脳腫瘍外科 経験したい手術16

スタンダードからアドバンス

脳腫瘍外科 経験したい手術16

■編集 中尾 直之
井川 房夫

定価 16,500円(税込) (本体15,000円+税)
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  • A4判  364ページ  オールカラー,イラスト200点,写真200点
  • 2019年3月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-1850-1

これから脳腫瘍外科をめざす医師必携の書籍

脳神経外科専門医を目指す医師が経験すべき主な脳腫瘍を取り上げ,それらの腫瘍に対する手術手技を,イラスト・写真を用いて丁寧に解説。テクニックをステップアップさせるためのポイント,初心者が陥りやすいピットフォールにも適宜ふれている。また手術手技だけではなく,脳腫瘍手術には欠かせない電気生理学的モニタリング,ニューロナビゲーションシステム,さらに手術シミュレーションなどについても解説し,これから専門医を目指す医師,また若手の脳神経外科医が手術に臨もうとする際に困らないための知識が得られる書籍である。


序文

 脳腫瘍手術の理想的なゴールは言うまでもなく正常な脳神経機能を損なわず腫瘍を全摘出もしくは最大限摘出することである。この目標を達成するためには,的確な手術戦略を立て,手術の局面に応じた精度と安全性の高い手技を実践する必要がある。術野展開,止血,腫瘍の内減圧,剥離操作などの手術テクニックの難度は,腫瘍の種類,形態,硬度や腫瘍内血管の多寡,局在,重要構造物との位置関係やその巻き込みの程度により千差万別である。個々の手技自体も実際に術者となって見て,触れて,体験しないとその感触がなかなかつかめず,その習得は経験知の蓄積に依存するところが大きい。したがって,手術書の大きな役割は,エキスパートの豊富な経験則に基づくコツ・ノウハウといった『暗黙知』をできるだけ言語化・イラスト化して『形式知』として後進に伝授することにあると言える。
 本書では,まず脳腫瘍の分類と疫学から始まり,インフォームド・コンセントと術前準備から術中モニタリングや脳腫瘍手術の基本テクニックに至るいわゆる総論部分が続く。そして,手術の実際として,頭蓋内に発生する各種腫瘍性病変をほぼカバーできる手術テクニックとアプローチが豊富なイラストとともに解説されている。さらに,小児脳腫瘍の周術期管理や化学療法も取り上げられており,本書は『脳腫瘍外科 経験したい手術16』と銘打ってはいるが,全体として脳腫瘍治療に関する包括的な内容となっている。
 各章を執筆いただいた先生方はその領域の百戦練磨の達人であり,本書はそのエキスパートの経験に基づいた手術戦略・戦術のエッセンスの集大成とも言える。これから脳腫瘍の外科領域に踏み出そうと考えている若手の先生方は脳腫瘍の各種手術の導入ガイドとして,また脳腫瘍外科を専門として日夜脳腫瘍と闘っておられる新進気鋭の先生方には既に実践している手技の確認やこれから挑戦しようとする手術アプローチの習熟に本書を活用していただければ幸いである。
 最後に,本書に素晴らしい内容の原稿を執筆いただいた著者諸氏,本書の発案と編集作業にご尽力いただいた井川房夫先生,本書の発刊にご協力をお願いしたメジカルビュー社の安原範生氏に心より敬意を表する。

2019年3月
和歌山県立医科大学 脳神経外科
教授 中尾 直之
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目次

Ⅰ 基礎知識
 WHO脳腫瘍分類   小森隆司
 脳腫瘍の疫学と治療成績   成田善孝
 インフォームド・コンセント   森田明夫

Ⅱ 脳腫瘍手術の基礎と手術計画
 画像評価と手術シミュレーション   中冨浩文,庄野直之,金 太一
 脳腫瘍手術の術中モニタリング   佐々木達也,林 俊哲
 ナビゲーションの活用   荒川芳輝
 基本手技   長谷川光広
 神経内視鏡:セットアップと基本テクニック  天野耕作,川俣貴一

Ⅲ 手術の実際
[テント上浅部腫瘍]
 円蓋部および傍矢状洞髄膜腫   大宅宗一
 大脳鎌髄膜腫  安原隆雄,伊達 勲
[テント上深部腫瘍]
 三角部髄膜腫   田宮 隆
 側脳室腫瘍:内視鏡手術   村井尚之
 側悩室腫瘍:開頭手術   久須美真理,岡 秀宏
 松果体部腫瘍   秋山恭彦
[テント下腫瘍]
 第四脳室腫瘍  藍原康雄,千葉謙太郎,川俣貴一
 小脳橋角部腫瘍   甲村英二
[頭蓋底部腫瘍]
 前頭蓋底部腫瘍:Transbasal approach   岩味健一郎,齋藤 清
 前頭蓋底部腫瘍:経鼻内視鏡手術   谷口理章
 傍鞍部腫瘍:開頭手術   中尾直之
 傍鞍部腫瘍:経鼻内視鏡手術   石井雄道
 中頭蓋窩・錐体斜台部腫瘍:Anterior transpetrosal approach  吉田一成
 中頭蓋窩・錐体斜台部腫瘍:Combined transpetrosal approach   光原崇文,井川房夫,栗 薫
[グリオーマ]
 High grade glioma   藤井正純
 Low grade glioma   隈部俊宏

Ⅳ その他
 小児脳腫瘍の周術期管理  高安武志,栗 薫
 化学療法   中村英夫
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