産科医ならマスターしたい

子宮頸管縫縮術

子宮頸管縫縮術

■編集 大槻 克文

定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
  • i_dvd.jpg
  • B5判  176ページ  オールカラー,イラスト50点,写真100点,DVD-Video付き
  • 2020年3月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-1763-4

ここが知りたかった! 頸管縫縮術を安全に施行するための手技・注意点を理解できる一冊!

子宮頸管無力症に対する頸管縫縮術を安全に施行するために,一般産科医でも習得しておきたい知識に重点を置き,詳細に記載した初めての書籍。
どのレベルの施設でも行う可能性がある産科の基本手技ではあるが,一人で実施することが多いため技術の伝達が難しいとされてきた手技の手順や注意点などを,付録DVDで視覚的に学ぶことができる。


序文

 頸管縫縮術は,1955年にインドの産婦人科医であるShirodkar氏が流産を繰り返す症例に対して考案したことから始まります。当時は月経困難症や不妊症といった症例に頸管切開が実施されており,その後の頸管無力症・習慣流産の治療法として考案された経緯があります。その数年後にはオーストラリアのMcDonald氏が流早産歴を有する患者に対して同様の術式を考案されました。
 その後,さまざまな工夫・改良がなされ,70年余りが経過した現在では広く普及しており,近年では妊娠中期の流産または早産の既往を有し頸管無力症と診断される症例や,円錐切除を行った症例などを対象として予防的頸管縫縮術が行われています。一方で,頸管長短縮例,内診で頸管の開大が明らかな状態や,胎胞が視認される状態に対しては治療的頸管縫縮術が行われるようになっています。
 頸管縫縮術の適応と有用性に関する論議はいまだ決着をみていませんが,頸管縫縮術は日常診療のなかで早産ハイリスク症例に対する方策の一つとして,産科医なら身につけておきたい手技です。しかしながら,昨今では対象症例が少ないのと同時に,現状では実施可能な施設が減少してきています。
 そのような状況を危惧し,後期研修医のみならず専門医以上の先生にもその手術の指針となることを願い,本書を編纂いたしました。少しでも日常診療の手助けとなることを,早産ハイリスク患者さんの選択肢の幅を広げ,一人でも多くの生児が得られることを切に願っています。
 なお,手術画像や動画などを可能な限り多く掲載しましたが,鮮明でない場面があることは術野の狭さに免じてお許しいただけましたら幸いです。

2020年3月
昭和大学江東豊洲病院産婦人科教授
大槻 克文
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目次

Ⅰ 頸管縫縮術の基礎
 適応を決定するまで
  詳細な問診と現状所見の把握
  診断に際しての鑑別疾患とその対応
  推奨しない所見
 使用する器具の選択
  使用する器具
  感染の対策
  抜糸
 インフォームドコンセント・想定されるリスクと対応
  インフォームドコンセント
  想定されるリスクと対応
 子宮頸部の解剖
  子宮頸部
  子宮頸部への血流

Ⅱ 基本的術式(腟式手術)
 頸管把持のコツ
  頸管把持のコツ
  通常の子宮頸管把持
  子宮腟部の腟腔への突出が少ない等で把持が困難な場合
 術野の展開
  術野の展開
  通常の手技
  腟腔が狭い場合
 McDonald 法
  予防的頸管縫縮術と治療的頸管縫縮術
  Shirodkar 法とMcDonald 法
  予防的頸管縫縮術の適応
  予防的頸管縫縮術の施行時期
  予防的頸管縫縮術の実際
  合併症
 Shirodkar 法①
  頸管縫縮術の適応と術式の選択
  予防的頸管縫縮術の適応と術式
  予防的頸管縫縮術:実際の方法
  治療的頸管縫縮術の適応と術式
  手術に伴う合併症とその安全対策
  術前の安全対策
  術中の安全対策
  術後の安全対策
  「適応」と「術式の選択」を適切に行う
 Shirodkar 法②
  術前評価
  予防的頸管縫縮術:実際の方法
  術後管理
  緊急(治療的)頸管縫縮術の場合との相違点
 抜糸方法
  抜糸のタイミング
  抜糸の実際
  抜糸に伴う偶発合併症

Ⅲ 腹腔鏡手術
 腹腔鏡下子宮峡部頸管縫縮術
  適応
  術前管理
  手術概要
  手術手順
  術後管理
  諸外国およびわが国の現状

Ⅳ 腹式手術
 経腹的子宮頸管縫縮術
  経腹的子宮頸管縫縮術(TAC)とは
  TAC の適応と禁忌
  TAC 施行の時期
  TAC 施行前の評価
  使用する縫縮糸
  実際の方法
  術後の管理
  TAC 後の妊娠管理
  TAC 後帝王切開

Ⅴ アドバンス症例
 円錐切除後(頸管短縮例)
  頸管短縮例での把持鉗子の選択
  手術手技
 広汎性子宮頸部摘出術時の頸管縫縮術
  広汎性子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)と“neo-cervix”再建術
  広汎性子宮頸部摘出術の概要
  広汎性子宮頸部摘出術の術中頸管縫縮術
  筆者らの広汎性子宮頸部摘出術後妊娠の周産期予後
  広汎性子宮頸部摘出術の施行にあたって
 胎胞形成例での対応
  胎胞形成例での頸管縫縮術の困難さ
  手術実施の適応とタイミング
  術式の選択
  手術の実際
  術後管理
  抜糸
 頸管欠損症例での対応
  頸管欠損症例に対する頸管縫縮術の適応とアプローチ
  経腟アプローチによる対応
  経腹アプローチによる子宮頸管(峡部)縫縮術
  TACの適応
  手技の実際
  頸管欠損症例への対応で留意すべき点
  早産ハイリスク症例に対する経腟的腹膜開放式頸管縫縮術
  管理方法
  頸管縫縮術施行に際して考慮すべき点

Ⅵ 合併症・予後
 子宮仮性動脈瘤
  診断
  治療

Ⅶ 婦人科手術を実施する立場から
 子宮頸管温存例への注意点や考え方 -頸管縫縮術の必要性や術式を検討するために-
  子宮頸部,内子宮口の解剖
  子宮頸部円錐切除術
  広汎性子宮頸部摘出術
  子宮頸管縫縮術前後の手術操作について
  考察:子宮頸部円錐切除術と早産,予防的頸管縫縮術
  考察:広汎性子宮頸部摘出術における予防的頸管縫縮術
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