小児超音波診断のすべて

小児超音波診断のすべて

■編集 金川 公夫
河野 達夫

定価 16,500円(税込) (本体15,000円+税)
  • B5判  648ページ  オールカラー,イラスト230点,写真1,460点
  • 2015年12月21日刊行
  • ISBN978-4-7583-1580-7

小児・新生児における超音波検査の,病変の描出,読影のテクニックから診断までをまとめた1冊!

小児の診断において,被ばくや診療時間短縮を考慮したうえでも,超音波診断は非侵襲性,簡便性,反復性から欠かせないものとなっており,画像診断の第一選択として超音波を行うことが多い。しかし,小児の場合,身体や臓器のサイズ・発達状態などから画像診断や描出のテクニックは成人とは違い,日常の診療の中だけでの単独でのスキルアップは難しく,そのコツを知るために研究会や勉強会において小児を専門とする放射線科医に教えを請う医師も多い。
本書は,小児・新生児において頭部も含め全身の診断に有用なモダリティとなった超音波検査による,病変の描出,読影のテクニックから診断までをまとめた1冊である。


序文

巻頭言

 メジカルビュー社編集部の中澤さんとの雑談からこの本が生まれました。版を重ねて改訂される本が少ないので,そのような本があればいいですねと言って,その日の会話は終わりました。数日後,電話でそのような本を作りませんかという話があり,二つ返事でお引き受けしたのが本書制作のはじまりでした。
 本書はタイトルどおり,小児超音波検査のすべてを網羅するよう心がけました。初学者には基礎からわかるような,ベテランの先生には百科事典的な使い方ができるような本にすることを基本方針としました。そのため,1章では基本的なプローブの走査方法と得られる正常画像,病気と間違わないために知っておきたい正常変異,臓器の正常値を記載し,2章では出来る限りいろいろな疾患の画像を入れて視覚的にわかるよう心がけました。小児超音波検査に従事する施設には必ず備えておくべき一冊であると自負しております。
 編集過程では,この途方もないコンセプトのために多くの困難がありました。時間だけは経過するものの本の編集は一向に進まない日々が続き,途方に暮れましたが,写真を出来るだけ多く入れるというこだわりだけは常に健在でした。そのため,多くの先生方にご多忙な中ご執筆いただいただけでなく,執筆者以外の先生方からも足りない画像のご提供や,数多くのコメントをいただきました。この場をお借りして,深く感謝申し上げます。
 今回, 『小児超音波診断のすべて』 は一応の完成を見ましたが,改めて読み返してみると,もう少し写真を入れれば良かったか,もう少し解説を入れた方がよかったのではないかなどと贅沢なことを考えています。次回改訂の際には実現したいと思います。本をご購入いただいた読者の中で,足りない部分の写真をお持ちで提供していただける方がいらっしゃいましたら,改訂の際に使わせていただきますので編集部までご連絡下さい。
 いろいろ無理を申し上げた執筆者の先生方に改めて深謝するとともに,多難な編集作業の中でご苦労をおかけした編集部の中澤さん,伊藤さんに心より御礼申し上げます。
 本書が小児超音波の普及に寄与することができれば,編者の望外の喜びです。

2015年晩秋
編者 金川公夫,河野達夫

― 付記 ―
 金川の独り言ですが,改訂作業は大変なので第2版の編集は河野先生に押し付けてしまおうと考えています。第2版の時は河野先生,八面六臂の活躍をお願いします。わたしは外野席で旗だけふっています。がんばれ!ファイト!
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目次

第Ⅰ章 正常像と描出に必要なテクニック
1 頭部
   脳/頭蓋
2 脊髄
3 頸部および顔面
   眼窩/唾液腺/甲状腺/副甲状腺(上皮小体)/頸部リンパ節/咽頭弓・その他
4 胸部
   肺,縦隔,胸腔,胸壁/乳腺/冠動脈
5 肝臓
6 胆道
7 脾臓
8 副腎
9 膵臓
10 腹膜,腹壁,腹腔,および腹膜外腔
11 消化管
   出生直後の新生児の特殊性と留意点/食道・胃・十二指腸・小腸・結腸・虫垂
12 鼠径部
13 泌尿器
   腎臓・尿管・尿道・膀胱
14 男性生殖器
   精巣・精巣上体・陰嚢 
15 女性生殖器
   卵巣・子宮・腟
16 骨軟部
17 血管

第Ⅱ章 各疾患の超音波診断のポイントと所見
1 頭部
   ■脳
     先天異常/頭蓋内占拠病変/破壊性病変/炎症
   ■頭蓋
     先天異常,腫瘍,炎症,外傷,その他
2 脊髄
     脊髄超音波検査の主要な対象疾患
3 頸部および顔面
     眼窩/唾液腺/甲状腺/副甲状腺/頸部リンパ節/咽頭弓・その他
4 胸部
     胸壁および胸郭内の病変/乳房の先天異常/乳房の腫瘍と腫瘍類似病変/川崎病
5 肝臓
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他(肝移植など)
6 胆道
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
7 脾臓
     先天性奇形/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
8 副腎
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症,外傷・損傷,その他
9 膵臓
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
10 腹膜,腹壁,腹腔,および腹膜外腔
     先天異常,腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
11 消化管
     新生児危急疾患
   ■食道・胃
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症,その他
   ■十二指腸・小腸
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
   ■結腸・虫垂・直腸・肛門
     先天異常,腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/その他
12 鼠径部
     鼠径ヘルニアとその鑑別疾患
13 泌尿器
   ■腎・尿管
     先天異常/腫瘍・腫瘍類似疾患/炎症/外傷/その他(腎移植など)
   ■膀胱・尿道
     先天性疾患/腫瘍と腫瘍類似疾患/炎症,その他
14 男性生殖器
   ■精巣・精巣上体・陰嚢
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症・急性陰嚢症/外傷・損傷/その他
   ■前立腺・精嚢・陰茎
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変
15 女性生殖器
   ■卵巣・卵管
     先天異常,腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷
   ■子宮・腟
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/外傷・損傷,その他
16 骨軟部
     先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷
17 血管
     先天異常,腫瘍と腫瘍類似疾患,炎症および炎症類似疾患/外傷・損傷,その他

第Ⅲ章 おさえて役立つ技術と基礎知識
1 機器の原理とアーチファクト
2 アメニティーと患者看護
3 医療制度と保険点数
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