OGS NOW 17

知っておくと役立つ腔の展開法,鉤の使い方

エキスパートの長年の経験から学ぶ

知っておくと役立つ腔の展開法,鉤の使い方

■担当編集委員 平松 祐司

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  188ページ  オールカラー,イラスト100点,写真100点
  • 2014年2月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1230-1

手術の成功を左右する鉤の使い方,さまざまな腔の展開法をエキスパートが詳細に解説

No.17では手術器具の進歩に伴い進化していく鉤の使い方や,安全・確実な手術を行うためにぜひともマスターしたいさまざまなシチュエーションでの腔の展開法など,総合的な手術書には記載が少なかったにもかかわらず,手術の成功にはかなり重要なウェイトを占めるテクニックを満載している。
経験豊富な術者による“手術のコツと注意点”を中心に,豊富なイラストでわかりやすく解説しており,手術手技の向上に役立つ1冊である。

■シリーズ編集委員
平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省


序文

 安全に手術するためには,「自然に子宮腫瘍が,卵巣腫瘍がとれた」という手術を常に心がけるべきである。逆に「子宮腫瘍,卵巣腫瘍をとった」という手術はどこかに無理が生じており,出血量は増大し.膀胱,尿管,腸管などの周囲臓器を損傷の頻度も増加する。
 「自然に子宮腫瘍が,卵巣腫瘍がとれた」という手術を行うには,子宮周囲の腔の展開をきちんと行い,支持靱帯,血管を浮き彫りにして切断することが必須となる。そのためには,まず安全にいかに開腹するかが必要になり,癒着のある場合の開腹法のコツについて解説いただいた。
 次に術野全体の展開が重要である。このためには目的に応じた開創鉤の選択,腸管圧迫法の工夫が必要になる。近年新しい鉤,腸管圧迫材料も発売されており,これらの特徴を理解し,適切に使用することも大切である。これは助手の人数,負担軽減になり,また器械であれば止めた位置で動かないため,危険回避に繫がるといったメリットもある。
 その後は,尿管や血管の走行をきちんと理解していること,子宮周囲の腔の展開をきちんと行い支持靱帯,血管を浮き彫りにして切断することが必要である。正しく腔を添加するには,腔の入口発見,腔展開の方向,子宮等の牽引の仕方,鉤の使い方などが重要となる。この牽引,鉤の使い方が間違っていると腔は展開できない。上司と手術しているときは,いとも簡単に腔が展開され,靱帯・血管が浮き彫りになり美しい手術ができたのに,自分が執刀医で行うとなぜか同じ風景にならないといった経験は誰しもあると思う。
 腔の展開は腹腔鏡下手術,ロボット手術では,ヘッドダウンのため方向が変化する,触覚がないなどの条件も加わるため,ランドマークになるものを起点にし,直腸側腔,膀胱側腔を展開し,尿管,子宮動脈の走行を確認しながら操作を行うことが必要になる。そのコツについても解説いただいた。
 今回は,「知っておくと役立つ腔の展開法,鉤の使い方」で編集し,この領域の豊富な経験をもつエキスパートの先生に,注意点,コツにつき解説していただき,そのノウハウが詳細に記載されている。初心者のみでなく,ベテラン医師も,折に触れ注意点を喚起するためにも紐解く一冊になったと思う。本巻がより安全な手術を行うための一助になることを念願する。

2014年1月
平松祐司
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目次

開創器の種類と腸管圧排法  万代昌紀
肥満患者の術野の確保法  三浦清徳ほか
子宮を取り巻く6つの腔の展開法  平松祐司
開腹手術での尿管の発見法  金内優典
腹腔鏡下手術・ロボット手術での尿管および子宮動脈発見法  井坂惠一
子宮摘出時の尿管損傷回避  平松祐司
腹壁癒着がある場合の開腹法  小辻文和ほか
筋腫切開層の発見  平松祐司
骨盤リンパ節郭清の術野展開法  小西郁生
傍大動脈リンパ節郭清時の視野の展開法  櫻木範明ほか
内腸骨動脈結紮術 骨盤内出血制御が不可能な際の対応  三上幹男
腹式広汎性子宮頸部摘出術  田中京子ほか
癌手術時に癒着のある場合の対処法  岡本三四郎ほか
子宮内膜症で癒着のある場合の子宮全摘術  楠木 泉ほか
再発癌病変摘出術  田吹邦雄ほか
celiotomia anterior & posterior  齋藤 豪ほか
Shirodkar手術時の腔の展開  竹田 省
TVM手術 tension-free vaginal mesh operation  草西 洋
腟断端の吊り上げ術での腔の展開  古山将康
造腟術時の腔の展開  鎌田泰彦ほか
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