OGS NOW 8

骨盤臓器脱の手術

正しい診断と適切な術式の選択

骨盤臓器脱の手術

■担当編集委員 平松 祐司

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  188ページ  オールカラー,イラスト200点,写真80点
  • 2011年10月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-1207-3

高齢化社会において適切な診断・治療が求められる骨盤臓器脱について,エキスパートが詳細に解説

No.8では,骨盤臓器脱の手術を取り上げている。習得しておきたい基本的な修復術から,昨今のトレンドであるメッシュを用いた広範囲な修復術,腟式子宮全摘術など,シチュエーションに合わせて,さまざまなアプローチによる骨盤臓器脱の手術方法を多角的に解説している。
骨盤臓器脱についての知識は,高齢化社会を迎え,さらに多く求められてきている。経験を積んだ医師にとっても,これらの手術への詳細な解説はさらなるステップアップの礎となるであろう。

■シリーズ編集委員
平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省


序文

 わが国の高齢女性人口の増加と共に,骨盤臓器脱pelvic organ prolapse(POP)の頻度は増加してきており,今後産婦人科医にとっても益々重要な領域になるものと考えられる。
 POPに対する手術はヘルニア修復手術であるために,いかに再発を防ぐかが重要であり,同時に存在することの多い排尿障害に対する配慮も必要である。このためにはまず女性骨盤底の解剖と機能を理解することが必要となる。そして,POPに対する手術を行うには,まずどの部位の損傷か正確に診断し,どのような治療,手術を提供すれば患者さんのQOL改善に繋がるか検討する必要がある。診断には最近,超音波,MRIも使用され,新しい骨盤底の情報も得られるようになり,今後の発展が期待されている。
 術式選択にあたっては,産婦人科で実施してきた伝統的な種々の術式に加え,Tension-free Vaginal Mesh(TVM)手術がわが国に導入されてから,治療法の選択肢が増加した。TVM手術は,2000年にフランスで開催されたメッシュを用いたPOP手術の標準化を目指した会議を契機として誕生したものであるが,性機能,排尿機能を保ちながら骨盤機能を修復でき,再発率も低いことから注目され,わが国でも急速に広がりつつある。このように,従来産婦人科で実施されてきた腟式子宮全摘術+腟会陰形成術といった画一的手術でなく,正確な診断に基づく最適な治療法の提供が求められる時代になってきている。しかし,各種吊り上げ法やTVM手術は,指先の感覚に頼る操作を要するものもあり,骨盤底の靱帯,血管,神経を含めた解剖をよく理解したうえで,hand on handのトレーニングを必要とするものもあり,習得しにくい一面もある。また,各種吊り上げ法,腟閉鎖術についても,経験も見学もしたことのない若手医師が増えている傾向がある。
 今回は,この分野のエキスパートの先生に伝統的各種術式からTVM手術まで,できるだけわかりやすく,ピットフォール,トラブルシューティングも含めて解説頂き,POPの診断から治療までが本書一冊でマスターできることを目指した。本書が研修中の若い産婦人科医だけでなく広くベテラン産婦人科医に愛読され,個々の患者さんに対して最も相応しい手術・治療を提供するために役立てば望外の喜びである。
 最後に,多忙の中,執筆いただいた執筆者各位に深謝申し上げる。

2011年9月
平松祐司
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目次

骨盤臓器脱手術に必要な解剖  古山将康
骨盤臓器脱・排尿障害の診断  角 俊幸ほか
骨盤臓器脱(子宮全摘後の腟断端脱を含む)に対する治療法の選択  福田武史ほか
骨盤臓器脱・骨盤底の画像診断  中田真木
骨盤臓器脱に対する保存療法  柏原宏美ほか
腟式子宮全摘術(子宮筋腫を含む)  平松祐司
子宮脱に対する腟式子宮全摘術  櫻木範明
前腟壁形成術  平松祐司
後腟壁・会陰形成術  明楽重夫
側壁脱の修復法  西 丈則
腟断端の吊り上げ法(腟式)
Pelvic reconstructive surgery to suspend vaginal apex  古山将康
腟断端の吊り上げ法(腹式)  竹田 省
腹腔鏡下手術による骨盤臓器脱へのアプローチ
腹腔鏡下仙骨・腟固定術(laparoscopic sacral colpopexy)  安藤正明ほか
産婦人科医の行うTVM手術  永田一郎
泌尿器科医の行うTVM手術  島田 誠ほか
腟中央閉鎖術(Le Fort術式)  小西郁生
マンチェスター手術  三橋直樹
完全腟閉鎖術  平松祐司
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