OGS NOW 11

子宮筋腫 こんなときどうする?

叡智を結集して安全手術

子宮筋腫 こんなときどうする?

■担当編集委員 平松 祐司

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  148ページ  オールカラー,イラスト100点,写真100点
  • 2012年8月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1210-3

大きさ,発症部位により難度が大きく異なる子宮筋腫のなかで特に難度の高い症例を中心に解説

子宮筋腫は女性に好発する良性腫瘍であるが,発症する部位や大きさ,妊娠の有無などによって難度は大きく異なってくる。本巻では,子宮筋腫のなかでも,今まで取り上げられていない巨大筋腫や多発性筋腫,また帝王切開時の筋腫への対応など,難度の高い手術を中心に解説している。手術の難度が高くなると出血や合併症の発症が重要な問題となるが,本書ではいかにしてそれらを軽減するか,各エキスパートが実際に行っている“コツ”や“注意点”を交えて具体的な症例を提示しながらわかりやすく紹介している。
また,手術方法も開腹手術と腹腔鏡下手術に分け,両者の比較や腹腔鏡の限界などについても述べている。
子宮筋腫は遭遇することの多い疾患であるが,その病態は多種多様である。本書は,幅広い子宮筋腫の手術に対応する事ができる1冊である。

■シリーズ編集委員
平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省


序文

 結婚・出産年齢の高齢化により,結婚後あるいは妊娠して初めて子宮筋腫が発見される場合が多くなっている。また,あまり症状がない限り産婦人科を受診する機会がなく,若い年代の女性に大きな筋腫ができていても太ったと思い込み,発見が遅れ,とんでもない状況になって受診してくることも多くなっているように感じる。
 子宮筋腫に対する手術は,その大きさ,部位,個数,変性の有無,さらに妊娠中に行うか,帝王切開時に行うかなどの条件により,手術の難易度は大きく異なってくる。「たかが筋腫,されど筋腫」であり,他の産婦人科疾患以上に術前評価が重要であり,手術の工夫を要する疾患である。
 基本的な術式は本シリーズのOGS NOW No.2 『腹式単純子宮全摘術—必須術式の完全マスター』で習得していただき,本号は上級者用に難度の高い症例,例えば「巨大筋腫」,「頸部筋腫」,「広間膜内筋腫」,「筋腫分娩」,「多発性筋腫(diffuse leiomyomatosis)」などを集めて特集した。そして,子宮全摘する場合と子宮筋腫核出する場合に分け,また帝王切開時の筋腫への対応も含め,エキスパートに症例を提示しながら解説していただいた。
 子宮全摘する場合には,前述したように筋腫の部位,大きさにより難易度は大きく異なり,難度の高いものでは合併症も発生しやすくなる。主な合併症としては,①大量出血,②尿管,膀胱損傷,があり,この予防・回避に工夫を必要とする。また,いかに腟を長く残すかなどの工夫も必要となる。筋腫核出術の場合は,出血対策が一番の問題であり,どのような手段を用い,どのような切開・縫合をするかの工夫が必要となる。また,帝王切開時には児を娩出するまでの工夫,同時に筋腫核出する場合は,非妊娠時より血管が怒張しているため特に出血量軽減のための工夫が必要となる。
 このように,本号で取り扱った子宮筋腫は,いずれも難度が高く,上記合併症回避のためには叡智を集めて,術前から十分な準備を整えて手術に臨むことが非常に重要である。そのためには外診,内診で子宮の可動性を確認し,超音波,MRI検査で筋腫の位置,大きさ,子宮内膜との位置関係,尿管,膀胱との関係を確認し,どのような準備をし,どのような手順で行うか,そして合併症回避の準備を一手目だけでなく,二手,三手目まで準備をして手術に臨むことが必要である。
 難しい子宮筋腫症例に遭遇した場合には毎回,本号を紐解いていただければ,何か新しい有益なヒントが得られるものと確信している。

2012年7月
平松祐司
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目次

巨大筋腫核出術(開腹) 寺尾泰久 ほか 
巨大筋腫核出術(腹腔鏡) 梅本雅彦 ほか 
びまん性平滑筋腫症 diffuse leiomyomatosis の筋腫核出術(開腹)  鈴木彩子 ほか 
多発性子宮筋腫の腹腔鏡下子宮筋腫核出術 西井 修 
巨大子宮頸部筋腫の核出術(開腹) 吉田信隆 
大型子宮筋腫に対する腹腔鏡下筋腫核出術−困難例を中心に 安藤正明 ほか 
頸部筋腫・広間膜内筋腫の子宮全摘術 平松祐司 
巨大広間膜内筋腫の核出術 伊東宏絵 ほか 
巨大粘膜下筋腫核出術(開腹) 森下美幸 ほか 
巨大粘膜下筋腫核出術(TCR) 林 保良 ほか 
筋腫分娩での子宮全摘術 平松祐司
子宮下部,前壁に筋腫がある場合の帝王切開 平松祐司 
巨大筋腫の裏に前置胎盤がある場合 吉田 敦 ほか 
帝王切開時の多発筋腫 中川潤子 ほか 
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