新Urologic Surgeryシリーズ 3

腎細胞癌および上部尿路癌の手術

腎細胞癌および上部尿路癌の手術

■担当編集委員 冨田 善彦

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  188ページ  オールカラー,イラスト210点,写真30点
  • 2009年8月12日刊行
  • ISBN978-4-7583-1252-3

在庫僅少です。


腎細胞癌・上部尿路癌の手術をカラーイラストでより見やすく解りやすく解説

No.3では,根治を主に手術に求める「腎細胞癌と上部尿路癌」の手術を取り上げた。数ある術式を豊富なカラーイラストで図解。随所で手術の“コツ”“ピットフォール”“トラブルシューティング”を解説。これから手術手技を習得する若い医師から,さらなるスキルアップを目指す泌尿器科医まで,幅広く活用できる内容となっている。

■シリーズ編集委員
松田公志/中川昌之/冨田善彦


序文

 この『新Urologic Surgeryシリーズ』の目的とするところは「刊行にあたって」に述べられた通りですが,本刊も読者の期待に応えることができるものと思います。
 さて,今,手元に1冊の小冊子があります。筆者が現任地に着任後間もなくですから6年半前になりますが,図書館より廃棄予定の古書があるので,もし必要であれば申し出るようにとの連絡がありました。そのリストの中に(私にとっては)貴重と思われる本が数冊あり,教室管理として引き取りました。そのうち1冊がこれで楠隆光先生の『最新・泌尿器外科』です。出版年は1950年5月20日,第2次大戦敗戦後5年を経たずして著された教科書です。
 この本の中で,腎臓手術については「腎剔除者Einnierigeの運命」として,腎臓摘除後の患者について,(1)腎剔除後の適應性(2)単一腎の罹患危険性(3)単一腎の外傷の危険性(4)腎剔除者の日常生活(5)単一腎と妊娠(6)単一腎者の壽命,の6項目にわたって考察記載されています。自分自身は,これまで,単腎者の予後について「日常生活に支障なし」と思い込むだけで,なんら,そのevidenceについて疑いを挟まず,腎部分切除術を行うようになって,深く考えるようになったのが実情で,この本をはじめて読んだ時,自分の至らなさに赤面しました。執筆当時,楠先生は東京大学から43才で新潟医科大学の教授として赴任されて間もなくだったものと思います。『最新・泌尿器外科』はA5版191頁ですが,その内容は前述の項目も含めて,広範であり,かつデータに基づいた論理の展開は極めて緻密,かつ精緻で,初版から約60年を経た現在でも,なんら,くすむことなく輝いています。インターネットも,データベースも無かった,また自身も軍隊に召集され,敗戦の混乱もあったであろう当時,43才にしてこれだけものを著せることができた楠先生にはただただ脱帽です。この本は手術をする医師は,手術についての真摯な態度,持続する向上心,さらに,たゆまぬ探究心を必ず持たなくてはならないものだと教えてくれます。
さて,本刊各項の執筆の先生方は,これまで実際に,ご自身で手術を行ってこられ,各手術について研鑽を積まれてきた方々ばかりです。その臨床の生の経験が反映された内容になっていると思いますし,読者の先生方も得るところが多いものと期待しています。本書が明日からの手術に少しでもプラスになり,より患者さんのための治療に結びつけば幸甚です。

2009年7月
冨田善彦
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目次

腎実質腫瘍に対する手術−Historical consideration and controversies−  冨田善彦
I 腎細胞癌に対する手術
 根治的腎摘除術
  経腹膜的腎摘除術  中澤速和
  経胸腹的腎摘除術  田中俊明,塚本泰司
  経腰的腎摘除術  野々村祝夫
  リンパ節腫脹を伴う症例の手術  大西哲郎
 下大静脈腫瘍栓(cT3b)症例の手術
  肝静脈下腫瘍栓の手術  五十嵐辰男
  肝静脈上腫瘍栓(心房内進展例を含む)の手術  藤岡知昭,丹治進,小原航
  ミニマム創内視鏡下根治的腎摘除術  木原和徳
 腎部分切除術
  腎部分切除術(腫瘍核出術)  加藤智幸,冨田善彦
  マイクロ波組織凝固(MTC)を用いた無阻血腎部分切除術  平尾佳彦
  自家腎移植術(ベンチサージャリー)  田邉一成
 腹腔鏡下手術
  腹腔鏡下根治的腎摘除術(pure laparoscopic nephrectomy)  近藤幸尋
  ハンドアシスト法  河内明宏,三木恒治
  腎部分切除術−後腹膜到達法+冷却法  松田公志
  腎部分切除術−経腹膜的,阻血法  江藤正俊,内藤誠二
 needle ablation
  RFAによる手術  浅野友彦
  オープンMRIガイド下経皮的凍結手術(cryosurgery)  波多野孝史,頴川晋,最上拓児
II 腎盂尿管癌に対する手術
 腎尿管全摘除術  中川昌之
 経尿道的尿管引き抜き術  北村康男
 所属リンパ節郭清  荒木千裕,市川智彦
 腎盂癌・尿管癌に対する内視鏡下手術
 pure laparoscopic procedure  服部良平
 開放手術併用  松本和将,岩村正嗣,馬場志郎
III 副腎癌に対する手術
 副腎癌摘除術  菊地栄次,大家基嗣
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