画像診断の勘ドコロNEO

泌尿器領域 画像診断の勘ドコロNEO

泌尿器領域 画像診断の勘ドコロNEO

■編集代表 玉田 勉

定価 7,480円(税込) (本体6,800円+税)
  • B5変型判  312ページ  2色(一部カラー),イラスト40点,写真700点
  • 2021年4月1日刊行
  • ISBN978-4-7583-1617-0

エキスパートによるとっておきの画像とアドバイスで泌尿器が“読める”!

「勘ドコロNEO」シリーズ第4弾は,泌尿器領域。「なぜそうみえるのか」がわかるモダリティの最重要ポイントに加え,スペシャリストたちが読影室で「どこを見て」「どう鑑別し」「どう診断しているのか」,多数の写真と明快な文章で解説する。エキスパートによるとっておきの画像をとともに,撮像の最適化,撮像のちょっとした工夫など部位独特の特徴を表記している。泌尿器領域の勉強にも読影室で困ったときにも使える充実の一冊。


序文

 この勘ドコロシリーズは,「先輩医師が後輩医師に読影室でこっそり伝授する,簡潔で・わかりやすく・ポイントをしっかり押さえた画像診断の勘ドコロ集」というコンセプトで,日常臨床に特化した情報が満載の領域別教科書として,様々なレベルの放射線科医,診療放射線技師のみならず各専門領域の内科医や外科医にも愛読されてきた。そのスケールアップ版である『画像診断勘ドコロNEOシリーズ』も各領域のエキスパートのご尽力によりすでに頭頸部,頭部,産婦人科,心臓・大血管と順次出版されている。
 このたび編集させていただいた泌尿器領域は,これまでは『新 腹部画像診断の勘ドコロ』の一部として執筆されていた。しかしながら,例えば2020年度のわが国における悪性腫瘍の罹患数予測において,泌尿器系の悪性腫瘍は9.6万人と第1位であり,前立腺に腎・尿路,膀胱を併せると男性の悪性腫瘍のおよそ4分の1を占める。さらに,今後もその罹患数の増加が見込まれている。一方,前立腺癌や膀胱癌などの泌尿器系疾患では,近年診断体系の標準化が進み,その臨床的有効性に関する多くの知見も蓄積している。このような最近の進歩を推進してこられた第一線のエキスパートの先生方は,多くの臨床経験に裏打ちされた専門的知識が豊富で,学術論文,各種雑誌の特集や教科書では伝えきれていない,また伝えにくいが臨床的に極めて有用な隠し球的な情報をお持ちである。そのような知識をすべての医療従事者で共有することは,チーム医療の推進やわが国の医療レベルの向上にとっても必要であろう。
 こうした現状を背景に,さらに高橋雅士先生からもご提案いただいた経緯から,このたび満を持して泌尿器系単独での勘ドコロNEOを上梓することにした。この教科書は,従来のものとは編集体制が異なり,泌尿器領域においてわが国を代表する先生方に各章の編集者になっていただいて執筆内容と執筆者の選定をお願いし,より専門性に踏み込んだ,そしてより現状に即した正確な情報を集約し,皆様方にお伝えできるように配慮した。執筆者は放射線科医のみならず泌尿器科医や病理医,内科医にも参加いただき専門性の中でさまざまな診療科で必要とされている知識も内容にちりばめている。各執筆者にはご多忙の折,それぞれの深い学識と経験またご自身の思いが詰まった渾身の内容を原稿に込めていただいた。改めて御礼申し上げる。
 本書が,泌尿器系のさまざまな分野で活躍する放射線科医を始め,診療放射線技師,泌尿器科医などすべての医療従事者に対して貢献できることを切に願う。

2021年2月
玉田 勉
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目次

01 腎
 画像検査法   有田祐起,陣崎雅弘
 腎周囲の解剖   秋田大宇,八木文子
 腎嚢胞性腫瘍の診断   秋田大宇,八木文子
 腎充実性腫瘍の診断   秋田大宇,八木文子
 比較的まれな腎癌の所見 転座型,粘液管状紡錘型,管状嚢胞型腎細胞癌   有田祐起,秋田大宇,陣崎雅弘
 比較的まれな良性疾患の所見 古典的AML,fat poor AML,epithelioid AML,MEST   有田祐起,秋田大宇,陣崎雅弘
 腎腫瘍の病期診断   立入哲也,丸上永晃
 腎感染症   中本 篤
 遺伝性疾患と全身性疾患の腎病変   中本 篤
 腎癌の治療方針戦略における画像診断   陣崎雅弘,有田祐起
02 副腎
 CT・MRI・シンチグラフィの撮像法   福倉良彦,中條正豊
 副腎の解剖・病理   東 美智代
 副腎疾患の内科的診断・治療   有村 洋
 副腎疾患のCT・MRI・核医学診断 良・悪性の鑑別   福倉良彦,中條正豊
 副腎疾患のCT・MRI・核医学診断(疾患別)   熊谷雄一,福倉良彦
 副腎静脈サンプリング   林 完勇
 副腎疾患の外科的治療   鑪野秀一
03 尿路上皮(腎盂・尿管・膀胱):尿路上皮癌
 画像検査法   竹内 充
 尿路上皮癌の臨床―総論   吉田宗一郎
 尿路上皮癌の検出   竹内 充
 腎盂尿管癌のT-病期診断   本田有紀子
 膀胱癌のT ー病期診断   竹内 充
 尿路上皮癌のリンパ節・遠隔転移の画像診断   竹内 充
 尿路上皮癌の治療後と経過観察の画像診断   竹内 充

04 前立腺
 前立腺マルチパラメトリックMRI(mpMRI)の最適化   玉田 勉
 前立腺癌のMRI診断に必要な前立腺の解剖   吉田理佳,吉廻 毅
 前立腺癌の病理診断   鹿股直樹
 前立腺癌の治療法の選択と課題   宮地禎幸
 前立腺mpMRIを用いた局所の病期診断
  前立腺外進展に有用なMRI所見は? 前立腺外進展の判定に注意を要する所見は?   新本 弘
 手術後に切除断端が陽性となりやすいMRI所見とは?   玉田 勉
 被膜外浸潤の程度と手術適応との関連性-術式選択に必要なMRI情報とは?   三浦徳宣,雑賀隆史
 PI—RADS v2.1とは   玉田 勉
 前立腺癌の検出
  前立腺癌の検出とPSA,PSADとの関連性,前立腺癌のハイリスク症例とは?   松岡 陽
  PI—RADS v2.1におけるdominant sequenceとは? dynamic造影の役割は?   玉田 勉
  前立腺MRIにおける偽陰性病変とその特徴(IDC—Pを含めて)   新本 弘
  前立腺癌の検出能を向上させるために必要なことは?   玉田 勉
  前立腺癌と間違えやすい前立腺良性疾患(肉芽腫性前立腺炎,前立腺膿瘍)   吉田理佳,吉廻 毅
  MRIをガイドとした生検法について   玉田 勉
 前立腺癌の局所再発の診断について   上野嘉子,玉田 勉
 前立腺癌の骨転移について 有用な検査法は?   北島一宏
  
05 精巣(精嚢),陰茎
 実臨床に役立つ検査法:超音波とMRI   丸上永晃
 疾患を考慮した精巣の発生と解剖   丸上永晃
 停留精巣の診断と治療   福井真二
 精巣微小石灰化症の取り扱い   福井真二
 胚細胞腫瘍の病理診断   藤井智美,内山智子
 胚細胞腫瘍の臨床診断   福井真二
 胚細胞腫瘍の画像診断   山内哲司
 胚細胞性腫瘍以外の精巣腫瘍,精巣外腫瘍の画像診断   南口貴世介,丸上永晃
 造精の仕組みと造精機能障害を起こしうる男性不妊の病理   藤井智美,内山智子
 男性不妊症の臨床診断   福井真二
 性分化疾患の診断   青木勝也,福井真二
 急性陰嚢症と急性陰茎疾患の画像診断   丸上永晃
 血精液症の原因と治療   福井真二
  
06 後腹膜病変
 後腹膜腔の解剖   山本 亮
 後腹膜病変のアプローチ
  後腹膜病変の由来と由来組織   宗近次朗
  後腹膜の多発性病変:診断へのアプローチ   坂田悦郎,小山 貴
 腫瘍性病変
  嚢胞を含む病変   神吉昭彦
  脂肪を含む病変   神吉昭彦
  髄外造血
  傍神経節腫
  神経節細胞腫
 石灰化を含む病変   神吉昭彦
  粘液腫様成分を含む病変 宗近次朗
  多血性病変   山本 亮
 非腫瘍性病変
  ガス,出血,膿瘍,尿貯留   宗近次朗
  後腹膜のびまん性疾患:後腹膜線維症とその鑑別   小山 貴
 生検 平木隆夫
  
07 小児
 小児検査の適応や工夫   宮坂実木子
 先天性水腎症の鑑別   赤坂好宣
 膀胱尿管逆流と尿路感染   田波 穣
 尿膜管関連疾患   乗本周平
 小児腎腫瘍の特徴   杉岡勇典
 腎の発生異常   赤坂好宣
 神経芽腫(neuroblastoma)   西村元喜
 腎嚢胞性疾患   細川崇洋,佐藤裕美子,田波 穣,小熊栄二
  非遺伝性疾患
 先天性泌尿器疾患の胎児MRI   桑島成子
  先天性水腎症
  Potter sequence
  多嚢胞性異形成腎(MCDK)
  総排泄腔遺残症(persistent cloaca)
 腎の正常異型   松原菜穂子
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