ヒルシュスプルング病類縁疾患診療ガイドライン

ヒルシュスプルング病類縁疾患診療ガイドライン

■編集 ヒルシュスプルング病類縁疾患診療ガイドライン作成グループ

定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
  • B5判  96ページ  2色(一部カラー)
  • 2018年12月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1266-0

小児外科医療に関わる医師,関連する臨床医家,医療従事者必携の,ヒルシュスプルング病類縁疾患の小児期から成人期までを包含する診療ガイドライン

直腸に神経節細胞を認めるにもかかわらず,ヒルシュスプルング病と類似した症状や所見を呈する疾患,それがヒルシュスプルング病類縁疾患である。ガイドライン作成にあたっては,小児外科医,小児科医,病理医らにより疾患概念,分類,特に慢性特発性偽性腸閉塞の扱い方について議論が繰り返された。
本書は小児期から成人期までを包含するガイドラインである。現時点の臨床現場の需要に即したクリニカルクエスチョンを掲げ,推奨度を示している。小児外科医療に関わる医師,関連する臨床医家,医療従事者必携のガイドラインである。


序文

 直腸に神経節細胞を認めるにもかかわらず,ヒルシュスプルング病と類似した症状や所見を呈する症例があることは,小児外科医の間では知られていました。1958年にRavitch Mがannals of surgeryにPseudo Hirschspurung’s diseaseとして発表して以来,Hirschsprung’sdisease related disorders, Variant Hirschsprung’s Disease, Allied disorders of Hirchsprung’s disease,Hirschspurung’s disease related Neuromuscular disorders of the Intestineなどの記載がみられますが,それぞれの時代とともに疾患概念や含まれる疾患が少しずつ異なっています。本邦では,1978年の新生児外科学にAganglionosis類縁疾患という記載があり,1988年には,ヒルシュスプルング病類縁疾患の実態調査報告が,日本小児外科学会雑誌に発表され(豊坂昭弘),1993年にはヒルシュスプルング病類縁疾患班研究(岡本英三)により全国調査が行われています。
 この度のヒルシュスプルング病類縁疾患診療ガイドラインの作成は,平成23年度厚労科研「ヒルシュスプルング病類縁疾患の現状調査と診断基準に関するガイドライン作成」(田口智章班)において全国調査が行われたことに始まり,平成24〜25年「小児期からの消化器系希少難治性疾患群の包括的調査研究とシームレスなガイドライン作成」(田口智章班)で,疾患概念,分類,診断基準,重症度分類が策定されました。平成26〜28年「小児期からの希少難治性消化管疾患の移行期を包含するガイドラインの確立に関する研究」(田口智章班)で,ヒルシュスプルング病類縁疾患診療ガイドラインの作成が継続され,この度の公開に至りました。当初は,小児外科医,小児科医,病理医等により疾患概念,分類,特に慢性特発性偽性腸閉塞の扱い方について熱心な議論が何度も繰り返されました。成人領域から慢性特発性偽性腸閉塞症研究班の中島 淳先生に加わって頂くことで,小児期から成人期までを包含するガイドラインの公開に辿り着くことができました。
 このような多くの方々の協力により,ヒルシュスプルング病類縁7疾患のうち,腸管神経節細胞僅少症,巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症,慢性特発性偽性腸閉塞の3疾患が指定難病に認定されました。診療ガイドライン作成においては,症例数が少なく原因不明で治療法の確立していない難病では,質の高いエビデンスが少ないため,通常とは異なる手法を模索しながらの作業となりました。MINDSの諸先生方には,このような状況をご理解いただき当初から丁寧な御指導を頂きました。短期間に数百に及ぶ国内外の文献を詳細に調べ,内容をCQの項目ごとに整理しエビデンステーブル,SRレポートを作成して頂いたシステマティック・レビューチームの皆様の努力に深謝します。このエビデンステーブルが,本ガイドラインの核であり診療や研究の場で有用な資料となることを期待しています。専門家であるガイドライン作成チームグループの方々には,短期間で推奨を作成して頂きました。このような研究班員の取り組みが評価され,森實敏夫先生からも高い外部評価を頂くことができました。本診療ガイドラインが,日々の診療と今後の研究に役立つこと願っております。
 当初から強いリーダーシップで研究を進めて頂いた田口智章先生に感謝と敬意を表します。

2018年11月1日
ヒルシュスプルング病類縁疾患診療ガイドライン作成グループ
松藤 凡
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目次


ガイドラインサマリー
用語・略語一覧
 
Ⅰ 作成組織・作成方針
 作成主体
  1 ガイドライン統括委員会
  2 ガイドライン作成グループ
  3 システマティックレビューチーム
  4 外部評価委員
  5 ガイドライン作成事務局
 作成過程
  1 作成方針
  2 使用上の注意
  3 利益相反
  4 作成資金
 
Ⅱ SCOPE
 ヒルシュスプルング病類縁疾患の基本的特徴
  1 ヒルシュスプルング病類縁疾患の臨床的特徴
  2 ヒルシュスプルング病類縁疾患の疫学的特徴
 ヒルシュスプルング病類縁疾患各診療の全体的な流れ(疾患ごと)
 診療ガイドラインがカバーする内容に関する事項
  1 本ガイドラインが対象とする範囲
  2 本ガイドラインがカバーしない範囲
 CQとシステマティックレビューに関する事項
  1 CQ の設定
  2 システマティックレビュー
 推奨決定から最終化,導入方針
  1 推奨決定
  2 最終化
  3 導入方法
 
Ⅲ 推奨
 CQ1 Isolated hypoganglionosis,MMIHS,CIIPの診断はどのようになされるか?
 CQ2 Isolated hypoganglionosis,MMIHS,CIIPにどのような薬物療法が推奨できるか?
 CQ3 Isolated hypoganglionosis,MMIHS,CIIPに消化管減圧療法は推奨できるか?
 CQ4 Isolated hypoganglionosis,MMIHS,CIIPに栄養療法は推奨できるか?
 CQ5 Isolated hypoganglionosis,MMIHS,CIIPに根治的外科治療は推奨できるか?
 CQ6 Isolated hypoganglionosis,MMIHS,CIIPに小腸移植は推奨できるか?
 CQ7 Isolated hypoganglionosis,MMIHS,CIIPの予後は?
 
Ⅳ 公開後の取り組み
 公開後の組織体制
 導入
 有効性評価
 改訂
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