統合と解釈のための

小児リハ評価ガイド

小児リハ評価ガイド

■編集 楠本 泰士

■編集協力 友利 幸之介

定価 5,940円(税込) (本体5,400円+税)
  • B5判  432ページ  2色,イラスト300点,写真200点
  • 2019年9月30日刊行
  • ISBN978-4-7583-1948-5

小児リハに必要な評価法を症例を通して実践的に学ぼう!

理学療法・作業療法における小児のリハビリテーションに関連する約70点の評価法を紹介。イラストや写真により視覚的にイメージしながら学ぶことができる。さらに約40症例を通して現場での使用法を示し,実践にあたって必要な動作や認知の評価も学ぶことができる。


序文

 1990 年代にエビデンスに基づいた医療(Evidence Based Medicine:EBM)の重要性が叫ばれてから,四半世紀が経ちます。小児に関わる医療・福祉分野で働かれている皆さんは,情熱や熱い想いをもち,自ら進んで小児現場で働く方がほとんどです。これは今も昔も変わらず,日々の臨床で創意工夫がされています。しかし,その素晴らしい臨床での取り組みは成果として発表されていないことも多く,論文化されている情報に至っては数百分の一程度なのではないでしょうか。いい仕事をしても論文を書かなければ,皆さんがつくり出しているエビデンスは患者さんのもとに届くことはないのです。筆者自身がそうであったように,臨床研究のゴールが学会発表になっている方が多くいます。しかし,学会発表の情報は記録として内容の一部が残りますが,エビデンスは記録として残りません。
 さまざまな評価が患者さんへの説明ツールとして,治療の効果判定として,エビデンス構築のための手段として使用されています。EBM の実践には評価の理解と実施が欠かせません。先人たちから伝えられてきた伝統や習慣,個人的な経験に沿ったケアや治療が実施されていることに,常に疑問をもって取り組む必要があるのではないでしょうか。そういった関わりこそ効果判定をすべきで,しっかりと患者さんに介入効果を説明すべきです。 日々の臨床の積み重ねが臨床研究になるという経験や臨床研究をしたくても学ぶ機会が少ないことが,多くの地域,職場でみられるのが現状です。本書は,しっかりと臨床評価をしたいという方,これから学会発表をしたいという方,研究論文を書きたいという方に向けて,編集しました。執筆陣は実際に評価を使用し,ご活躍している方々です。
 本書は第1 章で評価の特性や重要性を概説し,第2 章では国内外で使用されている有用な評価を厳選し,ICF ごとに掲載しました。第3 章ではそれらを用いての症例検討や臨床推論の例を示すことで,読者が各評価の理解を深められるように構成しました。 本書が皆さんの臨床疑問を紐解く手立てとなれば幸いです。

2019 年9 月
楠本泰士
友利幸之介
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目次

第1章 小児リハビリテーション評価学総論
  1 小児のリハビリテーション評価学と研究法(質的データと量的データ)
  2 評価尺度の特性 信頼性・妥当性・反応性
  3 小児リハ評価におけるICF-F-wordsとコアセットの紹介
  
第2章 評価方法の実際
 【1】 健康状態
  1 超重症児スコア 医療的ケアの要求度を評価しよう
  2 GMFCS 脳性麻痺児の粗大運動を評価しよう
  3 MACS 脳性麻痺児の手指操作能力を評価しよう
  4 CFCS 脳性麻痺児・者のコミュニケーション能力を分類しよう
  5 EDACS 脳性麻痺児・者の摂食・嚥下能力を分類しよう
 【2】心身機能・身体構造
  1 GMs 新生児・乳児の自発運動を評価しよう
  2 NBAS 新生児の行動を評価しよう
  3 Dubowitzの新生児神経学的評価法 新生児の神経学的特徴を把握しよう
  4 栄養状態 リハの前に栄養評価をしよう
  5 X線画像評価 X線画像で角度や距離を測定しよう
  6 四肢長周径・アーチ高率 形態そのものを評価しよう
  7 Cobb角 脊柱側弯の程度を評価しよう
  8 呼吸 呼吸の状態を評価しよう
  9 WISC-Ⅳ 全般的な知的能力を評価しよう
  10 RCPM 簡単に非言語的知能を評価しよう
  11 眼球運動機能 眼球運動を評価しよう
  12 固有感覚 固有感覚を評価しよう
  13 前庭感覚 前庭感覚を評価しよう
  14 WAVES 視覚のスキルを評価しよう
  15 疼痛:NRS,FPS-R,PPP 痛みの強度を評価しよう
  16 ROM 下肢関節可動域を計測しよう
  17 SCALE 随意運動の制御を評価しよう
  18 MTS,MAS 痙縮と筋緊張を評価しよう
  19 筋長検査 筋の長さを評価しよう
  20 アライメント評価 背臥位,座位,立位のアライメントを評価しよう
  21 MMT,HHD,筋厚計測 筋力を評価しよう
  22 PBS,ECAB バランス能力を評価しよう
  23 遠城寺式乳幼児分析的発達検査 乳幼児の発達を評価しよう
  24 正常運動発達(粗大運動) 粗大運動を定性的に評価しよう
  25 定型運動発達(巧緻運動) 巧緻運動を評価しよう
  26 認知・言語の評価 認知と言語の発達を評価しよう
  27 JMAP 認知,言語,感覚運動を評価しよう
  28 JPAN感覚処理・行為機能検査 感覚統合機能,行為機能を評価しよう
 【3】 活動
  1 食事,更衣 食事,更衣を観察から評価しよう
  2 書字 書字の能力を評価しよう
  3 FTSST,LSUT,1RMSTS 機能的な筋力測定をしよう
  4 GMFM 脳性麻痺児の粗大運動能力を評価しよう
  5 TUG 歩行機能とバランス能力を評価しよう
  6 1MWT,6MWT,10mWT 歩行能力を評価しよう
  7 PCI 歩行効率を評価しよう
  8 BBT 手指の粗大な器用さを評価しよう
  9 ABILOCO-Kids 脳性麻痺児の歩行遂行能力を評価しよう
  10 FMS 日常生活の移動能力を評価しよう
  11 Rodda分類,EVGS 脳性麻痺児の歩行パターンを評価しよう
  12 GPS 歩容を数値化しよう
 【4】参加
  1 COPM 作業の遂行度と満足度を評価しよう
  2 ADOC-S 作業選択して,支援計画をつくろう
  3 GAS 目標の達成度をアウトカムとして用いよう
  4 Vineland-Ⅱ 適応行動尺度
 【5】環境因子
  1 在宅生活評価 住環境と生活を考えよう
  2 PNPS 親の療育行動を評価しよう
  3 MPOC 家族の思いを評価しよう
  4 足底挿板,短下肢装具の評価 装具作製前に身体の評価をしよう
  5 車椅子の評価 車椅子選択のために総合的な評価をしよう
  6 座位保持装置 座位保持能力に見合った補助装置を選定しよう
 【6】個人因子
  1 ACIS コミュニケーションと交流技能を評価しよう
  2 CBCL 問題行動を評価しよう
  3 SDQ 児の得意,不得意を把握しよう
  4 PVQ 児の意志を確認しよう
  5 COSA 作業を自己評価してもらおう
 【7】総合的な評価
  1 PEM-CY 日常活動への参加を評価しよう
  2 PEDI 日常生活における機能的技能と自立度を評価しよう
  3 LIFE 重症心身障害児・者の生活機能を評価しよう

第3章 症例検討
 【1】 低出生体重児
  1 低出生体重児(新生児期)
  2 極低出生体重児
 【2】脳性麻痺
  1 幼児期 GMFCSレベル Ⅰ
  2 成人期 GMFCSレベル Ⅰ
  3 学童期 GMFCSレベル Ⅱ
  4 幼児期 GMFCSレベル Ⅱ
  5 学童期 GMFCSレベル Ⅲ
  6 成人期 GMFCSレベル Ⅲ
  7 学童期 GMFCSレベル Ⅳ
  8 学童期 GMFCSレベル Ⅴ
  9 学童期 GMFCSレベル Ⅴ
  10 成人期 GMFCSレベル Ⅴ
  11 学童期 GMFCSレベル Ⅲ
  12 学童期 GMFCSレベル Ⅲ
 【3】二分脊椎
  1 幼児期
  2 成人期
 【4】筋ジストロフィー
  1 幼児期 福山型
 【5】発達障害
  1 自閉症スペクトラム障害(ASD)
  2 自閉症スペクトラム障害(ASD)
  3 学習障害(LD)
  4 学習障害(LD)
  5 注意欠如・多動性障害(ADHD)
  6 注意欠如・多動性障害(ADHD)
  7 重度知的能力障害
  8 発達障害
  9 自閉症スペクトラム障害(ASD)
  10 発達性協調運動障害(DCD)
 【6】ダウン症
  1 乳児期
  2 学童期
 【7】観血整復術前後の評価と治療
  1 脊柱側弯症に対する体幹周囲筋解離術後
  2 股関節選択的筋解離術・ 観血整復術・大腿骨減捻内反骨切り術後
  3 尖足に対するアキレス腱延長術後
  4 選択的脊髄後根切断術後
  5 体幹へのボトックス症例
  6 下腿へのボトックス症例
  
  付録
  1 整形外科手術
  2 選択的脊髄後根切断術
  3 ボトックス
  4 関係法規
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