言語聴覚士
国家試験マスターノート

言語聴覚士国家試験マスターノート

■監修 上月 正博

■編集 志賀 清人
大塚 裕一
福岡 達之

定価 7,480円(税込) (本体6,800円+税)
  • B5判  644ページ  2色,イラスト597点,写真100点
  • 2023年12月29日刊行
  • ISBN978-4-7583-2086-3

出題傾向に基づく学習方針で効率よく要点を理解し,目指せ合格!

言語聴覚士を目指す学生向けの国家試験対策テキスト。
過去20年以上の出題傾向分析をベースに,ST国試第21〜25回の出題を踏まえた必須知識を図表を駆使して徹底解説。
各項目冒頭の出題傾向/学習方針/ここが大事!や,項目末のCHECK!/最近の出題など,多彩な切り口で受験対策のポイントを解説。オリジナル問題(CHECK!)に加えて,各項目に関連する国試過去問の問題番号と概要を紹介(最近の出題)。
「基礎編」と「専門編」のBook in Book形式なので,それぞれを分冊として利用可能。


序文

監修の序

 わが国では,1999年に初めて国家資格を有する言語聴覚士が誕生し,それ以来,言語,聴覚,発声発語,摂食嚥下,高次脳機能などにかかわる医療職として,大きな役割を果たしています。わが国は世界一の超高齢社会であり,高齢者や要介護者の生活の質の維持・向上に,コミュニケーション能力や摂食嚥下機能はきわめて重要です。それだけでなく,乳幼児や青少年のコミュニケーション障害に対しても,早期介入の有用性が明らかになってきました。このように,言語聴覚士に対する社会のニーズは年々高まっていると同時に,言語聴覚士に望まれる知識や技術が日々膨大になっています。

 本書は,言語聴覚士国家試験において必要な知識を効率的に学びたい人に向けて作られています。言語聴覚士が知っておくべき内容を整理し,国家試験を網羅するだけでなく,出題傾向を明記する,図表を豊富に掲載する,オリジナル問題およびその解説を掲載する,という特徴を有しています。それらを平易な文章で解説しました。こういった「欲張りな」書籍にするために,わが国を代表する言語聴覚士や医師に,編集・執筆にかかわっていただきました。本書の編集・執筆陣のお力のおかげで,養成校の講義では理解が難しかった内容に関しても,すんなりと理解できることと思います。

 国家試験合格は,言語聴覚士になるための必要条件です。ただし十分条件ではありません。言語聴覚士の臨床は,教科書どおりにいくものではなく,生きた経験を積む必要があります。また医療は日進月歩であり,新たな概念や診断・治療法が生み出され続けるので,学び続けることも必要です。そして入職2年目からは,皆さんの後進になる新人入職者に対して,わかりやすく教育する役割も出てきます。

 本書を,皆さんの国家試験勉強の相棒にしていただければ,監修者としては望外の喜びです。

2023年12月
上月正博

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編集の序

 言語聴覚士国家試験の出題範囲は,基礎医学,臨床医学,歯科医学,心理学,言語聴覚障害の専門分野など,幅広い領域に及びます。本書は,第26回言語聴覚士国家試験から適応となる『言語聴覚士国家試験出題基準 令和5年4月版』に準拠した内容となっており,出題範囲のすべてをカバーしています。各分野の専門家が過去問題を徹底的に分析し,出題の要点と国家試験対策のための学習方針をまとめているため,何から始めればよいかわからない学生であっても,出題傾向をつかむことで効率的に学習を進めることができます。言語聴覚士国家試験対策の参考書は,ほかの職種と比較すると少なく,そのほとんどが過去問の解説や要点を簡潔にまとめた内容にとどまっています。本書を手に取るとわかるようにボリュームがかなりありますが,各領域の内容はほかの書籍にはみられない充実したものとなっており,受験対策のための工夫がさまざまな箇所に盛り込まれています。

 本書の特徴は以下のとおりです。
 1)各項目のはじめに「出題傾向」と「学習方針」を箇条書きで簡潔にまとめている。
 2)学習を進めるうえでの覚え方のコツやアドバイスを,「ここが大事!」という囲み記事で示している。
 3)小見出しが多く,学習したい箇所がすぐに見つかる。
 4)本文は長い文章ではなく,簡潔な箇条書きである。
 5)イラストや写真,表を多用することで,理解を深められるように工夫している。
 6)最新の過去問を参考に,各専門家の先生が作成したオリジナルの〇×問題を掲載している。
 7)各項目の最後に,過去5年間に出題された国家試験問題の要点を掲載している。

 言語聴覚士国家試験に合格するには「コツ」があります。幅広い領域を学習するため,受験対策には膨大な時間を必要とします。しかし各領域のテキストや授業資料を平たく復習したり,いきなり国家試験の過去問を解いていくのは効率の悪い学習方法といえます。まずは各領域の出題傾向と要点をつかみ,自分に不足している知識や理解できていない点を把握する必要があります。得意とする分野はしっかりと強化し,不得意な分野はテキストで集中的に理解を深めるようにしましょう。また国家試験の過去問を詳細に分析すると,多くの重複したキーワードが出題されています。本書では,必ず覚えなければいけないキーワードや用語,重要ポイントは,色つき太字で強調していますので,出題傾向と要点をとらえる際の参考になると思います。
 本書には,各項目の要点と,項目末に理解度をセルフチェックできる〇×問題を掲載しています。間違った問題やなんとなく正解した問題,理解が不足していると感じる問題があれば,テキストの該当箇所に何度も戻って繰り返し確認,見直しを行ってみてください。学習のなかで自分で調べたり補足したいことは,直接本書に書き込んだり付箋を貼ったりすることで,自分だけのオリジナルテキストを作ってみましょう。本書が最大限に活用されることにより,受験する皆さんが言語聴覚士国家試験に合格し,言語聴覚士として臨床現場で活躍されることを願ってやみません。
 最後に監修をご担当いただきました上月正博先生ならびに各領域をご執筆いただきました先生方,発刊にあたりご尽力いただきましたメジカルビュー社 編集部の伊藤 彩 氏,髙橋祐太朗 氏に深謝申し上げます。

2023年12月
志賀清人
大塚裕一
福岡達之
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目次

第1分冊 基礎編
 Ⅰ章 基礎医学
  ① 医学概論
  ② 解剖学
  ③ 生理学(一般生理学,神経・運動・感覚機能)
  ④ 生理学(内臓機能)
  ⑤ 病理学
 Ⅱ章 臨床医学
  ① 内科学
  ② 小児科学
  ③ 精神医学
  ④ リハビリテーション医学
  ⑤ 耳鼻咽喉科学(聴器・喉頭・構音器官の構造と機能)
  ⑥ 耳鼻咽喉科学(耳科学・鼻科学)
  ⑦ 耳鼻咽喉科学(口腔・咽頭科学・喉頭科学・気道食道科学・頭頸部腫瘍学)
  ⑧ 臨床神経学(神経系の構造・機能・病態)
  ⑨ 臨床神経学(脳血管障害,頭部外傷,その他)
  ⑩ 臨床神経学(変性疾患,認知症,その他)
  ⑪ 形成外科学
 Ⅲ章 臨床歯科医学
  ① 臨床歯科医学
  ② 口腔外科学
 Ⅳ章 心理学
  ① 認知・学習心理学
  ② 心理測定法
  ③ 臨床心理学
  ④ 生涯発達心理学
 Ⅴ章 音声・言語学
  ① 音声学
  ② 音響学(音声生成の音響理論,音響特徴,知覚)
  ③ 聴覚心理学
  ④ 言語学
  ⑤ 言語発達学
 Ⅵ章 社会福祉・教育
  ① 社会保障制度
  ② リハビリテーション概論
  ③ 医療福祉教育・関係法規
  
第2分冊 専門編
 Ⅰ章 言語聴覚障害学総論
  ① 言語聴覚障害学総論
 Ⅱ章 失語・高次脳機能障害学(失語症)
  ① 失語症の定義
  ② 言語症状と失語症候群
  ③ 評価・診断
  ④ 訓練・支援
 Ⅲ章 失語・高次脳機能障害学(高次脳機能障害)
  ① 神経心理学の基本概念
  ② 各種高次脳機能障害の病巣・症状・検査
  ③ 訓練・援助
 Ⅳ章 言語発達障害学
  ① 総論
  ② 評価
  ③ 指導,支援
 Ⅴ章 発声発語・嚥下障害学
  ① 音声障害
  ② 構音障害
  ③ 摂食嚥下障害
  ④ 吃音症
 Ⅵ章 聴覚障害学
  ① 小児聴覚障害
  ② 成人聴覚障害
  ③ 補聴器
  ④ 人工聴覚器,聴覚・情報保障支援システム
  ⑤ 視覚聴覚二重障害
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