診療放射線技師 イエロー・ノート 臨床編

4th edition

診療放射線技師 イエロー・ノート 臨床編

■編集 福士 政広

定価 7,480円(税込) (本体6,800円+税)

長年愛され続ける国試対策本の王道! 書き込んで完成させる,愛着の湧く1冊

本書は2020年春の国家試験から適用される新ガイドライン「平成32年版 診療放射線技師 国家試験出題基準」に基づく改訂第4版である。「イエロー・ノート 臨床編」は,診療放射線技師(RT)養成校の学生が共通して学ぶ『専門分野』を網羅している。各項目ごとに平易にかつポイントのみを記述し,図表を多用している。
「学生さんが各自の学習に合わせて「+α」の知識を書き込み,独自の講義ノートを作成できる」という基本コンセプトを初版から受け継いでおり,日々の学習を積み重ねながら自ずと国家試験に十分対応できる知識が身に付く書籍となっている。講義用のサブテキストから,学内試験,国試まで対応するRT養成校学生必携の一冊として,ぜひ『診療放射線技師 ブルー・ノート 基礎編 4th edition』とセットでご活用いただきたい。


序文

編集の序

 放射線の歴史は,1895 年にドイツのW.C.レントゲンがX線を発見し,1896年にフランスのA.H.ベクレルが放射性物質を発見したことで始まった。医学と放射線のかかわりはW.C.レントゲンがX線を発見した翌年から始まり,すでに120年を優に経過している。
 医学に極めて重要でかかわり深い放射線も,その取り扱い,特に医療分野での人体への放射線の照射には専門的で十分な知識と技術が必要不可欠である。そこで,わが国では1951年6月11日(昭和26年)に「診療エックス線技師法」が制定され,放射線を人体に照射することを業とする者として規定されることとなった。その後,放射線機器・技術の急速な発展により高度な医療技術の提供が要求され,X線に限らず,高エネルギー放射線,粒子線および放射性同位元素など放射線全般にわたる人体への照射,さらにはMRI,超音波など非電離放射線を利用した画像診断装置等の使用を可能とした法律の改正が行われ,現在は「診療放射線技師法」と改められている。この法律の制定年は,医療分野で働く医師・歯科医師,看護師等に続くものであり,医療職種のなかでは長い歴史をもつものである。
 この間,学校・養成所教育カリキュラムも幾度か改正されている。最近では2001年(平成13年)4月に大綱化カリキュラムが施行され,大幅な改正が行われた。時間制から単位制へ移行し,国家試験受験資格を有するために「基礎分野14単位」「専門基礎分野30単位」および「専門分野49単位」,合計93単位以上の取得が必要となった。また,各教科内容も弾力化が図られ各学校間で特色を出せるようになった。さらに,2020年改定では「専門基礎分野31 単位」「専門分野50 単位」の各1単位増加で合計95単位以上となった。
 この教育カリキュラムの大綱化にともない,診療放射線技師国家試験においても,国家試験の妥当な範囲とレベルを設定するため出題基準が作成された。2004年(平成16年)から「診療放射線技師国家試験出題基準(ガイドライン)」に基づいた試験が実施され,2012年(平成24年)改定,2020年からは新たなガイドラインの下での国家試験となる。そのため,本書では2012年と2020年の両方のガイドラインを満足する項目立てとした。
 2001年4月より施行された教育カリキュラムを実践している有志が中心となり,ガイドラインの内容を十分に網羅する『ブルー/イエロー・ノート』を編纂し,出版した。2006年に『2nd edition』,2012年に『3rd edition』を出版,その後,画像検査機器の進歩,法律改正,現状に合わない古い記述や読者からの貴重なご意見を反映し,今回『4th edition』を刊行する運びとなった。
 これまでと同様に本書の編纂は診療放射線技師教育に携わっている中堅の教育者を中心に行われ,編集方針もほぼ同一方式を採用した。例えば,「BROWSE」として各単元の重要項目を箇条書きにし,本文はできるだけ要点のみとし,「用語ア・ラ・カルト」の充実および「注意」をそのページ内に配置して,できるだけ1〜2 ページ内で完結するようにした。また,「補足」「One Point Advice」を配置することにより学習のポイントや学習のアドバイスを示した点,さらには写真,イラストを積極的に追加し,視覚的に理解できるよう工夫を凝らした。
 『イエロー・ノート』は,国家試験科目の「診療画像技術学(診療画像機器学,エックス線撮影技術学,診療画像検査学)」「核医学検査技術学」「放射線治療技術学」「医用画像情報学(画像工学)」「放射線安全管理学」を網羅した内容となっている。これらに該当する教育カリキュラムは「診療画像技術学23単位(臨床実習単位含む)」「核医学検査技術学8単位(臨床実習単位含む)」「放射線治療技術学8単位(臨床実習単位含む)」「医用画像情報学6単位」「放射線安全管理学4単位」,そして「医療安全管理学1単位」である。国家試験での各科目の出題割合は単位数の割合を反映したものとなっている。各科目のページ数はガイドラインの小項目数に比例した割合を採用した。ただし,医療安全管理学は項目だてをせずに関係する箇所に適宜配置した。
 本書が大学や専門学校において診療放射線技師を志す学生はもちろんのこと,すでに病院,診療所等で診療放射線業務に従事している診療放射線技師や医療技術者にとって医学全般や基礎放射線科学の参考書として役立つことを期待している。
 発刊にあたり,本書編集にご協力下さったメジカルビュー社のスタッフの方々に深く感謝致します。

2017年6月
首都大学東京 福士政広
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目次

1 診療画像技術学
【小倉 泉】
 1 X線管の構造と機能
 2 X線管の焦点と強度分布
 3 X線管の管電圧-管電流(v-i)特性
 4 X線管の許容負荷
 5 2ピーク形(単相全波整流)装置の構成
 6 2ピーク形装置各部の特徴・特性
 7 2ピーク形装置の計算,自己整流装置
 8 3相装置
 9 コンデンサ式装置
 10 インバータ式装置の概要
 11 インバータ式装置の特性
 12 自動露出機構
 13 イメージインテンシファイア(I.I.)
 14 X線TV装置,画像表示モニタ
 15 DF,DSA,DR装置とデジタルX線画像
 16 CR装置,フラットパネルディテクタ
 17 増感紙,蛍光板,その他の蛍光体,カセッテ
 18 散乱線除去グリッド
 19 X線撮影システム
 (乳房,骨密度測定,断層,拡大)
 20 X線撮影システム
 (歯科用,集団検診用,可搬形)
 21 循環器用X線装置,関連機器
 22 X線CTの構造,線量評価
 23 ヘリカルX線CT,マルチスライスCT
 24 X線CTの画像再構成と性能評価
 25 MRIの構成と検査室
 26 MRIの撮像原理
 27 MRIの特徴と性能評価
 28 超音波画像診断装置
 29 無散瞳眼底写真撮影装置(眼底カメラ)
 30 用語の定義,X線装置の分類・形式・形名
 31 X線発生装置のJIS,X線装置の安全管理
 【長島宏幸】
 32 画像の成立
 33 撮影体位
 34 被ばく線量の低減と防護
 35 X線撮影
 (1)頭部
 (2)脊柱
 (3)胸部
 (4)腹部
 (5)胸郭
 (6)骨盤
 (7)上肢
 (8)下肢
 (9)乳房
 (10)口腔・顎顔面
 (11)断層撮影・拡大撮影
 36 X線造影剤
 37 血管造影
 38 上部消化管造影・注腸造影
 39 泌尿器造影・子宮卵管造影
 40 胆道系造影・その他の造影検査
 41 IVR(インターベンショナルラジオロジー)
 42 X線CT検査
 43 骨塩定量検査
 44 磁気共鳴画像(MRI)診断装置
 45 磁気共鳴画像(MRI)検査
 46 超音波診断装置
 47 超音波検査
 48 無散瞳眼底カメラ
 49 診療放射線技師の役割と義務

2 核医学検査技術学
【福士政広】
 1 核医学検査の心得
 2 放射性医薬品
 (1)シングルフォトン放射性医薬品
 (2)ジェネレータ
 (3)放射性医薬品の標識法
 (4)放射性医薬品の品質管理
 (5)ポジトロン放射性薬剤
 (6)ポジトロン薬剤(18FDG,15O,C15O,C15O2)の品質管理
 (7)放射性医薬品の組織・臓器への集積機序
 (8)放射性医薬品の副作用
 (9)核医学画像のアーチファクト
 3 核医学検査装置
 (1)ガンマカメラ
 (2)コリメータの種類と性能
 (3)Na(I Tl)シンチレータ
 (4)光電子増倍管
 (5)位置計算回路
 (6)エネルギー選別機構
 (7)各種補正機構
 (8)付属機器
 (9)性能評価
 (10)SPECT装置
 (11)SPECT装置のデータ収集法
 (12)SPECT装置の画像再構成法
 (13)SPECT装置の散乱線補正法,吸収補正法,分解能補正法
 (14)SPECT装置の性能試験
 (15)SPECT品質管理
 (16)PET装置
 (17)PET装置の原理とデータ収集法
 (18)PET装置のデータ補正と画像再構成法
 (19)PET装置の性能試験
 (20)試料計測装置
 (21)その他の測定装置
 4 各種機能検査
 (1)機能検査の原理
 (2)各種機能検査
 5 臨床核医学検査
 (1)脳神経系
 (2)内分泌系
 (3)呼吸器系
 (4)循環器系
 (5)消化器系
 (6)泌尿生殖器系
 (7)血液・造血器・リンパ系
 (8)骨・関節系
 (9)腫瘍・炎症系
 6 その他
 (1)核医学検査の順位
 (2)前処置および負荷薬剤
 (3)シンチグラム
 (4)主な核医学検査と放射性医薬品の投与量
 (5)放射性医薬品の投与方法
 (6)核医学検査の重要な基準値
 7 in vitro検査
 8 内用療法

3 放射線治療技術学
【橋本光康】
 1 癌治療学総論
 (1)腫瘍の病理と病期
  ①腫瘍の組織型と分化度
  ②放射線治療における診断
 (2)癌治療指針の基本
  ①癌治療の目的と適応
  ②集学的治療
 (3)癌の予後因子
  ①早期癌と進行癌
  ②患者の全身状態(PS)
  ③病期分類
 【大谷浩樹】
 2 放射線治療機器
 (1)外部放射線治療装置および密封小線源治療装置
  ①コバルト遠隔照射装置
  ②電子直線加速器(リニアック,ライナック)
  ③円形加速器
  ④原子炉
  ⑤定位放射線照射装置
  ⑥密封小線源治療装置
  ⑦温熱療法装置
  ⑧治療計画用装置
  ⑨線量分布改善のための補助具
  ⑩品質管理
【加藤真一】
 3 吸収線量の評価
 (1)外部X線,γ線の線量計算
  ①深部量百分率(PDD)と深部量百分率曲線
  ②組織空中線量比(TAR)と組織最大線量比(TMR)
  ③等線量曲線と線量分布
  ④軸外線量比(OCRまたはOAR)
  ⑤照射野・等価照射野・出力係数
  ⑥外部照射における吸収線量計算
  ⑦線量分布の計算法
  ⑧小線源γ線の線量計算
 4 照射術式
 (1)X線,γ線
  ①SSD法およびSTD法
  ②高エネルギーX線・γ線,高エネルギー電子線
 (2)固定照射
  ①1門照射法
  ②2門照射法
  ③多門照射法
 (3)運動照射
  ①回転照射
  ②振子照射
  ③原体照射
  ④定位放射線照射
  ⑤強度変調放射線治療(IMRT)
  ⑥画像誘導放射線治療(IGRT)
 (4)全身照射法
 (5)重粒子線
  ①重粒子線の特徴
  ②重荷電粒子
  ③π−中間子
  ④中性子
【橋本光康】
 (6)放射性核種
  ①密封小線源治療
  ②非密封核種内照射療法
  ③退出基準
 5 放射線治療学
 (1)正常組織と腫瘍の放射線感受性
  ①正常組織の耐容線量
  ②腫瘍の致死線量
  ③放射線治療可能比
 (2)放射線治療の目的
  ①根治的照射,緩和的照射
  ②緊急照射
 (3)他の治療法との併用
  ①術前・術中・術後照射
  ②化学療法との併用
  ③温熱療法との併用
  ④集学的治療
 (4)放射線治療計画
  ①治療計画の流れ
  ②放射線治療の体積
  ③空間的線量分布
 (5)時間的線量配分
  ①1回線量,総線量,全治療期間
  ②通常分割照射(単純分割照射)
  ③多分割照射
  ④少(寡)分割照射
  ⑤生物学的等価線量
 (6)各種臓器腫瘍の放射線治療
  ①脳・脊髄・眼
  ②頭頸部
  ③肺・縦隔
  ④消化器
  ⑤泌尿器
  ⑥女性生殖器
  ⑦皮膚
  ⑧乳腺
  ⑨骨・軟部組織
  ⑩造血器・リンパ系組織
  ⑪転移性腫瘍
  ⑫小児癌
  ⑬良性疾患
 (7)有害事象(副作用・障害)
  ①急性反応
  ②晩期反応(晩期障害)
  ③後期反応
  ④直列臓器,並列臓器
 (8)記録,評価
  ①照射の記録
  ②吸収線量の統一と評価

4 医用画像情報学
【関根紀夫・小柏 進】
 1 情報の表現
 2 論理回路
 3 医用画像の基礎
 4 コンピュータの基礎
 5 アナログ画像
 (1)増感紙フィルムシステム
 (2)センシトメトリ
 6 デジタル画像
 (1)画素,画像データ量
 (2)画像の標本化・量子化
 (3)空間周波数とフーリエ変換
 (4)画像作成
 (CR:computed radiography)
 7 画像処理
 (1)階調処理
 (2)周波数処理
 (3)データ圧縮
 (4)画像間演算
 (5)3次元表示
 (6)コンピュータ支援診断(CAD)
 8 画像評価
 (1)画像因子と評価方法
 (2)入出力特性
 (3)解像特性
 (4)雑音特性
 (5)DQE,NEQ
 (6)信号検出理論
 (7) ROC
 9 医療情報
 (1)基本事項
 (2)システム
 (3)品質管理

5 放射線安全管理学
【杉野雅人】
 1 診療放射線技師法
 2 医療法施行規則
 3 健康診断
 4 放射線防護体系
 5 放射線防護に用いられる諸量
 6 放射線被ばくの種類と防護
 7 放射線被ばくの特徴
 8 外部被ばく測定
 9 内部被ばく測定
 10 施設・環境測定
 11 放射線取り扱い施設の管理
 12 線源管理
 13 表面汚染管理
 14 放射性廃棄物
 15 放射線事故
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