作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト

福祉用具学

福祉用具学

■編集 山中 武彦

定価 4,400円(税込) (本体4,000円+税)
  • B5判  272ページ  2色,写真100点
  • 2015年12月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1680-4

改訂に当たり,さらにわかりやすくなった講義用テキスト!! 臨床への橋渡しにも活用できる!

本シリーズは,作業療法学について知識のない学生さんでもわかりやすいように,読みやすく解説した作業療法学専門分野の講義用テキストである。
今回,改訂第2版では,「全体像」のページを見直し,本文の流れとよりシンクロさせ,全体像の中のイラストにも解説を盛り込んで理解しやすいように工夫。また,国試関連のポイントも押さえられるよう「Point!」を新設し,さらに「用語アラカルト」「Case Study」「MEMO」については初版よりもさらに多く盛り込み充実させ,学生さんの理解の助けとした。「まとめのチェック」も各項目間のバラツキを是正し,全体的に統一感をもたせた。
「福祉用具学」については,現在,臨床現場で広く使用されている機器を中心に,商品写真と患者が実際に使用している場面写真を豊富に掲載。対象となる疾患,使用する際の目的,禁忌や注意点はもちろんのこと,福祉用具を使用する際の社会福祉制度の活用法,他職種や患者本人とのコミュニケーション,実際に使用している患者の実例など,福祉用具をとりまく現場をイメージしやすい内容を,初学者向けにわかりやすく丁寧に解説している。
ぜひ,本書を通じて,臨床にもつなげられる作業療法の知識を身につけてほしい!

■シリーズ監修
長﨑重信


序文

編集の序

 本書は,2012年に初刊された『作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト』シリーズ第8巻『日常生活活動(ADL)・福祉用具学』から分冊されたものである。初版から引き続き,「臨床の知識につながる高度な内容を,レベルを落とさず一読で理解できるよう工夫する」というシリーズ全体の編集方針を守りつつ,福祉用具の新しい知識と臨床の実際をより深く解説することをコンセプトとした。
 現在,わが国の政策として地域包括ケアシステムの構築が進んでいる。これは,高齢化社会が進行することに対応し,高齢者が住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう,地域の包括的な医療ならびに介護の支援・サービス提供体制を整えることがねらいであるが,障害者に対しても同じような環境整備が必要であると考える。
 さて,今後,在宅で生活する高齢者や障害者が増加するとなると,どのようなニーズが増大するのであろうか。例えば,施設に入所した場合と比較し,決定的に異なる点の1つとして,住環境や生活用具など,ICFでいう環境因子の重要性が挙げられる。個人の住宅環境や生活様式は人それぞれであり,画一的に住環境や福祉用具を整えても,それが必ず適合するとは限らない。事実,筆者が実際に遭遇した例として,下肢機能が低下した認知症高齢者に対し,立ち上がり動作を補助する福祉用具を導入したものの,高齢者がそれまで行っていた「座敷机の縁につかまって立ち上がる」というやり方を変えることはなく,結局その用具は「お飾り」に終わった,という事例がある。この方は,おそらく認知症のために新しい方法を覚えることが難しかったのであろう。このように,在宅生活を支援していくためには,疾患や障害の特性を理解しながら,対象者の生活様式,そして環境因子との関連性を正しくアセスメントすることが要求されることから,医学的知識を備えつつ,生活活動に介入することを専門する作業療法士の活躍が益々期待される。
 本書を手にされた作業療法士養成課程の学生諸子や,若い作業療法士の方には,時代のニーズ,対象者のニーズに応えることができるよう,福祉用具に関する確かな知識と技術を身につけていただきたい。

2015年11月
日本福祉大学
山中武彦
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目次

0章 Introduction
1 イントロダクション
 1 作業療法士と福祉用具
 2 福祉用具を障害タイプ別と疾患・障害特異的に理解する

1章 福祉用具概論
1 リハビリテーションにおける福祉用具類の位置づけと役割
 1 福祉用具の定義
 2 リハビリテーションと福祉用具
 3 代償としての福祉用具
 4 治療媒体としての福祉用具
 5 疾患・障害の種類と福祉用具
 6 福祉用具の供給制度
 7 福祉用具の導入,選定手順
 8 介護者への教育
 9 福祉用具に関する情報の収集と提供

2 自助具の作製
 1 自助具作製のための基礎知識
 2 自助具作製の流れ
 3 自助具作製に必要な材料と加工器具など 
 4 まとめ

2章 障害タイプ別福祉用具
1 筋力の低下(支えられない障害)①体幹・下肢の筋力低下・随意運動障害
 1 体幹の筋力低下・随意運動障害
 2 下肢の筋力低下・随意運動障害

2 筋力の低下(支えられない障害)②上肢・手指の筋力低下・随意運動障害
 1 上肢の筋力低下・随意運動障害
 2 手指の筋力低下・随意運動障害

3 上下肢関節可動域の制限(届かない障害)
 1 はじめに
 2 身体にアクセス
 3 身体周辺以外の環境にアクセス
 4 まとめ

4 協調性障害(コントロールできない障害)
 1 協調性障害とは
 2 協調性障害の福祉用具・自助具

5 コミュニケーションの障害
 1 コミュニケーション障害とは
 2 コミュニケーション障害に対するアセスメント
 3 コミュニケーション支援の進め方
 4 コミュニケーション機器の情報を収集する
 5 コミュニケーション機器の紹介

3章 疾患・障害別の福祉用具
1 脳血管障害,片麻痺
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法

2 脊髄損傷(高位頸髄損傷)
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法

3 頸髄損傷( C6,C7)
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法
 4 装具

4 不全型頸髄損傷(中心性損傷型)
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法

5 高齢者,パーキンソン病
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法 

6 関節リウマチ
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法
 4 その他の自助具紹介
 5 装具およびスプリント
 6 住環境整備
 7 福祉車両の紹介
 8 まとめ

7 切断
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法
 4 まとめ

8 筋萎縮性側索硬化症( ALS )
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法

9 デュシェンヌ型筋ジストロフィー
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法

10 脳性麻痺
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法

11 認知症
 1 疾患および障害特性の概説
 2 福祉用具適合のために必要なアセスメント
 3 生活行為別福祉用具・自助具の紹介と活用方法
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