ナースのための眼科ベーシックポイント

ナースのための眼科ベーシックポイント

■編集主幹 大橋 裕一

■編集 山田 昌和
白石 敦

定価 4,950円(税込) (本体4,500円+税)
  • B5判  296ページ  オールカラー,イラスト140点,写真380点
  • 2020年1月27日刊行
  • ISBN978-4-7583-1639-2

眼科診療で看護師に求められる知識とエッセンスが一目でわかる待望の改訂新版!

好評を博した『新ナースのための眼科学』が眼科医療の進歩を踏まえてアップデートした待望の改訂新版。
「眼の基礎知識」「診療のしくみ」「眼科疾患の知識」「手術,レーザー,点眼薬の一覧」など,眼科診療で看護師に求められる知識とエッセンスを網羅し,どこからでも読める構成。また各項目冒頭の「ナーシングポイント」や囲み記事「トラブルシューティング」など,看護師目線の紙面構成により医療現場で必要となるポイントが一目でわかるようになっている。


序文

刊行にあたって

 世に教科書はたくさんあります。でも,「内科ならこれで決まり!」とか,「外科ならこれしかないよ!」というような,いわゆる「定番」の評価を得ているものとなるとその数はさほど多くはありません。「定番」とは,時代の流れに左右されることなく,常に安定した読者層を持ち,口コミの中で長く支持されている特別な存在だからです。
 2001年刊行された『ナースのための眼科学~ナーシングポイント100』は2011年に『新ナースのための眼科学~ナーシングポイント105』と版を改め,さらにこのたび『ナースのための眼科ベーシックポイント』に進化を遂げる中で,すでに20年近い歴史を重ねている眼科ナースのための看護ガイドブックです。その中核となるナーシングポイントのクォリティは確実に向上しています。読者からの温かい支持を踏まえれば,先に述べた「定番」への仲間入りを果たしたと言っても過言ではないでしょう。
 本書の特徴は,看護師の立場に立ち,医療現場において活用できるテキストとなるよう構成,編集されている点にあります。旧版の『ナースのための眼科学~ナーシングポイント100』と『新ナースのための眼科学~ナーシングポイント105』のコンセプトを基本的に踏襲し,どの項目から読んでもいいように,「縦割り」「横割り」を組み合わせた構成にしているほか,各項目のアタマに「ナーシングポイント」を配し,知っておくべきエッセンスが一目で分かるような仕組みとなっています。また,本文中の重要ワード・センテンスにはマーカー表記がなされているほか,各項目の末尾に補助や介護のコツを解説する「トラブルシューティング」を囲み記事として置くなど,細部にまでこだわった完成度の高い企画内容です。
 本書の編集に携わられた杏林大学の山田昌和教授,そして愛媛大学の白石 敦教授はともに臨床から得られた所見,知見をもとに病態を考え,治療を行っていく本物の臨床家です。お二人の考え方をもとに生み出された本書は,眼科臨床にフィットした実践的な内容となっており,皆さまの看護ケアにきっと役立つと確信しています。
 少子高齢化の時代にあたり,私たちは如何にして「確かな看護」を提供していけばいいのでしょうか。看護を必要とする人たちが,そして看護の現場が多様化していく中で,看護職の責務が今,改めて問われています。エビデンスに基づいた眼科看護のエッセンスを本書から学んでいただければ幸いです。
末尾になりましたが,本書の企画に当初から携わられるとともに,今回の新版の刊行を実現していただいたメジカルビュー社の吉川みゆき氏に深甚なる謝意を表する次第です。

2019年12月
大橋裕一

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序 文

 明日から眼科に配属と言われて,困った経験を持つ看護師は少なくないようだ。眼科では「血液検査や放射線検査に行ってください」ということは少なく,眼科のなかでほとんどの検査や治療を行う自己完結型の医療になっている。薬物療法も全身投与より点眼薬が主体であり,手術もほとんどが局所麻酔で顕微鏡手術として行われる。他の診療科と異なる部分が多いので,どうしてもとっつきにくくなってしまう。戸惑うのは患者さんも同じで,「緑内障といわれたがどんな病気なのか」「OCT検査は何を調べる検査だろうか,痛くないのだろうか」「目薬をどうやって点したら(さしたら)いいのだろうか」と診察室を出てから疑問が湧き出てしまう。このようなときに頼りにされるのがコメディカル,とりわけ看護師である。したがって,看護師は苦手苦手と言わずにプロフェッショナルとして必要な知識は持っておきたい。
 本書は眼科医療に従事する看護師にプロフェッショナルとして知っておきたい知識,エッセンスをまとめたものである。内容は大きく3部に分かれているが,通読してもよいし,知りたい項目から読んでもよい。最初は,基礎編で看護師に必要な眼科の知識をコンパクトにまとめてある。眼球の構造や機能から代表的な眼の症状と疾患,介助の基本など基礎知識が1時間で読めるので,眼科につく際にまず読んでおきたい部分である。2番目は眼科診療の仕組みについて,外来,病棟,手術室の場面別に示してある。眼科患者の多くは視覚に問題のある高齢者であり,各々の場面で何に注意してどうすればよいか具体的なアドバイスが満載されている。眼科で行うさまざまな検査,治療,手術についても記載されている。実際に検査を担当したり手術介助に入ったりしなくとも,検査や手術の目的,概要など患者さんに説明できるようになっておきたい。3番目は看護に役立つ眼の病気の知識で疾患別の各論である。眼の病気にどのようなものがあり,どのような治療法が取られるのか,概要がわかるようにまとめている。患者さんに病気のことを聞かれたときにそっと調べる辞典として活用していただきたい。
 世界有数の長寿国である我が国では,寿命と健康寿命との乖離が問題となっている。健康寿命の延伸,健やかに老いるためには「見る・食べる・歩く」が必要条件であり,眼科医療が社会に果たす役割もますます大きくなってくる。眼科スタッフとして自信を持って動き回るために,本書がその一助になれば幸いである。最後に本書の編集・出版にあたり多大なご尽力をいただいたメジカルビュー社の吉川みゆきさんに深謝の意を表する。

2019年12月
山田 昌和,白石 敦
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目次

I ナースに必要な眼科の知識
  眼球の構造  重安千花
  眼球周囲の構造  重安千花
  ものが見える仕組み  伊東裕二
  視機能とその評価法  伊東裕二
  屈折異常と眼疾患  山田昌和
  眼の症状  山田昌和
  代表的な眼の病気(1)眼瞼,結膜  久須見有美
  代表的な眼の病気(2)角膜  久須見有美
  代表的な眼の病気(3)白内障  松木奈央子
  代表的な眼の病気(4)緑内障  北 善幸
  代表的な眼の病気(5)網膜疾患  安藤良将,厚東隆志
  代表的な眼の病気(6)眼窩,涙道  柳沼重晴
  代表的な眼の病気(7)眼科救急疾患,これは急ぐ  北 善幸
  眼の病気の代表的な治療法(レーザー)  石田友香
  眼の病気の代表的な治療法(手術)  石田友香
  点眼薬の種類と点眼の基本  山田昌和
  眼科患者の介助の基本  井田祐美子

II 眼科診療の仕組み
 外来
  ●外来総論
  眼科外来患者の特性と看護ポイント  井田祐美子
  診療システムと看護師の役割  竹村美緒
  受付でのトリアージ  佐々木千鶴子
  検査用の点眼薬  佐々木千鶴子
  ●検査室での検査
  屈折検査  菅井順子
  視力検査  菅井順子
  涙液検査,涙道検査  柳沼重晴
  角膜検査  久須見有美
  前眼部OCT検査  百田陽介
  眼鏡処方  小川佳子
  コンタクトレンズ処方  荒地里江
  眼内レンズ度数決定の検査(含 トーリック)  松木奈央子
  眼圧検査  秋山陽一
  視野検査  関口 愛
  色覚検査  利根川美香
  両眼視検査,眼球運動検査  利根川美香
  眼底写真,蛍光眼底造影検査  名畑浩昌
  超音波検査  安藤良将
  電気生理学的検査  照井祐佳
  OCT,OCTアンギオグラフィ(OCTA)  北 善幸
  ●診察室での検査と処置
  細隙灯顕微鏡検査  山口昌彦
  眼底検査  大熊真一
  外来で行う基本処置  菊地正晃
  外来処置とその介助  奥嶋奈美
  外来小手術とその介助  奥嶋奈美
  レーザー治療とその介助  張  媛
  病棟往診とその介助  張  媛
  ショックへの対応  鳥飼泰彦
  院内感染防止対策  川口秀樹
 病棟
  診療システムと看護師の役割  高岡美紀
  眼科入院患者の特性と看護ポイント  越野敦子
  術前のオリエンテーション,術前準備  越野敦子
  術後管理  池内麻穂
  点眼と服薬の指導  戎井志帆
  退院時のオリエンテーション  戎井志帆
 手術室
  眼科手術の特徴と看護師の役割  飯塚真理子
  外来手術について  城戸さくら
  術前準備  飯塚真理子
  白内障手術の看護ポイント  飯塚真理子
  網膜剝離手術の看護ポイント  武田太郎
  硝子体手術の看護ポイント  武田太郎
  緑内障手術の看護ポイント  中榮美紀
  角膜移植の看護ポイント  中榮美紀
  斜視と眼瞼の手術の看護ポイント  武田太郎
  涙道手術の看護ポイント  武田太郎
  手術器具の管理のポイント  武田太郎

III  看護に役立つ眼の病気の知識
 眼瞼,結膜,涙器
  眼瞼の形態・運動の異常(1)眼瞼下垂  三谷亜里沙,鄭 暁東
  眼瞼の形態・運動の異常(2)内反症,外反症  三谷亜里沙,鄭 暁東
  眼瞼の形態・運動の異常(3)
   眼瞼けいれん,顔面けいれん,兎眼  三谷亜里沙,鄭 暁東
  アレルギー性結膜炎  北畑真美
  感染性結膜炎  鳥山浩二
  ドライアイ  坂根由梨
  涙道閉塞と涙嚢炎  鎌尾知行
  結膜手術  坂根由梨
 角膜,強膜
  角膜上皮障害  竹澤由起
  角膜ヘルペス,眼部帯状ヘルペス  井上英紀
  コンタクトレンズと眼障害  北畑真美
  感染性角膜炎  鳥山浩二
  角膜変性疾患  井上英紀
  角膜内皮障害  井上英紀
  角膜移植手術  竹澤由起
  屈折矯正手術  竹澤由起
 白内障,緑内障
  閉塞隅角緑内障  浪口孝治
  開放隅角緑内障  溝上志朗
  緑内障の治療(1)薬物療法  溝上志朗
  緑内障の治療(2)外科治療  浪口孝治
  白内障  池川泰民
  白内障手術  野田遼太郎
  術後眼内炎  田原壮一朗
 網膜,ぶどう膜
  非感染性ぶどう膜炎  慶野 博
  感染性ぶどう膜炎  慶野 博
  飛蚊症  加藤 悠
  網膜循環障害  安藤良将,厚東隆志
  糖尿病網膜症  安藤良将,厚東隆志
  加齢黄斑変性とその類縁疾患  中山真紀子
  黄斑疾患(加齢黄斑変性以外)  石田友香
  網膜剝離  廣田和成
  網膜剝離手術  廣田和成
  硝子体手術  伊東裕二
  硝子体内注射と光線力学療法(PDT)  中山真紀子
  未熟児網膜症  加藤 悠
 神経眼科,小児眼科
  斜視  満川忠宏
  弱視  満川忠宏
  こどもの屈折異常  鈴木由美
  心因性視力障害  鈴木由美
  眼球運動障害  渡辺敏樹
  視神経炎  渡辺敏樹
  脳神経疾患  渡辺敏樹
 機能的疾患,機能異常
  色覚異常  渡辺交世
  夜盲  渡辺交世
  老視  山田昌和
  眼精疲労とIT眼症  山田昌和
 眼外傷,薬剤毒性
  眼外傷  鳥飼智彦
  薬物腐食  城戸龍樹
  点眼薬による副作用  浪口孝治
  全身薬による眼副作用  平松友佳子
 知っておきたいこと
  ロービジョンケア  新井千賀子
  視覚補助具とその活用  新井千賀子
  視覚障害の認定(障害者手帳,障害年金,指定難病,介護保険)  新井千賀子

付録
  眼の手術一覧  篠崎友治
  眼のレーザー治療一覧  篠崎友治
  主な点眼薬一覧  篠崎友治
  略語一覧  小林武史
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