循環器診療 ザ・ベーシック

心筋症

知識を習得し,実践で活かす最強のメソッド

心筋症

■編集 筒井 裕之

定価 6,600円(税込) (本体6,000円+税)
  • B5判  204ページ  オールカラー,写真200点
  • 2017年9月22日刊行
  • ISBN978-4-7583-1438-1

身につけた知識を実臨床でどれだけ活かせているのか? どのような根拠があり,どのような結果となるのか? その理由を紐解く! 心筋症治療のプロフェッショナルが徹底解説

若手から中堅の循環器内科医を対象に,基礎固めおよび実臨床でのスキルアップを目指す本シリーズ。(循環器内科医が知っておくべき知識とそれをどのように実践に活かすのかを具体的に解説したシリーズ。)各疾患,各検査の知識は有しているが,いざ実臨床の場面ではその知識をどのように使いこなせばいいのかわからない。実臨床での経験の根拠がわからない。そんな場面を想定し,各項目を「基礎知識 Knowledge」と「実践 Practice」にわけて解説。各項にリンク機能を付け,「基礎知識」がどのような場面で役に立つのか,実臨床での経験がどのような根拠に裏付けられているのかが目でみて理解できる構成となっている。
本巻は,心筋症の「基礎知識」を診断,治療,予後にわけ,箇条書きで端的に解説。各疾患・検査の知識の整理ができる。また,「実践」では,身につけた基礎知識をどのように実臨床に活かしたらよいか,外来,病棟で遭遇する頻度の高いcaseを取り上げ,第一線で活躍するドクター(スペシャリスト)が具体的に解説。若手医師が苦手とする心臓解剖の知識も盛り込んだ循環器内科医必携の1冊。


序文

刊行にあたって

 循環器疾患には多様な疾患が含まれますが,主要なものとしては虚血性心疾患,不整脈,心不全,弁膜症,先天性心疾患,肺高血圧症などがあります。このような循環器疾患の診療において,病歴や身体所見,さらに心電図や胸部X線が必須であることはいうまでもありませんが,心エコー,CT,MRIなど心血管イメージングの進歩は目覚しく,これらマルチモダリテイを組み合わせて効率よく診断し,治療を進めることが求められています。
 このような背景をふまえ,「循環器診療ザ・ベーシックシリーズ」を企画いたしました。主要な循環器疾患を網羅し,基礎知識とそれを使いこなすための実臨床での考え方やテクニックを学びとる実践的なシリーズです。疾患や検査の知識は有しているが,いざ実臨床の場面ではその知識をどのように使いこなせばいいのかわからない。そんな場面を想定して,各項目を「基礎知識 Knowledge」と「実践 Practice」にわけています。「基礎知識」ではイラストや画像を用い疾患や検査をわかりやすく解説しています。「実践」では「基礎知識」で身につけた知識を使って目の前にいる患者さんのどこに注目して診たらいいのか,治療方針はどう考えたらいいのか等を解説しています。さらに,「基礎知識」の内容を「実践」の症例とリンクできるようにし,さらに「実践」の症例に遭遇したときに必要な「基礎知識」がすぐに見つけられるよう,構成を工夫しています。
 また,画像診断には心血管系の解剖に関する知識が欠かせませんが,「解剖がわかる」では医師が苦手になりやすい心臓解剖の知識を織り交ぜ,診断に必要な解剖が理解できるようにしています。さらに,「200字でまとめるKey Sentence」,「Check Point」,「上達へのコツ」で押さえておくべきポイントを箇条書きで端的に解説しています。 本シリーズが,循環器専門医の先生方はもちろん,循環器専門医を目指す若手医師の循環器診療におけるベーシックテキストとして広く活用いただければ幸いです。

2017年8月
九州大学大学院医学研究院循環器内科学教授
筒井裕之

-------------------------------------------------------------------------

序 文
 1961年に英国のGoodwinらによって“心筋症Cardiomyopathy”という疾患概念が提唱されて以来長らく,心筋症は原因不明で多くの場合進行性で予後不良な疾患と認識されてきました。その後50年あまりの研究の進歩とともに,心筋症の病態の理解や診断・治療の進め方は大きく進歩してきました。原因遺伝子の探索が精力的に行われ,遺伝子変異により臨床像や予後が異なることが明らかになってきました。欧米では,このような研究成果をふまえた心筋症の定義・分類が提唱されています。診断における心エコーの有用性は従来から変わらないものの,CT,MRIやPETなどの画像診断の進歩は,心筋症診断の進め方そのものを大きく変えています。治療においても,薬物治療に加えて,デバイス治療や外科手術を含む非薬物治療の進歩には目を見張るものがあります。これらの治療法でも改善しない場合には,補助人工心臓,心臓移植の適応ですが,その主たる原因疾患は心筋症です。心筋症の診療は確実に進歩しており,実際に予後の改善に寄与してきたと思われます。
 心筋症の治療方針の決定には,当然ながら正確な診断が前提となります。心筋症の診断は,肥大型心筋症や拡張型心筋症という形態学的評価から始まりますが,これらには異なる原因疾患が混在しています。したがって,心筋症の診断では原因の明らかな心筋症の除外診断が重要です。さらに,心筋症はサルコイドーシスやアミロイドーシス,Fabry病など全身疾患の心病変であることもあり,内科診療の実践も必要です。
 「循環器診療ザ・ベーシックシリーズ」は主要な循環器疾患を網羅し,基礎知識とそれを使いこなすための実臨床での考え方やテクニックを学びとる実践的なシリーズとして企画されました。本書では,心筋症の病態を理解するとともに,どのように診断・治療を進めていくか,わが国を代表する先生方にイラストや画像を用いてわかりやすく解説していただきました。本書が,循環器専門医の先生方はもちろん,循環器専門医を目指す若手医師の心筋症診療の現場でお役に立てることを願っています。

2017年8月
九州大学大学院医学研究院循環器内科学教授
筒井裕之
全文表示する

目次

■特発性拡張型心筋症 (肥後太基)
基礎知識 Knowledge
 診断/治療
  Check・Point◦心不全のステージ別治療
  200字でまとめるKey Sentence◦特発性拡張型心筋症
 /予後
実践 Practice
 Case 1 (30歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 2 (30歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 3 (50歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 4 (70歳代,男性)
  診断/治療/予後
 
■肥大型心筋症 (正井久美子,合田亜希子,増山 理)
基礎知識 Knowledge
 診断
  上達へのコツ
  200字でまとめるKey Sentence◦拡張相肥大型心筋症
  解剖がわかる
  Check Point◦ポイントとなる心エコー所見
 /鑑別診断/治療/予後
実践 Practice
 Case 1 (50歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 2 (70歳代,女性)
  診断/治療
   Check Point◦PTSMAの適応基準
  /予後
 Case 3 (40歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 4 (60歳代,男性)
  診断/治療/予後
 
■拘束型心筋症 (武井康悦,山科 章)
基礎知識 Knowledge
 診断/鑑別診断/治療/予後
実践 Practice
 Case 1 (50歳代,男性)
  診断/治療/予後
 
■心臓サルコイドーシス (寺﨑文生,藤田修一,石坂信和)
基礎知識 Knowledge
 診断
  200字でまとめるKey Sentence 1◦心臓病変を強く示唆する臨床所見
  解剖がわかる
  上達へのコツ1◦原因不明の心筋疾患や不整脈患者の検索を進める場合
  Check Point◦ポイントとなる検査
 /鑑別診断/
 治療
  200字でまとめるKey Sentence 2◦高度房室ブロック症例に対する
  ステロイド治療とペースメーカ適応の優劣と治療の順番
  /予後
実践 Practice
 Case 1 (60歳代,女性)
  診断/治療/予後
 Case 2 (50歳代,女性)
  診断/治療/予後
 
■心アミロイドーシス (小山 潤,池田宇一)
基礎知識 Knowledge
 診断
  解剖がわかる1
  上達へのコツ1
  Check Point 1◦ポイントとなる検査
  解剖がわかる2
  200字でまとめるKey Sentence 1◦心エコー所見のポイント
 /鑑別診断/治療/予後
実践 Practice
 Case 1 (50歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 2 (70歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 3 (70歳代,女性)
  診断/治療/予後
 
■心Fabry病 (樋口公嗣,大石 充)
基礎知識 Knowledge
 診断/治療/予後
実践 Practice
 Case 1 (50歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 2 (60歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 3 (50歳代,女性)
  診断/治療/予後
 
■たこつぼ型心筋症 (佐藤 明,青沼和隆)
基礎知識 Knowledge
 たこつぼ型心筋症とは
  200字でまとめるKey Sentence◦たこつぼ型心筋症,気絶心筋
 /診断/治療/予後
実践 Practice
 Case 1 (70歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 2 (80歳代,女性)
  診断/治療/予後
 Case 3 (80歳代,女性)
  診断/治療/予後
 Case 4 (80歳代,女性)
  診断/治療/予後
 
■左室緻密化障害 (酒谷優佳,伊藤 浩)
基礎知識 Knowledge
 診断
  上達へのコツ
  解剖がわかる
  Check Point◦Paterickらの提唱した診断基準
 /鑑別診断/治療/予後
実践 Practice
 Case 1 (30歳代,男性)
  診断/治療/予後
 Case 2 (30歳代,男性)
  診断/治療/予後
 
■薬剤誘発性心筋症 (河邉篤彦,堀江康人,安 隆則)
基礎知識 Knowledge
 ドキソルビシン(アドリアマイシン)心筋障害
  診断/治療/予後
 トラスツズマブ(ハーセプチン)心筋障害
  診断/治療/予後
 トラスツズマブ(ハーセプチン)心筋障害
  診断/治療/予後
 パーキンソン病治療薬ドパミンアゴニストによる線維性弁膜症
  診断/治療/予後
実践 Practice
 Case 1 (80歳代,女性)
  診断/鑑別診断/治療/予後
 Case 2 (60歳代,女性)
  診断/治療/予後
 Case 3 (70歳代,男性)
  診断/治療/予後

■周産期心筋症 (山本一博)
基礎知識 Knowledge
 診断/鑑別診断/
 治療
  200字でまとめるKey Sentence◦16kDa異型プロラクチン
 /予後
実践 Practice
 Case 1 (30歳代,女性)
  診断/治療/予後
 Case 2 (20歳代,女性)
  診断/治療/予後
 Case 3 (20歳代,女性)
  診断/治療/予後
全文表示する

関連する
オススメ書籍