人体のメカニズムから学ぶ臨床工学

手術治療学

手術治療学

■監修 平田 哲

■編集 髙橋 典彦
加藤 伸彦

■編集協力 柏 公一

定価 6,380円(税込) (本体5,800円+税)
  • B5判  424ページ  2色,イラスト300点,写真200点
  • 2016年12月26日刊行
  • ISBN978-4-7583-1713-9

今,臨床現場で求められる臨床工学技士になるために! 病態生理を絡めてわかりやすく解説した講義用サブテキスト!

本書は臨床工学技士養成校の学生さんを対象としたサブテキストである。
手術室では,さまざまな医療機器が使用されており,これらの機器は年々進歩し,高度化・複雑化している。それに伴い,臨床工学技士に求められる知識や技能もより高度化している。本書ではこのような現状を踏まえ,外科手術の対象となる疾患について知っておかなければならない知識(正常解剖の構造と機能,各疾患の概要)を病態生理を絡めて解説し,最新の医療機器についても解説している。
また,欄外に「用語アラカルト」や「補足」を設け+αの知識を掲載するとともに,豊富な図表を用いて視覚的にも理解しやすいレイアウトになっている。さらに,「まとめのチェック」を章末に設け,一通り学習した後,きちんと知識を習得できたかどうか確認できるようになっている。
ぜひ,本書を通じて臨床にもつなげられる臨床工学の知識を身につけて欲しい。


序文

監修の序

 医学と科学の進歩により手術医療は大きく変化している。特に近年は,患者の痛みや負担が軽減するように侵襲の少ない検査や手術がもたらされている。院内には新たな医療機器の導入がはかられ,手術室内の運用も大きく変わり,新たなる術式も開発されている。手術室では機器の進歩以外に,チーム医療の重要性が求められてきているが,なかでも手術室における臨床工学技士の専門家としての仕事の守備範囲は広がり,医師や看護師等の周りの職種からも大きく期待されている。
 このような状況を背景に,この度,時代に即した最新の知識をまとめた『人体のメカニズムから学ぶ臨床工学 手術治療学』を発刊する運びとなった。本書の特徴は,Up to Dateの知識と情報を提供し,日々進歩する手術現場における臨床工学技士としての知識を確実に習得できるように作られている。構成は4章48項目で構成され,基礎的な「人体のメカニズム」「外科手術領域の基礎知識と基本業務指針」から始まり,その理解のもと,臓器別の手術治療にかかわる「医療機器の構造・役割」までをわかりやすく解説している。また,本書には多くのイラスト・写真・表などが駆使されており,「解剖」「生理」「病態」「手術治療学」と「医療機器」を有機的に関連づけた理解しやすいテキストとなっている。臨床工学技士を目指す学生の知識の向上のみならず,現役の臨床工学技士の日常診療の場面でも各分野の再確認ができると考えられる。本書のような書はこれまでにはなく,読者の皆さんに役立つことになれば何よりの喜びである。
 監修者として執筆者各位のご苦労に感謝し,本書の完成をともに喜びたい。
 最後に,本書の発刊にご尽力戴いたメジカルビュー社のスタッフの方に深甚なる謝意を表します。

2016年11月
平田 哲
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編集の序

 手術治療学の歴史は,わずか百年足らずではあるが,この間に外科手術は急激な進歩・発展を遂げてきた。手術治療の代表的疾患であるがん治療では,拡大手術から機能温存のための縮小手術へと移行し,低侵襲手術としての腹腔鏡・胸腔鏡手術,そしてロボット手術が導入され,体にやさしい外科治療へと推移してきている。一方,心臓血管・脳外科などでは高難度の技術・器機を必要とする手術治療が開発され,血管造影・CT・MRIなどの高機能医療機器を設備したハイブリッド手術室の運用も実施され始めてきた。このように手術治療の現場では,様々な使用不可避な高難度の医療機器が数多く存在し,かつ適宜新規導入されている。これらの器機・器材を正確に把握し,安全に管理・操作できる臨床工学技士の存在が必然的に必要不可欠となってきている。
 適正かつ優秀な臨床工学技士育成のためには,手術治療で使用される医療機器の構造・役割についての理解はもちろんのこと,まず人体の正常なメカニズムを正確に理解した上で,正常な機能が損なわれた際,どのような異常が起こり,どのような疾患が誘発されるかなどの病態生理も含めて深く知識を習得していなければならない。
 本書では,臨床において重要な内容,注意すべき点などの基本的な事項に加えて,病院実習あるいは実際に臨床の場にでてからも役に立つように,できるだけ多くの臨床経験に基づいた事例を盛り込み,学生が一気に読み通せるように,わかりやすくスリムに編集した。そのために本書はできるだけ多くのイラスト・写真・図・表などを駆使し冗長な文章を避け,「解剖」「生理」「病態生理」から「手術治療学」までを有機的に関連づけて解説していることから講義のテキストとしての使用のみならず臨床工学技士国家試験対策の参考書としても有用な内容である。
各章の執筆は,それぞれの分野で先進的かつ実際に深く臨床に携わっている専門の先生方にお願いした。本書が,臨床工学技士養成校における医学教育の場に広く活用され,ひいては日本の医学教育に新しい風を吹き込んでくれることを願っている。

2016年11月
髙橋 典彦
加藤 伸彦
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目次

Chapter 1  人体のメカニズム
 01 体液と血液
  体液とは
  血液とは
  まとめのチェック
 02 凝固系と線溶系
  凝固系と線溶系とは
  止血のしくみ
  血液線溶系のしくみ
  まとめのチェック
 03 呼吸代謝
  呼吸代謝とは
  まとめのチェック
 04 体温管理
  体温管理とは
  まとめのチェック
 05 血圧管理
  血圧(blood pressure)とは
  まとめのチェック
 06 心電図管理
  心電図(ECG)とは
  まとめのチェック
  
Chapter 2  外科手術領域の基礎知識と基本業務指針
 01 標準予防策
  はじめに
  手指衛生
  個人用防護具の使用
  まとめのチェック
 02 感染予防策
  感染経路別の予防策
  まとめのチェック
 03 清潔と不潔
  手術における清潔・不潔
  手洗いについて
  汚染度による手術の分類
  環境の清潔
  安全活動として行われる5S
  まとめのチェック
 04 洗浄・消毒・滅菌
  洗浄
  消毒
  滅菌
  まとめのチェック
 05 職業感染対策
  職業感染対策
  まとめのチェック
 06 基本業務指針
  基本業務指針
  まとめのチェック
  
Chapter 3  外科手術の対象となる疾患の解剖・生理と手術で使用される医療機器の構造・役割
 01 心疾患
  心臓の構造・機能
  人工心肺の基礎
  手術が必要となる心疾患
  人工心肺駆動中におけるおもなトラブルと対処方法
   ■トラブル事例
  まとめのチェック
 02 肺疾患
  肺の構造
  肺の機能
  手術が必要となる肺疾患
  肺手術に使用される医療機器のしくみと保守点検
  手術中のおもなトラブルと対処方法
   ■トラブル事例
  まとめのチェック
 03 消化器疾患
  消化器の位置と構造
  消化器の機能
  手術を必要とする消化器疾患
  消化器外科手術に使用される医療機器のしくみと保守点検
  手術中のおもなトラブルと対処方法
   ■トラブル事例
  まとめのチェック
 04 脳疾患
  脳の構造
  脳の機能
  手術が必要となる脳疾患
  脳外科手術に使用される医療機器
  手術中のおもなトラブルと対処方法
  まとめのチェック
 05 眼疾患
  眼の構造・機能
  眼科顕微鏡下手術の基本
  手術が必要となる眼疾患
  眼科手術に使用される医療機器のしくみと保守点検
  眼科手術のおもなトラブルと対処方法
   ■トラブル事例
  まとめのチェック
 06 骨・関節疾患
  骨・関節の構造・機能
  骨の機能
  関節の構造
  関節の機能
  手術が必要となる整形外科疾患
  整形外科手術に使用される医療機器のしくみと保守点検
  自己血回収装置使用中におけるおもなトラブルと対処方法
  まとめのチェック
  
Chapter 4  その他の外科手術で使用されるおもな医療機器
 01 麻酔器のしくみと取り扱いの注意点
  麻酔器のしくみと原理
  構成と機能
  取り扱いの注意点(麻酔関連業務の実際)
  まとめのチェック
 02 電気メスのしくみと取り扱いの注意点
  電気メスとは
  高周波電流
  電気メスのトラブル
  まとめのチェック
 03 レーザメスのしくみと取り扱いの注意点
  レーザ光の生体への作用の基本
  レーザメスの構造
  各診療科でのレーザメス使用
  臨床工学技士が関わるレーザメスの実際
  レーザメスを使用する際の安全管理
  まとめのチェック
 04 モニタリング装置のしくみと取り扱いの注意点
  心電図モニタ
  血圧測定
  BISモニタ
  パルスオキシメータ
  カプノメータ(呼気ガスモニタ)
  まとめのチェック
 05 術中神経モニタリング装置のしくみと取り扱いの注意点
  脊髄誘発電位(SCEP)
  運動誘発電位(MEP)
  まとめのチェック
 06 周術期患者管理機器のしくみと取り扱いの注意点
  DVT予防装置(間欠的空気圧迫装置)
  体温管理装置
  血液加温装置
  まとめのチェッ
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