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腹式単純子宮全摘術

必須術式の完全マスター

腹式単純子宮全摘術

■担当編集委員 小西 郁生

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  172ページ  オールカラー,イラスト200点
  • 2010年3月25日刊行
  • ISBN978-4-7583-1201-1

イラストを中心に“手術のコツと注意点”を随所に配したオールカラービジュアル手術書

産婦人科医が必ず身につけておかなければならない手術について,イラストを中心として詳しく手技を解説するシリーズである。単なるテクニックをマニュアル的に開示するにとどまらず,「疾患をより深く理解し必要十分な手術を行う」ことや,「術後QOLを損なわないための工夫をする」こと,「妊孕性温存のために」など,“十分な理解に基づく手術”をマスターできる実践的なシリーズ。
第2巻は「腹式単純子宮全摘術」を取り上げる。単純子宮全摘術は,婦人科手術のなかで最も頻度の高い術式である。そのため,本術式をマスターしておくことは必須である。本書では,基本的な術式の詳細な解説をはじめ,症例に応じたバリエーションや手術の精度を上げるための工夫が取り上げられており,さらに術前・術後管理,インフォームドコンセント,合併症など,手術に関連する問題についてあますところなく記述されている。

■シリーズ編集委員
平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省


序文

 腹式単純子宮全摘術は,あらゆる産婦人科手術の中で最も基本となる手術であり,専門研修を開始した若手の産婦人科専攻医が3年間の修練でまずマスターすべき手術といえる。手術手技は若いうちにできるだけ集中して,まず基本をしっかりと学んだ後,可能なかぎり多くの症例を経験することが大切である。新医師臨床研修制度の導入以来,大学病院で研修する若手医師が減少傾向にあり,なかには3年間で腹式単純子宮全摘術を自ら執刀することがの少ない若手医師が出てきたことは大きな問題である。やはり卒後臨床研修の王道は,まず大学病院で基礎をしっかり身につけた上で,第一線病院に移り自ら多数例を経験することであろう。
 さて,この腹式単純子宮全摘術の「単純」という言葉は誤解を生む要因である。英語の用語においても”abdominal total hysterectomy”と呼ばれ,最近はほとんどsimpleという単語は使用されなくなっている。単純子宮全摘術は決して単純な手術ではなく,産婦人科医としての年数を数えるほどに,この手術の奥深さに驚く毎日である。子宮そのものが,その本来もつ内的要因により,さまざまにその大きさや形を変え,種々の方向に伸展し,また周囲にはこれまた驚くほどの変化をみせる卵巣や卵管があり,これらとの相互作用で複雑な有りようを呈する。さらには,隣接する泌尿器や消化管そして後腹膜腔とも,相互にかつ複雑に影響を与えあう。
 したがって,腹式単純子宮全摘術では骨盤内臓器の千変万化の状況に応じて,こちらも千差万別に対応しなければならない。ある与えられた状況の下で理想的なアプローチはただ一つであろう。これを求めて,手術をどのように組み立てていくかを思考しつつ,一歩一歩進めていくのであり,ここに産婦人科手術の真の醍醐味がある。そこで,本シリーズ第2巻,腹式単純子宮全摘術の特集では,少しでもこの理想に到達できるよう,その基本手技を,さらには,さまざまなバリエーションへの対応を学べるよう執筆していただいた。読者の先生方の手術手技がさらに進歩・発展することを祈る。

2010年3月
小西郁生
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目次

単純子宮全摘術の適応と術前診断  小阪謙三 ほか
術前準備とインフォームドコンセント  万代昌紀
手術合併症と術後管理  片渕秀隆 ほか
単純子宮全摘術の手術解剖学  高倉賢二 ほか
基本的な手術手順1   平松祐司
基本的な手術手順2   小西郁生
基本的な手術手順3 :Aldridge法・野田変法  渡部 洋 ほか
基本的な手術手順4 :BiClamp(r)法 尿管・膀胱損傷の予防  寒河江 悟 ほか
出血量を減らすための予防策渡  利英道 ほか
出血時の対策と部位別止血法  高野克己 ほか
巨大子宮筋腫の手術  寺田幸弘 ほか
帝王切開後の単純子宮全摘術  竹田 省
高度癒着例に対する単純子宮全摘術  日浦昌道 ほか
後腹膜からのアプローチ  古川直人 ほか
頸部筋腫に対する単純子宮全摘術  角田 肇 ほか
逆行性の単純子宮全摘術の応用  平松祐司
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