新生児先天性横隔膜ヘルニア(CDH)診療ガイドライン

新生児先天性横隔膜ヘルニア(CDH)診療ガイドライン

■編集 新生児先天性横隔膜ヘルニア研究グループ

定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
  • B5判  116ページ  2色
  • 2016年3月17日刊行
  • ISBN978-4-7583-1731-3

新生児科医・小児外科医必携。新生児先天性横隔膜ヘルニア診療ガイドライン

先天性横隔膜ヘルニア(CDH)は小児慢性特定疾患に指定され,小児外科医が診療に難渋する疾患である。年間発症例数も少なく,その希少性から診療エビデンスが乏しい疾患でもある。
本ガイドラインは可能な限り客観的かつ透明性の高いものを目指し,現時点の臨床現場の需要に即したクリニカルクエスチョンを掲げ,推奨度を示している。小児外科医必携ガイドラインである。


序文

 新生児期に発症する先天性横隔膜ヘルニアは,わが国での年間発症例数が200例に満たないいわゆる希少疾患のひとつである。出生前診断に加えて,さまざまな治療法の進歩により最近では救命率も格段に向上しているが,一部には現在も救命困難な最重症例が確実に存在する。また,たとえ救命できても後遺症や合併症に悩まされる症例も数多く,2015年1月からは小児慢性特定疾患にも指定された。
 近年,臨床における多くの領域で診療ガイドラインの整備が急速に進んでいる。その背景にはこれまで臨床現場で経験のみに基づいて行われてきた診療を見直して,エビデンスに基づいて標準化すべきであるという国内外の認識の高まりがあるように思われる。これによって,医療者は患者にとって適正な診療を提供することが可能となるだけでなく,標準的あるいは先進的治療を取り入れて治療成績を向上させられるのに加え,軽症例に対する過剰な治療を回避することで医療経済の効率化を図ることもできるようになるからである。
 先天性横隔膜ヘルニアはその疾患の希少性からエビデンスに乏しい疾患といえる。一般に,希少疾患のガイドラインを作成する場合,エビデンスレベルの高い論文がわずかしかないため,ともすると治療経験に基づいた「専門科の意見」に頼りがちになる。しかし,本ガイドラインでは,Mindsによる「診療ガイドライン作成の手引き」に準拠し,可能な限り客観的かつ透明性の高いガイドライン作成を目指した。また,あえて網羅的ではなく,臨床現場の需要に即したクリニカルクエスチョンを掲げることを基本方針とした。結果としてクリニカルクエスチョンに対する推奨のエビデンスレベルはすべて「D(とても弱い)」となり,推奨度も「弱い」が多数を占めたが,これは裏返せば,臨床現場の疑問にできるだけ客観的かつ真摯に答えようとした結果とご理解いただきたい。本ガイドラインで取り上げられた論文の多くは欧米からのものであるが,改訂が予定される5年後には,是非わが国からも多数のエビデンスレベルの高い論文が発表されていることを期待したい。
 最後に,本ガイドラインの作成にあたっては,臨床の現場で働く若い先生方,図書館員の先生の多大な貢献があったことを記し,改めて深謝申しあげたい。

2015年9月
新生児先天性横隔膜ヘルニア診療ガイドライン
作成事務局 臼井規朗
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目次

 序
 ガイドラインサマリー
 診療アルゴリズム
 用語・略語一覧

I.作成組織・作成方針
 作成組織
 作成経過

II.SCOPE
 疾患トピックの基本的特徴
 SCOPE

III.推奨
 CQ1 新生児CDHの蘇生処置において留意すべき点は何か?
 CQ2-1 新生児CDHの予後改善を考慮した場合,gentle ventilationは有効か?
 CQ2-2 新生児CDHの予後改善を考慮した場合,HFVは有用か?
 CQ3 肺高血圧のある新生児CDHの予後改善のためにNO吸入療法は有効か?
 CQ4 新生児CDHの予後改善を考慮した結果,肺サーファクタントは有効か?
 CQ5 新生児CDHの予後改善を考慮した場合,全身性ステロイド投与は有用か?
 CQ6 重症肺高血圧のある新生児CDHの予後を考慮した場合,最適な肺血管拡張薬は何か?
 CQ7 新生児CDHの予後改善のためにECMOは有効か?
 CQ8 新生児CDHの予後を考慮した場合,最適な手術時期はいつか?
 CQ9 新生児CDHの予後を考慮した場合,内視鏡外科手術は有効か?
 CQ10 新生児CDHの長期的な合併症にはどのようなものがあるか?

IV.参考資料
 エビデンス評価の方法
 推奨の強さの判定
 引用文献リスト
 外部評価のまとめ
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