OS NOW Instruction No.22

頚椎の手術

ベーシックからアドバンストまで必須テクニック

頚椎の手術

■担当編集委員 馬場 久敏

定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
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  • A4判  200ページ  オールカラー,イラスト200点,写真100点,DVD-Video付き
  • 2012年5月24日刊行
  • ISBN978-4-7583-1351-3

カラーイラストとDVDで頚椎の手術をしっかりマスター!

本シリーズ No.18で「腰椎」を取り上げたが,No.22はその「頚椎」版である。「上位頚椎」「頚椎前方」「頚椎後方」「頚胸移行部」の部位ごとに章立てされ,各章では,代表的な疾患に対する術式:除圧術,形成術,固定術が,〈Basic〉〈Advanced〉に分けて解説されている。
頚椎の手術は,脊髄近傍の手術であるとともに,頭蓋部にも近い位置で行われる手術であるため,常に重篤な機能障害を引き起こす危険にさらされている。その危険を回避しつつ手術を進めるテクニック「手術のコツ,注意点」と,不測の事態に対応できる「トラブルシューティング」が掲載されている本書は,頚椎手術を行う整形外科医必携書である。

■シリーズ編集委員
岩本幸英/安田和則/馬場久敏/金谷文則


序文

 「OS NOW Instruction No. 22:頚椎の手術」を発行することができました。脊椎疾患は整形外科の日常診療において約3割の診療頻度を占めており,腰椎とならんで頚椎および頚部の愁訴に対する受診頻度はきわめて高いものになっております。頚椎は頭蓋と体幹を接続し肩甲・上肢帯が懸垂する特殊な構造をしております。腰椎とは異なり頚椎骨は,形態学的にも大きな過重を負荷しにくい構造を有し,逆に屈曲・伸展や側屈,捻転などの可動性がきわめて高くなります。脊椎骨を支持する筋・腱組織は腰椎に比べて脆弱であり,脊椎骨内部に椎骨動脈を走行させる特殊な構造を有しています。頚椎には延髄から続く頚膨大部脊髄が存在し,そこから腕神経叢が胸郭出口部に直接に分岐しています。これらの構造ゆえに頚椎には椎骨や動脈走行などでの先天性形態異常(発生異常)も多く,また発育性と呼称される脊柱管狭窄,椎間板障害や脊椎症,靱帯骨化・石灰化症,腫瘍や炎症,脊髄疾患や外傷などきわめて多くの外科的処置を必要とする病態が発生します。したがって多彩な病態に応じるため,個々の病態の外科的解剖学(surgical anatomy)をしっかり理解し,それぞれの病因・病態に応じて数多くある手術法のなかから確実な成果が得られる最適な術式選択を行うことが肝要です。そのうえで個々の手術に対して最良の手術チームを組みつつ,脊髄モニタリングやナビゲーション・システムを同時に準備しながら実際の手術に臨むことになります。頚椎柱に要求される固定性や安定性,支持性と可動性,さらには脊髄や椎骨動脈の保護,といった器官別機能を最大限温存しつつ,手術リスクを完璧に抑制し,個別の病態を制御あるいは除去するには永年のたゆまぬ研鑽が必要でしょう。
 本書『頚椎の手術』では上位頚椎と中下位頚椎(頚椎前方,頚椎後方)および頚胸移行部の3つに分類しました。上位頚椎では多くの手術でスクリューやインストゥルメンテーションが併用されますのでアドバンスト・テクニックを含めた代表的手術を収載しました。中下位頚椎は頚椎手術の9割を占めますので前方手術と後方手術に分け,前方手術では椎体骨棘・変性椎間板・後縦靱帯骨化などの圧迫性病変の切除法の基本とアドバンスト・テクニックをわかりやすく解説していただきました。中下位頚椎に対する術式にはほかにも優れたものがいくつか報告されておりますが,本書に収録されたものは「ベーシックからアドバンストまでの必須テクニック」であると考えております。後方手術では顕微鏡や内視鏡視下手技,椎弓の処置すなわちlaminotomyの方法や椎弓形成の手技,ナビゲーション下でのスクリュー固定などを中心に詳細に解説していただきました。頚胸移行部病変としての椎間板病変では,T1-T2までは前方法anterior cervicalで可能ですが,T2-T4までは経胸的transpleuralあるいは後方手術が必要になりますので,胸骨縱割式を加えた構成にいたしました。
 頚椎手術に熟練するには永年のたゆまぬ研鑽と努力が条件となります。本書は現在のわが国の頚椎外科手術の最も優れた術者によってわかりやすいイラストにより,そのベーシックからアドバンストテクニックを収載しています。頚椎疾患に対する外科手術を担当する医師はもちろんのこと,本書を「サブノート」として役立てていただきたく思います。また頚椎疾患をみるすべての方々にも現在の手術の基本と最先端について認識を深めていただくうえで,本書は最適な教科書であると思われます。どうぞ本書をお役立てください。

2012年4月
馬場久敏
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目次

外科解剖学
  上位・中下位頚椎に対する 前方法・後方法手術アプローチの実践的な外科解剖  小谷善久

上位頚椎(頭蓋頚椎移行部)
  歯突起骨折およびC1-2前方固定術  海渡貴司,ほか
  頭蓋頚椎後方手術(C0-C1/2後方手術)  井㞍幸成,ほか
  Magerl手術とその関連手術 -とくにリウマチ疾患に対して-  根尾昌志
  頚半棘筋を温存した上位頚椎部スクリュー固定  竹林庸雄,ほか

頚椎前方(C3-C7)
  経椎体的椎間板ヘルニア切除術  酒井紀典,ほか
  頚椎前方椎間固定術,椎体亜全摘手術 -とくに椎体・椎間板病変に対して-  播广谷勝三
  頚椎前方OPLL骨化浮上術・骨化全摘術  中嶋秀明,ほか
  頚椎前方implantation(椎体亜全摘法)   進藤重雄,ほか

頚椎後方
  片開き式椎弓形成術(open-door laminoplasty)  松本守雄,ほか
  棘突起縦割法椎弓形成術  竹下克志
  選択的椎弓切除術  青山龍馬,ほか
  内視鏡下頚椎椎間孔拡大術  中川幸洋,ほか
  顕微鏡視下頚椎椎間孔除圧術  中嶋秀明,ほか
  頚椎後弯変形を伴った頚椎症性頚髄症に対するpedicle screw fixationを併用した後方除圧矯正固定術
   松山幸弘
  頚椎lateral mass screw固定術  大島正史,ほか
  小児における頚椎椎体亜形成を伴った頚椎後弯変形に対する頚椎後弯矯正固定術  松山幸弘

頚胸移行部
  ナビゲーションシステムを使用したC5-T5後方固定術  星地亜都司
  C7-T2経頚椎的前方固定術 -胸骨非縦割進入法-  小澤浩司
  胸骨縦割式前方除圧固定術  伏見一成,ほか
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