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機能温存の手術

疾患治療と妊娠・性機能の予後に配慮して

機能温存の手術

■担当編集委員 平松 祐司

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  172ページ  オールカラー,イラスト100点,写真100点
  • 2013年1月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-1212-7

患者のQOL向上のために最も重要なテーマ「機能温存」の手術について,エキスパートが詳細に解説

本書は「機能温存」というキーワードをもとに,様々な角度から妊孕性温存のためにどのような手術を行うべきかを述べている。「子宮機能温存」は,患者のQOLの向上が意識される昨今の産婦人科医療において非常に重要なテーマであり,いかに子宮を摘出せずに,かつ妊娠できる可能性を残して治療を行うかということに特化した本書は,経験を積んだ医師にとっても,非常に有用な書籍となっている。

■シリーズ編集委員
平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省


序文

 産婦人科手術は種々の分類ができるが,病変部すべてとその周囲組織を含めて切除する摘出手術と病変部のみ摘出し妊孕能,性機能,排尿機能等を温存する機能温存手術に分けることができる。今回はこの中の妊孕能をいかに温存するかに重点を置き企画した。
 若くして産婦人科領域の疾患にかかることがあり,その中でも,異所性妊娠,卵管閉鎖,子宮筋腫,卵巣腫瘍,子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌,骨盤臓器脱などはその後の妊孕能にも影響する疾患である。近年の晩婚化のため,結婚してこれらの疾患に遭遇したり,発見されたりすることが増加してきたように思われる。そして,まだ子供のいない女性は是非とも妊娠し生児を授かりたいとの強い願望を持っている。したがって挙児希望のある女性のこれらの疾患を治療するためには,つねにその疾患の根治性と妊孕能温存の両方を念頭に置いて手術する必要がある。このため,多くの場合,非常に難易度の高い手術を要求される場合が多い。
 たとえば,子宮頸部病変に対し円錐切除する場合は,癌治療目的では大きく切除することが望ましいが,大きな円錐切除はその後の不妊,頸管無力症,流早産を引き起こす。その他の癌に対しても妊孕能温存手術した場合には,癌の根治性とその後の妊娠に与える影響につき考慮した手術が要求される。また,子宮筋腫の場合は子宮筋腫の再発,妊娠時の宮破裂の可能性を念頭に置いた術後の管理が必要となる。このため,手術にあたっては,原疾患治療とその後の再発,妊娠合併症のリスクに対する十分なインフォームド・コンセントを本人だけでなく家族も含めてとっておくことが重要である。
 今回はこのような機能温存手術の対象となる疾患を列挙し,それら疾患に対し経験豊富な先生に,症例をあげ,どのような考えで,どのような点に注意し,どのような手術をしたらよいか執筆して頂いた。いずれも,詳細にそのポイントが記載されており,日常診療でこれらの症例に遭遇し手術する場合には必ず術前に紐解いて頂きたい本である。何らかの新しいヒントが得られるものと確信する。

2013年1月
平松祐司
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目次

卵管閉鎖に対する卵管鏡下手術  鎌田泰彦
アッシャーマン症候群(Asherman’s syndrome)に対する治療  齊藤寿一郎
多発性・巨大子宮筋腫に対する核出術  平松祐司
妊娠希望者に対する粘膜下筋腫治療  井上滋夫
 子宮筋腫摘出術(trans cervical resection;TCR)
 筋腫核剥離向中心切削法
子宮腺筋症核出術  藤下 晃ほか
帝王切開部菲薄化の非妊時における修復  有馬宏和ほか
卵管妊娠に対する妊孕性温存手術  長田尚夫
頚管妊娠に対する妊孕性温存治療  増山 寿ほか
円錐切除後の頸管縫縮  吉田信隆
子宮破裂と子宮温存手術  牧野真太郎ほか
帝王切開創離開の修復法  小辻文和
子宮頸部初期病変に対する円錐切除術(cervical conization)  武田真人ほか
広汎子宮頸部摘出術  小林裕明
広汎子宮全摘術における機能温存  渡利英道ほか
卵巣腫瘍に対する機能温存手術  万代昌紀ほか
骨盤臓器脱と子宮温存  古山将康
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