前庭障害に対するリハビリテーション

EBMに即した実践アプローチ

前庭障害に対するリハビリテーション

■編集 伏木 宏彰
加茂 智彦

定価 5,940円(税込) (本体5,400円+税)
  • B5判  288ページ  2色,イラスト100点,写真100点
  • 2019年10月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-2022-1

前庭障害に対するリハビリテーションの全貌がこの1冊に!

解剖生理,各疾患,検査,リハビリテーション,症例紹介を網羅し,前庭障害に対するリハビリテーションの全貌をまとめた1冊。エビデンスが明確なリハビリテーションを豊富なイラストと写真で視覚的に解説。また症例紹介を多く設けて,実際の重心動揺検査の結果などのデータも示した実践的書籍。


序文

 前庭リハビリテーションは,米国では理学療法の専門分野の一つとして確立しており,多くの臨床現場で実施されています。一方,わが国において理学療法士の卒前・卒後教育,臨床の現場において,前庭の解剖生理や前庭リハビリテーションに関して接する機会はほとんどないと思われます。めまいに苦しむ患者は多数存在し,理学療法中にめまいやふらつきを訴える患者がいても,なんとなく流してしまっている方が多いのではないでしょうか?
 私たちの施設では医師と理学療法士の協働による前庭リハビリテーションを先駆的に提供しています。海外からの外部講師や当院のスタッフによる理学療法士への講習を通して前庭リハビリテーションに対する理解を深めてきました。また,前庭リハビリテーションにおいて世界のトップリーダーの一人であるピッツバーグ大学のSusan Whitney 教授(理学療法士)やシカゴ・Dizzinessand Hearingで前庭リハビリテーションを行ってきたBart Tulick氏(理学療法士)に定期的に指導を受け,最先端の知識・技術をアップデートしています。本書は臨床と同様,多職種により執筆されています。前庭リハビリテーションを理解するために必要な解剖・生理学をめまい相談医,前庭リハビリテーションのエビデンスや考え方,実施方法などは当院で実際に前庭リハビリテーションに従事している理学療法士に担当していただきました。本書は最新のエビデンスに基づきながら,目白大学耳科学研究所クリニックでの臨床研究や米国での臨床経験に海外の研修や講習会で得た臨床のコツを加え,実践的な前庭リハビリテーションを紹介します。
 本書を通して,理学療法士が耳鼻咽喉科医師(めまい相談医)と積極的にコンタクトをとり,転倒予防と,将来,質の高い前庭リハビリテーションを多くのめまい患者へ提供するための足がかりとなれば幸いです。最後になりましたが,本書の執筆に多大なご協力をいただききました執筆の先生方,多大なるご支援をいただいた野口真一氏をはじめメジカルビュー社編集部の皆様に心から感謝申し上げます。

2019年10月
伏木宏彰
加茂智彦
全文表示する

書評

Vestibular rehabilitation in Japan has traditionally been provided by physicians. This textbook is designed for health care providers and includes evidence-based data to make clinically informed decisions that should result in enhanced outcomes for persons living with balance and dizziness. The chapters contain scientific evidence for vestibular rehabilitation and testing principles. Excellent illustrations are provided throughout the book. Vestibular anatomy and physiology plus information about vestibular testing is provided for the reader. Treatment ideas are included with excellent illustrations. The book is a collaborative effort between active physicians and physiotherapists who are experienced in vestibular rehabilitation. This book will provide novice and experienced clinicians with information to provide enhanced care and increase the number of skilled professionals who have the skills and knowledge to treat persons with balance and vestibular disorders.
 
Susan L. Whitney, DPT, PhD, NCS, ATC, FAPTA
University of Pittsburgh Department of Physical Therapy
全文表示する

目次

第1章 前庭リハビリテーションとは?
 1.めまい平衡障害と前庭リハビリテーション~背景と現状~   加藤巧
 2.前庭リハビリテーションの適応とエビデンス   加茂智彦
第2章 前庭リハビリテーションに必要な解剖学・生理学
 1.はじめに   伏木宏彰
 2.前庭覚の機能と構造   角田玲子
 3.視覚   伏木宏彰
 4.体性感覚   浅井正嗣
 5.小脳・脳幹   伏木宏彰
 6.前庭皮質   
第3章 前庭リハビリテーションのための疾患の理解
 1.めまい・平衡障害をきたす疾患   伏木宏彰
 2.前庭神経炎   角田玲子
 3.突発性難聴・メニエール病   
 4.聴神経腫瘍   
 5.ハント症候群   
 6.両側前庭機能障害   
 7.頸性めまい   
 8.良性発作性頭位めまい症(BPPV)   伏木宏彰
第4章 前庭リハビリテーションに必要な検査・測定
 1.前庭リハビリテーションに必要な検査・測定   伏木宏彰
 2.診断の手がかりとなる問診   
 3.理学療法評価   加茂智彦
 4.Visual analogue scale(VAS)   
 5.Vertigo visual analogue scale(VVAS)   
 6.Dynamic visual acuity(DVA)   
 7.Dynamic gait index(DGI)   荻原啓文
 8.Functional gait assessment(FGA)   
 9.modifi ed Clinical test of sensory interaction in balance(mCTSIB)  加茂智彦
 10.Sharpened Romberg test   荻原啓文
 11.Dizziness handicap inventory(DHI)   
 12.The Activities-specifi c balance confi dence(ABC)scale   
 13.Vertigo handicap questionnaire(VHQ)   加茂智彦
 14.Vestibular dysfunction in activities of daily living(VADL)   
 15.Hospital anxiety and depression scale(HADS)   荻原啓文
 16. 注視・自発眼振検査,ベッドサイド HIT ,頭振り眼振検査,バイブレータ誘発眼振検査  伏木宏彰
 17.直立・偏倚検査   浅井正嗣
 18.重心動揺検査(stabilometry)   
 19.ENG(ETT ,OKN ,カロリック)   伏木宏彰,角田玲子
 20.最近の前庭機能検査法   角田玲子
 21.聴力検査   
第5章 前庭リハビリテーションの進め方
 1.前庭リハビリテーションを始める前に   加藤巧,加茂智彦
 2.目白式前庭リハビリテーションの実際   加茂智彦
第6章 一側前庭機能障害に対する前庭リハビリテーション
 1.一側前庭機能障害に対する前庭リハビリテーション  加藤巧,田中亮造
 2.症例検討   田中亮造,加藤巧,荻原啓文
第7章 両側前庭機能障害に対する前庭リハビリテーション
 1.両側前庭機能障害に対する前庭リハビリテーション  荻原啓文
 2.症例検討   荻原啓文
第8章 頸性めまいに対する前庭リハビリテーション理論   加藤巧
第9章 良性発作性頭位めまい症に対する頭位治療   伏木宏彰
第10章 自宅で行う前庭リハビリテーション   加藤巧
全文表示する

関連する
オススメ書籍