誰も教えてくれなかった婦人科がん薬物療法

改訂第2版

誰も教えてくれなかった婦人科がん薬物療法

■編集 勝俣 範之

定価 4,950円(税込) (本体4,500円+税)
  • B5判  196ページ  2色
  • 2020年5月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1809-9

パワーアップした紙面で,治療をさらに強力にバックアップ!

新しい知見やガイドラインに合わせて,最新のがん治療薬の投与法を解説。支持療法薬,疼痛治療薬の使い方も更新。肉腫のレジメンも詳解。免疫チェックポイント阻害薬の副作用への対処法もわかる。「トラブルシューティング」には知りたかった最新の話題が盛りだくさん。パワーアップした紙面で,治療をさらに強力にバックアップ!


序文

改訂第2版 序文

 おかげさまで、「誰も教えてくれなかった婦人科がん薬物療法」も改訂版を出すことになった。今回の改訂版では、オラパリブ、平滑筋肉腫の化学療法、MSI-high腫瘍に対するペムブロリズマブについて追記がなされた。また、各種レジメンや支持療法、緩和医療の項でも内容のアップデートがなされている。緩和医療の項では、今後、日本でも重要課題として取り組んでいくべき内容であるアドバンス・ケア・プランニングについても解説していただいた。婦人科がんでは、まだ免疫チェックポイント阻害薬は標準治療にはなっていないが、MSI-high腫瘍に対してのペムブロリズマブやその副作用対策については知っておく必要がある。
 本書は、婦人科がんに携わる婦人科医師だけでなく、腫瘍内科医、薬剤師、看護師、そのほかのメディカルスタッフの方々にも是非手に取ってほしい。単に薬物療法だけをすればよいのではなく、副作用対策である支持療法、また、緩和医療までしっかりとできる医療スタッフだけが、薬物療法をする資格があるものと思っている。是非、薬物療法のページだけでなく、支持療法、緩和医療のページもしっかりと読んでマスターしてほしいと思う。
 この書に記載した薬物療法は、胚細胞性腫瘍のBEP療法を含めて、ほぼすべて外来通院治療が可能である。婦人科がんの薬物療法をいまだに入院をしている施設もあると聞く。患者さんのQOL(生活の質)を最大限に生かすため、できるだけ外来治療に移行してほしい。
 本書が、婦人科がん化学療法を行おうとする医療者に一人でも多く手にとってもらえることを願っている。

2020 年3 月
日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科 教授
勝俣範之
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目次

はじめに− 抗がん剤を「効果的に」使うための8か条
 抗がん剤治療を始めてよい患者を見極めよう  門倉玄武/勝俣範之
 抗がん剤の目的は何か?
 予定している抗がん剤は標準治療か?
 Shared decision making(SDM)を実践しよう
 投与量を厳守せよ! 安易な減量はすべからず  松本光史
 このまま続けて大丈夫? ベネフィットとリスクを見極めよう
 副作用をうまく抑えよう
 緩和医療も一緒に始めよう
  
Ⅰ 標準レジメンを投与せよ!(単位はすべてmg/m2)
■卵巣がん
 【初回治療・プラチナ感受性再発】
  パクリタキセル175+カルボプラチンAUC6(triweekly TC療法)±ベバシズマブ  温泉川真由
 【初回治療】
  dose-dense TC療法  山中康弘
  ドセタキセル75+カルボプラチンAUC5療法  田畑 務
 【プラチナ感受性再発】
  カルボプラチンAUC5+リポソーム化ドキソルビシン(PLD)30(PLDC療法)  竹井裕二/藤原寛行
  カルボプラチンAUC4+ゲムシタビン1,000(GC療法)   竹井裕二/藤原寛行
 【プラチナ抵抗性再発】
  リポソーム化ドキソルビシン(PLD)40-50±ベバシズマブ療法  田畑 務
  イリノテカン100単剤療法  高野忠夫
  ゲムシタビン1,000単剤療法  高野忠夫
  ノギテカン1.25-1.5±ベバシズマブ療法  野村弘行/青木大輔
  経口エトポシド療法  野村弘行/青木大輔
 【初回治療後・プラチナ感受性再発の維持療法】
  オラパリブ単剤療法  伊藤亮治
■卵巣胚細胞腫瘍
  BEP療法  河野 勤/川端志津
  TIP療法  河野 勤/川端志津
■子宮頸がん
 【Ⅲ /ⅣA期】
  シスプラチン40weekly+放射線療法  武隈宗孝
 【ⅣB期・再発】
  パクリタキセル135 24時間持続+シスプラチン50(TP療法)±ベバシズマブ  喜多川 亮
  パクリタキセル175+カルボプラチンAUC5(TC療法)  西村貞子
  イリノテカン100単剤療法  西村貞子
■子宮体がん
 【進行・再発】
  ドキソルビシン60+シスプラチン50(AP療法)  松元 隆
  パクリキセル175+カルボプラチンAUC5(TC療法)  大原 樹/鈴木 直
  ドセタキセル70単剤療法  大原 樹/鈴木 直
  メドロキシプロゲステロン200mg/日(MPA療法)  田部 宏
■子宮平滑筋肉腫
  ドキソルビシン75単剤療法  安藤正志
  トラベクテジン単剤療法  友松純一
  パゾパニブ単剤療法  西澤正俊
  ゲムシタビン900+ドセタキセル70療法  安藤正志
  エリブリン1.4 単剤療法  西川忠曉
■MSI-High腫瘍
  ペムブロリズマブ療法  佐藤千尋/川上尚人
■ハイリスク絨毛性腫瘍
  EMA/CO療法  土井美帆子
  EMA/EP療法  土井美帆子
  
Ⅱ こんなときどうする! トラブルシューティング
 患者から1サイクル目から外来化学療法を希望されたらどうする?(入院でするか、外来でするか?)  松田正典
 化学療法開始後、好中球数400/ μLになった。G-CSFを投与するか?  酒井 瞳
 患者から「化学療法中、生ものを避けたほうがよいかどうか?」と聞かれた。 その答えは?  酒井 瞳

■卵巣がん
 Stage ⅢC(広範囲腹膜播種)、初回手術不能、化学療法dose-dense TC 6サイクル施行。PRとなり、手術可能となり、子宮全摘、付属器切除、大網切除、リンパ節郭清施行。腹腔内残存腫瘍は1cm以下にはできたが、横隔膜下腹膜播種はわずかに残存した。CA125は化学療法後100台、術後さらに低下し、50台になった。今後治療をどうするか? 家族歴なし、BRCA:陰性であった。(追加化学療法する? 経過観察?)  原野謙一
 Stage ⅢC(腹膜播種)、初回手術、化学療法(TC 6サイクル)施行、経過観察中。最終化学療法から8カ月経過、CA125が徐々に上昇。正常値(<35)だったが、CA125が先月50、今月は70に上昇、CTスキャンでは再発なし。どうするか?(化学療法開始する? しない?)  原野謙一
 プラチナ感受性再発。レジメンがいくつかあるが、どう選択する?  温泉川真由
 プラチナ抵抗性再発。レジメンがいくつかあるが、どう選択する?  温泉川真由
■子宮頸がん
 Stage ⅣB期(大動脈・鎖骨上リンパ節転移)。局所は4cm大の腫瘤形成し少量の不正出血がある。初回治療として何を行う? 放射線治療? 化学放射線治療? 化学療法?  喜多川 亮
■子宮体がん
 Stage ⅠC期、Grade 1術後補助療法なし。2年後、多発性肺転移にて再発。症状なし。 初回治療はどうする? ホルモン治療? 化学療法?  田部 宏
  
III 副作用をうまく抑えよう!
 フローチャートで対処法がすぐわかる
 発熱性好中球減少症  松田正典
 婦人科がん化学療法時の制吐薬の使い方  湊川紘子/宮田広樹
 アレルギー(主にカルボプラチン)  此松晶子
 末梢神経障害(主にパクリタキセル)  小野寺恵子
 爪障害(主にドセタキセル)  小野寺恵子
 手足症候群(主にリポソーム化ドキソルビシン)  輪湖哲也
 下痢(主にイリノテカン)  勝俣範之/宮田広樹
 高血圧・尿蛋白(ベバシズマブ)  伊勢雄也
 腎障害(主にシスプラチンなど)  此松晶子
 脱毛  小野寺恵子
 免疫チェックポイント阻害薬の副作用とその対策  秦 明登
  
Ⅳ 緩和医療を一緒に始めよう!
 緩和ケア、アドバンス・ケア・プランニングをいつ始めるのがよいか? どうやってやるのか?  西 智弘
 適切なインフォームド・コンセントはどのようにしたらよいのでしょうか? 「抗がん剤と緩和ケアどちらにするか、次までに考えてきてください」と“ICする”のは適切なのでしょうか?  佐藤恵子
 余命告知は実際どのようにするのがよいのでしょうか?  大谷弘行
 「私はあとどれくらいですか」と聞かれたら、何と答えたらよいでしょうか?  佐藤恵子
 再発卵巣がんの治療の止め時は?  土井美帆子
 再発子宮頸がん・子宮体がんの治療の止め時は?  西尾 真
 腹腔内転移による腸閉塞はどのように対応したらよいのでしょうか?  藤村正樹
 再発がん患者さんのご家族へどう対応したらよいのでしょうか?  藤原佳美
 チーム医療はどうやってやったらよいのでしょうか?
 鎮痛薬の使い方  梶浦新也
  
付録 障害年金診断書の書き方  勝俣範之
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