ハートチームのための

心臓血管外科手術 周術期管理のすべて

心臓血管外科手術 周術期管理のすべて

■編集 國原 孝

定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
  • A5判  640ページ  2色・4色,イラスト100点,写真600点
  • 2017年3月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1435-0

ハートチームで役立つ内容を簡潔かつ詳細に解説! 1冊あれば周術期管理の達人になれる!

心臓血管外科の術式は,ドクターの技術,手術法の進化等で日々変化している。また,術前,術中,術後管理についても,画像診断の性能が飛躍的に向上しており,発展している。このようななかで,最新技術,機器を使いこなしても,周術期管理を正確に行っていなければ患者の危機的状況を招きかねない。そこで本書では,進化著しい心臓血管外科手術の周術期管理について,最新動向を踏まえ,簡潔に解説し全体を網羅した辞書的書籍となっている。
カテーテルアブレーションや,現在最先端の術式となるTAVI,MICSといった手技に対する管理についても,第1線で活躍しているドクター,メディカルスタッフが執筆し,わかりやすくかつ実臨床で役立つ内容となっている。
各項目ごとにPointを示し,文章は箇条書きを基本スタイルとし,読みやすく,イラストを多用し,極力読み込まなくてよいように構成。口腔ケアや麻酔,経食道心エコーといった知っておくと役立つ事項については,「One Point Advice」として簡潔に解説されている。


序文

 いうまでもなく医療,とりわけ心臓血管外科の領域は日進月歩の世界です。この分野に携わる者には,常に最新の知識や技術に精通し,周術期のインフォームド・コンセントやリスクマネージメントに反映させる責務があります。本書は2003年に錚々たるメンバーにより執筆され,その内容のほとんどはいまだ引き継がれるべきものばかりですが,それから十年以上の歳月が流れ,技術の進歩や情報提供に対する社会の要請の変化には目を見張るものがあります。ハイテク医療機器や先端技術が次々に導入され,この領域はますます先端化・専門化していく一方,その技術を提供する施設は乱立する現状で,適正かつ安全な医療を提供するために,現在ほどハートチームの真価が問われる時代はないのではないでしょうか。
 そこで今回,本書を全面改訂する運びとなりました。ますます高度化・細分化していく現状に即するよう,カテーテル治療,先天性疾患の項目を割愛し,後天性心疾患と大血管疾患に焦点を絞ることといたしました。そのかわり,実臨床ではたびたび直面するけれども,これまで系統だった概説を得る機会の少なかった項目を随所にちりばめる構成といたしました。また,本書の特徴であるインフォームド・コンセントやリスクマネージメントに関しては前書を引き継いで十分記載するよう心がけました。したがって,執筆者はあえて臨床の最前線に従事している若手を中心にお願いしました。また,医学書だけでは決して得られない内容については,コ・メディカルの方々にも多数お願いしました。もちろん,さらに専門的な知識や経験が必要な分野については,その道のエキスパートにお願いしました。これらの人選にあたっては,首都圏の心臓血管外科医が治療に難渋した症例を持ち寄って議論する「小江戸の会」のメンバーの助言が多いに参考になり,この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 本書は医師だけでなく,臨床の最前線で奮闘するハートチームのすべてのメンバーを対象としています。ハートチームがその真価を発揮するためには,個々のメンバーが同等の知識や価値観を共有していなくてはならないからです。次々と押し寄せる医療改革を乗り切り,真に患者ファーストの医療を具現化するために,本書が各施設のハートチームの座右の書になれば編者にとってこのうえない幸せであります。

2017年2月
公益財団法人 心臓血管研究所付属病院心臓血管外科部長
國原 孝
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目次

Ⅰ 総論
1 国内における心臓血管外科手術の件数と短期死亡率
 (日本胸部外科学会および日本血管外科学会の公開資料)
 一原直昭,宮田裕章
2 術前
 ① 術前評価とその意義 伊藤丈二
 ② 術前評価とその対策 佐々木健一 
 ③ 術前貯血と輸血の準備 岩朝静子
 ④ 再手術における評価と対策 佐々木健一 
3 術中
 ① 最新の心臓麻酔:各種モニタリング 安田篤史,澤村成史
 ② 最新の心臓麻酔:硬膜外麻酔,スパイナルドレナージと抗凝固,抗血小板療法 柿沼玲史,澤村成史 
 ③ 緊急手術とCPR,V-A ECMO 三軒豪仁,山本 剛
 ④ 人工心肺回路 斉藤 健,吉田雅人
 ⑤ 心筋保護 古梶清和
4 術後早期
 ①-1 術後管理(ICU) 中西祐介
 ①-2 術後管理(一般病棟) 吉野邦彦
 ② 術後疼痛管理 小幡由美,坂本三樹,井上莊一郎
 ③ 腎不全・透析患者の術前・術中・術後管理 津久井宏行
 ④ 術後不整脈に対する対策と抗不整脈薬の使用法 有田卓人,大塚崇之
 ⑤-1 medicationの最新エビデンス:利尿薬以外 田邉健吾
 ⑤-2 medicationの最新エビデンス:利尿薬 瀬在 明
5 術後後期
 ① 心臓リハビリテーション 櫻田弘治,加藤祐子
 ② 心臓手術と認知機能 前川謙悟
 ③ 補助換気療法 田代尚範
6 周術期栄養管理 松元紀子

One Point Advice①術中経食道心エコー法(TEE) 清野雄介 
One Point Advice②感染と抗菌薬の使い方 狩野惠彦
One Point Advice③術後創感染 藤原 修
One Point Advice④術後DVT予防 辻 明宏,中西宣文
One Point Advice⑤ヘパリン起因性血小板減少症 宮田茂樹
One Point Advice⑥嚥下 稲本陽子
One Point Advice⑦周術期口腔ケア 伊東令華
One Point Advice⑧せん妄 石井馨子
One Point Advice⑨緩和医療 中川俊一

II 各論
1 弁膜症
 ① 大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術 阿部恒平
 ② 大動脈弁狭窄症に対するTAVI 楠原隆義
 ③ 大動脈弁閉鎖不全症に対する大動脈弁形成術 國原 孝
 ④ 僧帽弁狭窄症に対する僧帽弁置換術 竹谷 剛
 ⑤ 僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術 田端 実
 ⑥ 三尖弁閉鎖不全症に対する三尖弁形成術 山口裕己
 ⑦ MICSによる弁膜症手術 岡本一真
 ⑧ 感染性心内膜炎における手術のタイミング 三浦 崇,江石清行

One Point Advice⑩ SAMを防ぐには? 真鍋 晋
One Point Advice⑪ PPMを防ぐには? 渡邊 隼,田端 実 
One Point Advice⑫ 僧帽弁輪石灰化(MAC)への対策 柴田利彦

2 虚血性心疾患
 ① conventional CABG 関 雅浩 
 ② OPCAB(off-pump CABG) 大野貴之 
 ③ MICS CABG 菊地慶太 
 ④ グラフトの評価と採取 松山重文 
 ⑤ 急性心筋梗塞の合併症に対する手術木下 武,浅井 徹 
 ⑥ 虚血性心疾患に対する手術 水野友裕,荒井裕国

One Point Advice⑬ total arterial revascularizationって本当にいいの?(Pros) 鈴木友彰 
One Point Advice⑭ total arterial revascularizationって本当にいいの?(Cons) 伊藤敏明 
One Point Advice⑮ endoarterectomy 北本昌平,髙梨秀一郎 
One Point Advice⑯ awake OPCAB 捶井達也,木内竜太,渡邊 剛 
One Point Advice⑰ proximal anastomosis device 平岩伸彦 

3 大動脈疾患
 ① 基部大動脈瘤 國原 孝 
 ② 上行・弓部大動脈瘤 大坪 諭 
 ③ 胸部下行・胸腹部大動脈手術 志水秀行,飯田泰功 
 ④ 腹部大動脈瘤 藤村直樹 
 ⑤ 大動脈緊急症 吉武明弘 
 ⑥ ステントグラフト治療の周術期管理 髙井秀明

One Point Advice⑱ 大動脈炎症候群 荻野 均 
One Point Advice⑲ Marfan症候群 縄田 寛 
One Point Advice⑳ B型解離後リハビリテーション 新野哲也 

4 心房細動に対するMaze手術 石井庸介 
5 肥大型心筋症
 中隔心室切除術 内藤和寛,高梨秀一郎 
6 拡張型心筋症 松居喜郎 
7 左心補助人工心臓(LVAD),心臓移植 井口篤志,新浪博士 
8 急性肺塞栓症 黄 俊憲,山本 剛 
9 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 小泉信達 
10 心臓腫瘍 天野 純 
11 心膜疾患,拡張障害 西畑庸介 
12 収縮性心膜炎 津久井宏行 
13 成人先天性心疾患 平田康隆
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