新Urologic Surgeryシリーズ 2

膀胱の手術

膀胱の手術

■担当編集委員 中川 昌之

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  176ページ  オールカラー,イラスト230点,写真60点
  • 2009年3月27日刊行
  • ISBN978-4-7583-1251-6

膀胱の手術をカラーイラストでより見やすく解りやすく解説

本書では,泌尿器科臨床医にとって施術頻度が非常に高い膀胱の手術を取り上げた。数ある術式を精緻なカラーイラストで図解し,随所で手術の“コツ”“ピットフォール”“トラブルシューティング”を解説。これから手術手技を習得する若い医師から,さらなるスキルアップを目指す泌尿器科医まで,幅広く活用できる内容となっている。

■シリーズ編集委員
松田公志/中川昌之/冨田善彦


序文

 体内の臓器を内部から除くことはかつて大変困難なことで,Max Nitzeが膀胱鏡を開発して泌尿器科の歴史が開かれたといっても過言ではありません。近年では内視鏡がより小さく,大きな可動域で,より鮮明な画像を提供してくれますので内視鏡を使った検査や手術(鏡視下手術やミニマム創手術)の精度と比率が徐々に上昇しているように思います。理想的にはこれら内視鏡を使った技術は開放手術の延長線上にあるべきと考えます。しかし最近は医療機器の進歩により,より早期の段階で診断され治療される症例が多いことと低侵襲が目標として認識されていますので開放手術は減少傾向にあります。
 このような環境のなかで医師が手術技術を習得するのは容易なことではありません。一般に泌尿器科研修医が膀胱全摘除術などの高度な手術技術を習得するには10年以上かかると思います。一方で手術技術の習得スピードには同じ手術数を経験していても個人差があります。私の経験では習得スピードの速い人は習得することに貪欲で,多くの教科書・教材を活用し,人の手術をよく見ていますし,よく質問してきます。また術中に自分で操作の工夫をしたり,なぜ出血したか,なぜ手術が難しいのかの説明づけをしています。これらを繰り返していくと数年後に同じ手術数でも大きな差が出ているように思います。もちろん手術数が多いことに越したことはありません。この点では泌尿器科医は一般外科医に比べると一人が経験できる手術症例数がかなり少ないと思います。したがって,少ない症例数でより効率的に技術習得することが必要と考えます。以上の観点から多くの手術書を読むことはその一助になると思います。
 今回の新Urologic Surgeryシリーズ「膀胱の手術」では,良性疾患と悪性疾患の代表的な手術法について,それぞれのエキスパートの方に解説していただきました。非浸潤性(表在性)膀胱癌に対する手術としては,最近再び注目されているセカンドTURBTや蛍光膀胱鏡によるTURBTも紹介されています。また,浸潤性膀胱癌では局所解剖やリンパ節郭清におけるポイントや陰茎海綿体神経の温存術式,さらには鏡視下やミニマム創などの異なったアプローチでの膀胱全摘除術も解説いただいています。さらに,泌尿器科医として避けて通れない種々の瘻孔に対する手術や膀胱結石,膀胱憩室も含まれています。
 本書が,より完成度の高い手術技術を求めている泌尿器科医あるいは外科系医師の参考になればと願っています。

2009年3月
中川昌之
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目次

膀胱疾患に対する手術療法−特に尿路変向術の変遷について−

I.非浸潤性(表在性)膀胱癌に対する手術
 膀胱生検
 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)
 セカンドTURBT
 新しい技術応用によるTURBT−蛍光膀胱鏡によるTURBT−
 
II.浸潤性膀胱癌に対する手術
 根治的TURBT(radical TURBT,complete TURBT)
 膀胱全摘除術における局所解剖のポイント
 膀胱癌での骨盤リンパ節郭清術(開腹手術)
 女性の膀胱全摘除術
 神経温存膀胱全摘除術
 ミニマム創による膀胱全摘除術
 腹腔鏡下膀胱全摘除術
 骨盤内臓器全摘除術
 開腹による膀胱部分切除術
 鏡視下膀胱部分切除術
 尿道摘除術
 
III.膀胱結石・憩室に対する手術
 膀胱結石に対する経尿道的手術
 経尿道的膀胱憩室電気凝固術
 開腹による膀胱憩室切除術
 
IV.瘻孔・尿膜管の手術
 膀胱瘻造設術
 膀胱腟瘻修復術
 膀胱結腸瘻の手術
 開腹による尿膜管摘除術
 鏡視下尿膜管摘除術
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