リハビリテーションのための画像の読み方

リハビリテーションのための画像の読み方

■編集 本間 光信
高橋 仁美

定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
  • B5変型判  200ページ  2色,イラスト202点,写真391点
  • 2015年3月30日刊行
  • ISBN978-4-7583-1686-6

リハビリテーションの現場で接するさまざまな画像を,基本から理解し活用するための1冊

医療の現場で用いられる医用画像は,代表的なX線・CT・MRIだけでなくさまざまな種類(モダリティ)があり,理学療法士・作業療法士などリハビリテーション職に要求される画像を読み解く能力は年々ハードルが高くなってきている。本書は医用画像をリハビリテーションに活かせるよう,その基本から解説する。
頭部,胸部,骨・関節の3領域について,画像を理解するための知識(モダリティや疾患の説明,正常像など)と,代表的疾患の必ず知っておくべき画像を,リハ上の注意点とともに記載。要点をコンパクトにまとめ,より高度な理論面やリハビリテーションに役立つ内容をコラム等で解説している。


序文

 理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などの専門職が単純X線像を中心にリハビリテーション(リハ)の現場で画像に接する機会が増え,読み解く能力は年々ハードルが高くなってきている。もちろんPT・OTなどのリハ専門職は診断のために読影をするのではなく,出来上がったX線画像の正常との違いや継時的変化などを読み取り,それを患者のリハに結びつけることが目的となる。臨床においては,画像読影とともに,現病歴・身体所見・血液検査などを合わせて評価をすることで,リスク管理とともに,安全で良質なリハの実践が可能になると考える。
 本書は,PT・OTなどの養成校の学生をはじめ,臨床実習生や臨床に出たばかりの新人を主な対象として,医用画像をリハに活かせるような工夫をしている。いわば初学者に向けたリハ実践のための画像読影の書とも言っていいであろう。頭部,胸部,骨・関節の3領域について,医師とPTのコンビでの執筆をお願いした。しかし,頭部については単純X線像を中心とした内容のみでは不十分であるため,総論を設けてからCTやMRIを含めて解説していただいている。そうした意味で,本書は大きく「総論と頭部」,「胸部と骨・関節」の2部構成となっている。
 各論の代表的疾患の項目では,単に画像読影の説明にとどまらず,疾患の概要や特徴とその疾患に対するリハまでを解説した。画像を理解するための知識(モダリティや疾患の説明,正常像など)と,代表的疾患の必ず知っておくべき画像を,リハ上の注意点とともに記載している。PT・OTなどの学生や若手セラピストが頭部,胸部,骨・関節の画像の読影力を養い,そして病態や症状との関連を理解して,リハに結びつけられるようになれば,より質の高い理学療法や作業療法が提供できるものと信じる。本書は入門書の位置づけにあるが,臨床場面では実際の症例と照らし合わせて読み直していただくことで,読影力,そして臨床力は確実に向上するであろう。是非,日々の臨床でも本書を手元に置き,できるだけ多くの画像を読むことをお勧めしたい。
 本書が,PT・OTなどの養成校はもちろん,臨床現場において,画像読影とリハ実践に活用されることを心から願っている。最後になるが,本書の刊行に際しては,間宮卓治氏をはじめ,メジカルビュー社編集部の皆様には本当にお世話になった。多大なるご尽力を賜ったことに改めてお礼申し上げる。ありがとうございました。

2015年3月
本間光信
高橋仁美
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目次

総論
1 画像読影に必要な基礎知識
2 頭部CTの原理と読影のチェックポイント
3 MRIの原理と読影のチェックポイント
4 脳血流SPECTの原理と読影のチェックポイント
5 PETの原理と読影のチェックポイント

頭部
1 脳・脳血管の解剖学

■ 正常像
2-1 頭部CT横断像
2-2 頭部MRI T1強調横断像
2-3 頭部MRI拡散強調像
2-4 頭部MRI T2強調冠状断像

■ 代表的疾患とリハ上の注意
3-1 脳梗塞
  放線冠梗塞
  中大脳動脈域梗塞(MCA域)/*内頸動脈閉塞(IC閉塞)
  延髄外側梗塞
  脳底動脈閉塞
  前頭葉(前大脳動脈域)梗塞
  後頭葉(後大脳動脈域)梗塞
3-2 脳出血
  小脳出血
  橋出血
  視床出血
  被殻出血
  尾状核出血
3-3 くも膜下出血
3-4 聴神経腫瘍(聴神経鞘腫)
3-5 多系統萎縮症(オリーブ橋小脳萎縮症/OPCA/MSA-C)
3-6 多発性硬化症
3-7 頭部外傷:びまん性軸索損傷
3-8 正常圧水頭症

胸部
1 X線写真の原理とチェックポイント

■ 正常像
2-1 胸部X線撮影法
2-2 正面写真の読影
2-3 正常像に現れる各種の陰影(正常変異)

■ 代表的疾患とリハ上の注意
3-1 特発性間質性肺炎
3-2 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
3-3 びまん性汎細気管支炎(DPB)
3-4 じん肺
3-5 気管支拡張症
3-6 急性肺炎
3-7 ARDS(急性呼吸促迫症候群)
3-8 特発性自然気胸
3-9  肺結核後遺症(右胸郭形成術後)
3-10 無気肺
3-11 胸水貯留
3-12 脊椎カリエスによる胸郭変形

骨関節
■ 正常像
1-1  頸椎
1-2  腰椎
1-3  肩関節
1-4  肘関節
1-5  手関節
1-6  手指
1-7  股関節
1-8  膝関節
1-9  足関節
1-10 足

■ 代表的疾患とリハ上の注意
2-1  脊椎疾患:頸椎疾患(頸椎症,頸髄症など)
2-2  脊椎疾患:腰椎疾患(すべり症など)
2-3  脊椎疾患:脊髄損傷(頸髄損傷)
2-4  関節疾患:肩腱板断裂
2-5  関節疾患:反復性肩関節脱臼
2-6  関節疾患:野球肘
2-7  関節疾患:橈骨遠位端骨折(Colles骨折)
2-8  関節疾患:大腿骨転子部骨折
2-9  関節疾患:大腿骨頸部骨折
2-10 関節疾患:変形性股関節症
2-11 関節疾患:変形性膝関節症
2-12 関節疾患:前十字靱帯損傷
2-13 関節疾患:下肢の外傷
2-14 全身性疾患:骨粗鬆症
2-15 全身性疾患:関節リウマチ
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