OS NOW Instruction No.24

膝関節の難治性病態に対する手術

日常診療で困ったときのこの一冊

膝関節の難治性病態に対する手術

■担当編集委員 安田 和則

定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
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  • A4判  180ページ  オールカラー,イラスト180点,写真120点,DVD-Video付き
  • 2012年11月2日刊行
  • ISBN978-4-7583-1353-7

膝を診る専門医こそおさえておきたい手術テクニックを一挙掲載

No.24は“膝関節で生じる難治性病態に対する手術”として「人工膝関節置換術(TKA)や人工関節再置換術(revision TKA)に対する上級テクニック」「revision TKA後の感染に対する手技」「日常遭遇すると困る病態:拘縮,偽関節,TKA後の骨折など」を解説した項目で構成されている。
膝関節の手術で重要な“人工関節”に関連した項目が全体の半数を占め,さらに“難治性病態”として色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS),骨巨細胞腫(GCT)に対する手術手技も掲載されている。膝を診る医師にとって,日常診療で遭遇すると処置と治療に非常に困る病態の手術が,コツや注意点とともに1冊にまとめられている,心強い書籍である。

■シリーズ編集委員
岩本幸英/安田和則/馬場久敏/金谷文則


序文

 OS NOW Instruction No.24:「膝関節の難治性病態に対する手術」の企画を担当させていただきました。難治性病態に対する手術や上級テクニックに関する知識は,一部の医師が持てばよいというものではありません。ある疾患・病態に対して何らかの手術療法を行う整形外科医は,その治療に関する手術的治療体系の全貌を知ったうえで,各自の技術の限界を知り,その限界の範囲で自己のベストを尽くす必要があります。さまざまな膝関節手術が広く行われるようになった近況を鑑み,このような企画を行いました。本書の内容は膝関節の手術に携わるすべての整形外科医に必須の知識であり,また膝関節外科専門医になることを目指す若い整形外科の諸先生には,近い将来に習得すべき必須の技術ということになります。
 本書では「人工膝関節置換術における上級テクニック」,「人工膝関節再置換術における上級テクニック」,「人工膝関節置換後の感染に対する手術」,「さまざまな病態に対する手術」の4つの大きなテーマを設けました。近年の整形外科領域において,人工膝関節置換術は広く一般的に行われる手術になりました。しかし「人工膝関節置換術という手術は易しい手術ではない」という本質が変わったわけではなく,初回手術が不成功に終わり再置換術を余儀なくされる症例が増加しています。初回手術の不成功の原因には様々なものがありますが,最も多い原因は手技の問題だけでなく,人工膝関節置換術の本質に関する正しい知識の不足が挙げられます。前者に対して基本的手技の向上に関する修練の必要性については十分に強調されていますが,後者に対する認識が疎かになっている傾向があります。術者は様々な病態に対処するための上級テクニックに関する知識をもったうえで,自分の技量を自己評価し,今治療しようとする症例の手術計画を立てなければなりません。これを怠ると,その手術が不成功に終わる原因を作ります。本書はそれを避けるための一助となることを期待しております。また「さまざまな病態に対する手術」では,整形外科医が手術療法を行うことによってのみその予後を改善できる手術,言い換えれば整形外科医が手術を行わなくてはならない手術を扱いました。ここでは手術を行う整形外科医にとって必須の知識や技術だけでなく,治療後の経過にさまざまな問題が起こったときの考え方,さらにはその治療に関する最新の知識と技術が詳述されています。手術を行う整形外科医はこれらの知識やテクニックをすべて習得し,さらにその応用ができるように修練を積む必要があります。本書の豊富なイラストと動画(DVD)は,手技のコツをよく理解する補助になるものと信じております。
 この企画の過程におきましては,各領域の第一線でご活躍中の専門家に,長年にわたって磨かれた手技の概要とコツ,あるいは最先端の治療法や考え方などについての執筆をお願いしましたところ,大変ご多忙の中ご快諾をいただき,知識や技術のみならず,お心のこもったご執筆を賜りました。著者の諸先生にこの紙面を借りて厚く御礼を申し上げます。
 最後に,日々診療に当たっておられる整形外科の諸先生がその臨床で困ったときに本書を開いていただき,それが少しでもお役に立つことを祈って序文とさせていただきます。

2012年10月
安田和則
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目次

人工膝関節置換術における上級テクニック
 伸展位拘縮膝に対するTKAの手術  秋月 章
 高位脛骨骨切り術(HTO)後のTKAにおける骨切りおよび靱帯バランス手技  三浦裕正

人工膝関節再置換術における上級テクニック
 弛みのないコンポーネントの抜去テクニック  格谷義徳
 軽度骨欠損に対する機種の選択,補填材料の使い分けと手術手技
  —骨セメント,自家骨,各種ウエッジなど—  飯澤典茂,ほか
 中〜大骨欠損膝に対する手術  星野明穂

人工膝関節置換後の感染に対する手術
 人工関節周囲感染診断の基本と鎮静化までの基本手術  小林直実,ほか
 抗菌薬含有セメントモバイルスペーサーを用いた感染性人工膝関節に対する手術  北村信人,ほか

さまざまな病態に対する手術
 外傷後の膝関節拘縮に対する授動術  渡部欣忍
 高位脛骨骨切り術(HTO)後の遷延癒合・偽関節に対する診断と手術  竹内良平,ほか
 人工膝関節全置換術周囲骨折
  —大腿骨顆上骨折に対する逆行性髄内釘固定術—  王寺享弘
 膝蓋腱断裂に対する修復・再建術  松本秀男
 二期的前十字靱帯再々建術のための鏡視下腸骨プラグ移植術  北村信人,ほか
 膝関節に発生したびまん型色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)に対する手術  眞島任史
 膝関節周囲に発生した骨巨細胞腫(GCT)に対する手術
  —腫瘍掻爬切除および骨欠損の再建—  秋末敏宏
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