作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト

発達障害作業療法学(改訂第2版)

改訂第2版

発達障害作業療法学(改訂第2版)

■編集 神作 一実

定価 5,060円(税込) (本体4,600円+税)
  • B5判  304ページ  2色,イラスト300点,写真200点
  • 2015年1月26日刊行
  • ISBN978-4-7583-1676-7

写真・図表・Case Studyをさらに数多く追加し,よりスケールアップした講義用テキストの改訂版!!

本シリーズは,作業療法学について知識のない学生さんでもわかりやすいように,読みやすく解説した作業療法学専門分野の講義用テキストである。今回,改訂第2版では,「全体像」のページを見直し,本文の流れとよりシンクロさせ,全体像の中のイラストにも解説を盛り込んで理解しやすいように工夫した。また,国試関連のポイントも押さえられるよう「Point!」を新設し,さらに「用語アラカルト」「Case Study」「MEMO」については初版よりもさらに多く盛り込み充実させ,学生さんの理解の助けとした。「まとめのチェック」も各項目間のバラツキを是正し,全体的に統一感をもたせた。
「発達障害作業療法学」については,学生さんが身につけるべき基礎的な概念や理論を丁寧に解説してあり,発達障害に関する評価,治療,作業療法について確実に知識を習得できる秀逸なテキストとして活用できる。
是非,本書を通じて,臨床にもつなげられる作業療法の知識を身につけてほしい!

■シリーズ監修
長﨑重信


序文

改訂第2版 
監修の序

 作業療法について,作業療法を知らない人に説明するとき,日本語の「作業」という言葉と英語の「occupation」という言葉の意味の違いを踏まえたうえで,「作業療法は人の行う様々な作業活動(日常の活動)を用いて,作業バランス(セルフケア,生産活動,余暇活動)の回復,失ったり・縮小した役割の回復を助けることである」と伝えると理解してもらえるようになってきました。作業療法は人を作業的存在としてとらえ,人は作業(活動)も欲し,それを通して,自己実現をめざすものであると考えます。そこで作業療法は人々が障害をもちながらも社会生活が送れるように作業活動を通して働きかけていきます。これは場面が変わっても作業療法においてこの基本的な考えが貫かれます。最近では作業科学からのアプローチとして健康人への作業療法の有用性についての実践報告もあり,一般社会への作業療法の広がりもみられます。
 今回,4年ぶりに『作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト』シリーズの第2版を出版することができました。本テキストシリーズは「作業療法学概論」・「作業学」・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」の7巻と「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」と「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」に分冊された4巻を加え,全11巻に再構成しました。
 第2版でも本シリーズの“臨床の知識につながる高度な内容を,レベルを落とさず一読で理解できるよう工夫している”という第1版の編集方針を引き継ぎ,さらなる理解しやすさをめざして編集しました。
「Introduction」では各巻のめざす目的がはっきりわかるようにしてあります。
「各論」では“基礎原理”に続き「よって,どのような治療法・対処法が必要になるのか」ということにストーリー性をもたせた構成として,論理的に理解できるように工夫を施してあります。執筆者には「どうすれば短期間に効率よく確実に理解できるか」を念頭に置いて執筆くださるようにお願いしました。また,勉強の流れを妨げる唐突な専門用語は「用語解説」として欄外に示すなどの工夫を加えました。
 本書は作業療法学科・専攻の学生を対象にした内容に特化することで作業療法学科・専攻の教員の方々にも納得できる内容,かつ教えやすい編集にこだわりました。このため効率よく学生に教授することを可能ならしめる内容と確信しております。
 本書の不備な点などがあれば,読者諸氏のご教示をお願いします。

2014年12月
文京学院大学
長﨑重信
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改訂第2版
編集の序

 改訂第2版の編集にあたり,より発達障害領域の作業療法学を学生が学びやすいように,図やイラストの追加のみならず「用語解説・MEMO」や臨床にて役立つ「Case Study」をも数多く追加した。各項目の冒頭の「全体像」も本文の流れとシンクロさせ,イラストに解説もつけてより理解しやすいようにし,「まとめのチェック」も全体的に統一感をもたせ,学生の理解の到達度を図れるようにした。このように,改訂第2版においては,子どもの発達,評価,疾患や障害に沿った治療的アプローチについてさらに理解しやすいように工夫を行った。
 また,作業療法士は,対象児の様々な現象を作業療法の視点からどのようにとらえるのか,また,どのように解釈し,治療に結びつけていくのかをよりわかりやすく解説した。すでに臨床実践を行っている作業療法士にとっても,基礎知識を再確認し,臨床実践を振り返る際に利用しやすい内容とした。
 発達障害領域の作業療法を取り巻く状況は,第1版発行時にもまして,大きく変化している。医療機関,相談機関,療育施設を訪れる対象児は,圧倒的に広汎性発達障害や学習障害,注意欠陥多動性障害などの“発達障害”児が増えている。これらはすでに一般用語のように使われ,社会に浸透してきている。一方,発達障害を持つ子どもへの理解や支援はまだ不十分な点が多く,適切な支援がかならずしも受けられるとは限らないという実態もある。
 近年,作業療法の対象はさらに拡大・多様化しており,対象児の問題だけではなく,保護者の問題も含めて総合的な対応が求められるようになってきている。とくに,問題が複雑に絡み合っている被虐待児を担当することも多い。摂食・嚥下リハビリテーションだが,近年は摂食・嚥下リハビリテーションチームに不可欠な職種として作業療法士が参加するようになってきている。作業療法や作業療法士を取り巻く状況の変化は,作業療法士にさらに広く深い知識と技術を求める,社会からの期待が大きくなったあらわれでもある。
 障害を持っている子どもたちの多くは,地域で家族とともに暮らしている。対象児の評価や治療だけではなく,保護者の育児不安への対応や保護者指導など,保護者へのアプローチがますます重要となってきている。本書では,発達障害領域の作業療法学を学ぶ上での基礎的な知識から,臨床的に作業療法士が求められる内容までを網羅している。作業療法士が社会からの期待に応え,障害を持った対象児とその家族が幸せに暮らしていけるよう,有効なアプローチを行うことに本書が役に立つことを心より願っている。

2014年12月
文京学院大学
神作一実
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目次

 0 Introduction
  1 Introduction

 1 子供の発達と作業療法
  1 姿勢・運動発達とその背景
  2 感覚統合機能の発達
  3 認知・思考機能の発達
  4 コミュニケーション機能の発達
  5 子供の発達と遊び
  6 セルフケアの発達と遊び
  
 2 評 価
  1 発達障害領域の作業療法評価
  2 情報収集および面接,観察の視点
  3 発達像を把握するための検査
  4 評価結果と障害構造の分析
  
 3 治療的アプローチ:発達の各領域に対するアプローチ
  1 感覚統合機能に対するアプローチ
   感覚統合障害とは?
   感覚統合機能評価
   感覚統合へのアプローチ
   適応行動を促すための環境調整
   セルフケアの援助
   関連施設との連携
  2 姿勢と運動へのアプローチ:脳性麻痺を中心に
   姿勢と運動の障害とは?
   姿勢と運動の評価
   姿勢と運動へのアプローチ−予想される問題とその対応
   適応行動を促すための環境調整
   セルフケアの援助
   関連施設との連携
  3 知的障害に対するアプローチ
   知的障害とは? 
   知的障害のある方の評価
   ライフステージとアプローチ
   適応行動を促すための環境調整
   セルフケアの援助
   関連施設との連携
  4 摂食嚥下障害に対する作業療法
  5 各種対象疾患に対する作業療法アプローチ:デュシェンヌ型筋ジストロフィー
   デュシェンヌ型筋ジストロフィーの作業療法は?
   各適応行動を促す環境調整
  6 各種対象疾患に対する作業療法アプローチ:二分脊椎
  7 各種対象疾患に対する作業療法アプローチ:分娩麻痺
  
 4 対人援助職としての作業療法士に求められるもの
  1 養育者の育児を支援する視点
  2 弱者の支援者としての作業療法士:被虐待児への作業療法
  3 弱者の支援者としての作業療法士:保護者への対応
  4 弱者の支援者としての作業療法士:作業療法士の基本的態度
  5 コラム① 特別支援教育と作業療法
  6 コラム② 発達相談と作業療法
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