OGS NOW 6

子宮体癌・卵巣癌の手術

基本術式と腫瘍進展に応じた戦略

子宮体癌・卵巣癌の手術

■担当編集委員 小西 郁生

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  184ページ  オールカラー,イラスト150点,写真50点
  • 2011年4月21日刊行
  • ISBN978-4-7583-1205-9

イラストを中心に“手術のコツと注意点”を随所に配したオールカラービジュアル手術書

No.6では,子宮体癌・卵巣癌の手術を取り上げた。経験豊富な術者による“手術のコツと注意点”を中心に,基本術式をよりわかりやすく解説するともに,個々の患者によって異なる腫瘍の進展様式に対応した手術法を紹介している。子宮体癌手術では,標準的治療として注目されているリンパ節郭清術,また卵巣癌において重要となる腫瘍減量法など,子宮体癌・卵巣癌を取り巻く手術を豊富なイラストで解説しており,本書は手術技量の向上に役立つ1冊である。

■シリーズ編集委員
平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省


序文

 子宮体癌および卵巣癌の手術書を出版することとなり,これらの癌に対する手術療法に精通する先生方から貴重な原稿とイラストをいただくことができた。卒後3〜5年の産婦人科専門研修のまっただ中にいる専攻医,卒後5〜10年で婦人科腫瘍専門医をめざす若手産婦人科医が,癌に対する基本術式およびその応用編を身につける上で非常に有益な書ができあがったのではないかと感じている。
 私たちは医師として,患者さんの生存およびQOL向上のためにできるかぎりのことをしたいと願っている。近年のガイドライン時代にあって,悪性腫瘍に対する手術療法においても高いエビデンスに基づく標準治療の確立が求められる。したがって,まずは標準術式をしっかりとマスターすることが必要である。しかし一方,癌の進展様式は個々の患者さんで非常に異なり,千差万別といえる姿を見せてくるのであり,個々の患者さんの予後向上にはそれに徹底的に対応した手術が求められる。その意味で「手術療法は個別化された治療の究極である」といえる。例えば,転移リンパ節が静脈に固着している場合,摘出可能か否かを判断し,もしも可能であれば摘出できる技量をもつことはとても重要である。
 子宮体癌手術では後腹膜リンパ節郭清が非常に注目されている。イギリスの多施設共同研究により「骨盤内リンパ節郭清は予後向上に寄与しない」という成績が発表されたが,臨床試験に関与した医師の手術技量が疑問視されていた。そしてちょうど半年後のよいタイミングで,日本から「傍大動脈リンパ節郭清は予後向上に寄与する」という成績が発表されたのである。産婦人科医として,標準的治療を議論する以前にリンパ節郭清の手術技量を有していることが大前提であることを実感した次第である。
 卵巣癌手術においては腫瘍減量をどのように達成していくかが注目されている。とくに今後は,化学療法が先行した後に手術を行う頻度が増加すると考えられ,化学療法後に遺残している治療抵抗性の癌(幹)細胞をいかにゼロにしていくかが問われてくる。このように,新たな化学療法や分子標的治療が進歩していくなかで,私たちが直接行う手術療法も進化していくことが求められている。そのような状況のなかで,本書が若手産婦人科医の手術技量の向上に役立ってくれることを期待している。

2011年3月
小西郁生
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目次

子宮体癌の術前評価と手術方法の選択  馬場 長 ほか  
子宮体癌の基本手術  高倉賢二  
子宮体癌の準広汎子宮全摘術  日浦昌道 ほか  
子宮体癌の骨盤内リンパ節郭清術  小西郁生  
子宮体癌の傍大動脈リンパ節郭清術1  金内優典 ほか  
子宮体癌の傍大動脈リンパ節郭清術2  三上幹男  
子宮体癌の腹腔鏡下手術  舟本 寛
卵巣癌の術前評価と手術方法の選択  万代昌紀 ほか  
卵巣癌の基本手術  平松祐司  
卵巣癌のリンパ節郭清術  八杉利治  
卵巣癌の骨盤腹膜切除術  寺内文敏  
卵巣癌の腫瘍減量手術  西田正人 ほか  
卵巣癌の大網切除術  寺尾泰久 ほか  
卵巣癌の消化管合併切除術  西出 健 ほか  
卵巣癌の横隔膜・肝腫瘍切除術  寺内文敏  
卵巣癌の脾臓・膵尾部切除術  杉山 徹 ほか  
卵巣癌再発に対するSDS手術  喜多恒和 ほか
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