診断のための検査
 高PRL血症の鑑別診断のための検査
 TSH産生腫瘍の診断のための検査

プロラクチノーマの薬物療法と治療効果  小野昌美,三木伸泰,市原淳弘
 治療の背景と診療方針の現況
 カベルゴリン治療戦略
 PRL正常化率と性腺機能の回復
 不妊治療と妊娠母体や胎児に及ぼす影響
 腫瘍縮小効果
 副作用

先端巨大症の内科的治療  東條克能
 先端巨大症の治療における内科的治療の位置づけ
 先端巨大症に対する内科的治療
   ソマトスタチン誘導体(SSA)
   ドーパミン作動薬
   GH受容体拮抗薬

Ⅲ.間脳・下垂体・傍鞍部の画像診断
間脳・下垂体のCT・MRI  山﨑香奈,青木茂樹
 下垂体腺腫(pituitary adenoma)
 頭蓋咽頭腫(craniopharyngioma)
 胚腫(germinoma)
 傍鞍部髄膜腫(parasellar meningioma)
 傍鞍部動脈瘤(parasellar aneurysm)
 Tolosa-Hunt症候群(Tolosa-Hunt syndrome)
 サルコイドーシス(sarcoidosis)
 鞍上部pilomyxoid astrocytom

間脳・下垂体の核医学検査  百瀬敏光,高橋美和子
 核医学検査の特徴
 FDG-PETの臨床
   検査方法
   脳FDG-PET正常像
   画像評価法のポイント
 MET-PETの臨床
   MET-PETのプロトコール
 ホルモン受容体のイメージング
 間脳・下垂体イメージングの特徴
 ソマトスタチン受容体シンチグラフィー(SRS)
 下垂体腫瘍例でのドーパミン受容体の定量測定
 おわりに

Ⅳ.間脳・下垂体・傍鞍部の治療
基本的手術法
内視鏡下経鼻的経蝶形骨洞アプローチ  辛 正廣,斉藤延人
 手術の適応
 経鼻的アプローチに必要な解剖
 手術で使用する内視鏡システムと器具
 術野のセッティング
 鼻腔内での手術操作
 蝶形骨洞からトルコ鞍への操作
 下垂体腫瘍の摘出
 トルコ鞍底の再建と鼻腔内の処置

海綿静脈洞部の血管内治療  佐藤 徹
 海綿静脈洞の血管解剖(他の静脈,脳神経との位置関係)
   海綿静脈洞(CS)とその他の静脈,脳神経との位置関係について
   CSとその栄養動脈について
 CSdAVFにおける血行動態
 CSdAVFの血管内治療
   Sinus packing
   Dangerous outletの閉塞を主眼としたTVE
   Superselective shunt occlusion(SSSO)
   経動脈的塞栓術(TAE)
 その他の海綿静脈洞部における血管病変での血管内治療の適応
   Direct CCF
   海綿静脈洞部動脈瘤·
 最後に

疾患別治療法
機能性下垂体腺腫に対する治療法の選択  藤尾信吾,有田和徳
 各機能性下垂体腺腫の概要と治療法
   プロラクチン(PRL)産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)
   成長ホルモン(GH)産生下垂体腺腫
   副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生下垂体腺腫(クッシング病)
   甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生下垂体腺腫
 手術手技の実際
   アプローチ法
   鼻腔内から蝶形骨洞前壁まで
   蝶形骨洞内の操作
   トルコ鞍底開窓
   トルコ鞍底硬膜切開
   腫瘍の被膜外摘出
 鞍外伸展部位へのアプローチ
   機能性下垂体腺腫摘出の工夫
   閉創
 おわりに

非機能性下垂体腺腫に対する治療法の選択  阿部琢巳
 治療の目的
 治療法
   開頭術の適応
   開頭術
   残存腫瘍の治療法
   放射線療法
 無症候性非機能性下垂体腺腫(偶発腫:incidental adenoma)の治療方針
 結語

悪性下垂体腺腫−異型性下垂体腺腫,下垂体癌  廣畑倫生,村上峰子,松野 彰
 定義
 疫学
 組織像,分子病理学的所見
 治療
 異型性下垂体腺腫・下垂体癌に対するTMZ治療
   症例提示

頭蓋咽頭腫に対する手術アプローチの選択  岡 秀宏,藤井清孝
 頭蓋咽頭腫の疫学
 頭蓋咽頭腫の病理
 治療方針
   手術の治療指針
   放射線の治療指針
 手術アプローチの選択
   経蝶形骨洞的腫瘍摘出術
   開頭術
 頭蓋咽頭腫治療の問題点と限界
 結語

頭蓋咽頭腫に対する放射線治療の役割  木田義久
 従来の放射線治療と治療成績
   放射線外照射
   囊腫内照射(intracavitary irradiation)
 ガンマナイフ治療−定位放射線治療
 腫瘍コントロールについて
 合併症について
 考察

傍鞍部髄膜腫に対する手術アプローチの選択  後藤剛夫,大畑建治
 前床突起部髄膜腫
   手術到達法の選択
   開頭,硬膜外操作
   硬膜内操作
   硬膜閉鎖
 鞍結節部髄膜腫
   手術到達法の選択
   体位,皮膚切開,開頭範囲
   硬膜切開,嗅索剥離
   腫瘍露出
   腫瘍摘出
   硬膜閉鎖,閉頭

傍鞍部巨大動脈瘤の外科治療−Suction decompression法の併用  伊達 勲
 術前検査
 手術体位・セッティング
 頚部露出
 開頭・骨切除
 硬膜切開・動脈瘤露出
 Suction decompression開始
 クリッピング
 まとめ

間脳・下垂体部胚細胞腫瘍に対する治療法の選択  鈴木智成,藤巻高光
 胚細胞腫瘍の基礎知識
 診断,治療の進め方
 間脳・下垂体部胚細胞腫の手術
   神経内視鏡手術
   Transsphenoidal surgery
   開頭術

視床下部過誤腫に対する治療法の選択  亀山茂樹
 視床下部過誤腫手術の基本概念
   発作起始部は過誤腫の視床下部との接合部に存在する
   過誤腫の視床下部からの離断という概念が安全性と有効性を高める
   MRIガイドSRTが顕微鏡手術や内視鏡手術より優れている
 過誤腫に対する手術アプローチ
   手術アプローチの種類
   過誤腫サブタイプとアプローチの選択
 MRIガイド定位温熱凝固術
   術式
   SRTの安全性と効果
   複数回手術
全文表示する

関連する
オススメ書籍