- 新刊
- 作業療法士
作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト
作業療法研究法
[Web動画付]
![作業療法研究法[Web動画付]](../database/cover_image/book/X/ISBN978-4-7583-2290-4.jpg)
定価 4,400円(税込) (本体4,000円+税)
- B5判 264ページ オールカラー
- 2025年10月3日刊行
- ISBN978-4-7583-2290-4
電子版
序文
監修の序
『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から15年経ち,「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」・「義肢装具学」・「作業療法管理学」の13巻に新しく「作業療法研究法」を加え,全14巻となります。
第3版改訂時の2020年は作業療法教育の変革の年でした。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポートを課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し視て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態がアクティブ・ラーニングです。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。『作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズ』も,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。
今回追加しました「作業療法研究法」を含めて,本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2025年9月
文京学院大学
長﨑重信
--------------------
編集の序
『作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト』シリーズに,新たに『作業療法研究法』が発刊される運びとなった。これまでにも数多くの価値ある研究法に関する書籍が出版されてきたが,本書では,特に研究を初めて行う学生や,改めて研究を始めようと考えている作業療法士を対象に,研究をどのようなプロセスで進めるのかを,わかりやすく解説することを目指して制作した。
本書には,学生が卒業研究を実施する過程で悩み,迷うことが想定される内容を盛り込んでいる。なぜ卒業研究を行うのか,研究疑問の立て方や文献収集の方法,論文執筆に限らず作業療法実践においても必要となる文章表現の基礎,論文の構成とその書き方などを解説している。また,研究を行う過程で必要となるパソコン操作の基本であるWordやExcelの使用方法,統計ソフトについても取り上げている。さらに,発表時のプレゼンテーションの方法や心構えについても解説している。
研究実践例では,作業療法の独自性を強調できるよう,事例報告,事例研究,文献研究,量的研究と質的研究を組み合わせた基礎研究から応用研究,混合研究,そしてエスノグラフィ研究まで幅広く執筆いただいた。どの研究実践例も非常に明快に示されており,今後,研究を始めようとする読者が,最終ゴールのイメージをもちやすくなると考えられる。読者のフィールドや興味・関心に応じて,参考にしていただきたい。
執筆者には,読者を研究の初心者と想定し,できる限り一人で読み進めるなかで,何を行えばよいのかが計画できるような内容にしてほしいこと,そして作業療法や作業科学の研究を行えることを目指した内容になるように依頼した。
本書は初学者向けの書籍であり,本書だけでは研究を遂行するには十分とはいえない部分もあるかもしれないが,作業療法・作業科学の研究に関する内容を多く盛り込んだ,これまでにない研究法の書籍となったと考えられる。本書をきっかけに研究に関心をもち,作業療法や作業科学の発展に寄与できる人材が増えることを願う。
2025年9月
西方浩一
『作業療法学ゴールド・マスター・テキスト』シリーズは2010年の発刊から15年経ち,「作業療法学概論」・「作業学]・「作業療法評価学」・「身体障害作業療法学」・「高次脳機能障害作業療法学」・「精神障害作業療法学」・「発達障害作業療法学」・「老年期作業療法学」・「地域作業療法学」・「日常生活活動学(ADL)」・「福祉用具学」・「義肢装具学」・「作業療法管理学」の13巻に新しく「作業療法研究法」を加え,全14巻となります。
第3版改訂時の2020年は作業療法教育の変革の年でした。臨床実習の形態においては,従来の,学生が臨床実習指導者の下で対象者の評価から治療まで行うものから,学生が実習指導者の行う対象者の評価から治療までを傍らで見学し,模倣してみる,一部対象者で実施するという流れで,その場で実習指導者が学生にフィードバックするクリニカル・クラークシップの作業療法参加型臨床実習への転換,地域実習の追加という大きな変更がありました。
そこで執筆者の先生方には,教科書の内容が作業療法参加型臨床実習にどのように関連しているのか示していただき,一部ですが,動画も提供していただきました。また,2020年はコロナ禍により多くの学校が教育方法の変革を求められた年でもありました。対面授業を遠隔授業に切り替え,実習や実技科目が大きな影響を受けました。学外での臨床実習は模擬患者を用いた学内実習に切り替えたところも多かったかと思います。このような状況の中でアクティブ・ラーニングの重要性が再認識されたように思います。従来の,教室に学生を集めて講義し試験やレポートを課すスタイルから,学生が自宅でネット配信された講義動画を視聴し,その都度,課題レポートを提出し,教員が評価とコメントをつけて返却することが毎回繰り返されました。学生が講義動画から課題を理解するために自分のペースに合わせて動画を繰り返し視て,理解したうえで調べ,課題を分析するということを学生自身が行う授業形態がアクティブ・ラーニングです。これを進めるために,教員は個々の学生と双方向の情報をやり取りする機会を増やした結果,個々の学生への指導量は増えましたが,学生の主体的な学びが伸びたように思われます。
eラーニングに関しては,文部科学省が2024年には小中高でデジタル教科書の配布を始めます。遠隔授業の経験から,動画媒体がアクティブ・ラーニングにも役立つと考えます。『作業療法学ゴールド・マスター・テキストシリーズ』も,時代の要請に応えられるよう変化させていきたいと考えています。
今回追加しました「作業療法研究法」を含めて,本シリーズをよりよいものにするためにも諸氏の忌憚ないご意見を聞かせていただければ幸いです。
2025年9月
文京学院大学
長﨑重信
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編集の序
『作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト』シリーズに,新たに『作業療法研究法』が発刊される運びとなった。これまでにも数多くの価値ある研究法に関する書籍が出版されてきたが,本書では,特に研究を初めて行う学生や,改めて研究を始めようと考えている作業療法士を対象に,研究をどのようなプロセスで進めるのかを,わかりやすく解説することを目指して制作した。
本書には,学生が卒業研究を実施する過程で悩み,迷うことが想定される内容を盛り込んでいる。なぜ卒業研究を行うのか,研究疑問の立て方や文献収集の方法,論文執筆に限らず作業療法実践においても必要となる文章表現の基礎,論文の構成とその書き方などを解説している。また,研究を行う過程で必要となるパソコン操作の基本であるWordやExcelの使用方法,統計ソフトについても取り上げている。さらに,発表時のプレゼンテーションの方法や心構えについても解説している。
研究実践例では,作業療法の独自性を強調できるよう,事例報告,事例研究,文献研究,量的研究と質的研究を組み合わせた基礎研究から応用研究,混合研究,そしてエスノグラフィ研究まで幅広く執筆いただいた。どの研究実践例も非常に明快に示されており,今後,研究を始めようとする読者が,最終ゴールのイメージをもちやすくなると考えられる。読者のフィールドや興味・関心に応じて,参考にしていただきたい。
執筆者には,読者を研究の初心者と想定し,できる限り一人で読み進めるなかで,何を行えばよいのかが計画できるような内容にしてほしいこと,そして作業療法や作業科学の研究を行えることを目指した内容になるように依頼した。
本書は初学者向けの書籍であり,本書だけでは研究を遂行するには十分とはいえない部分もあるかもしれないが,作業療法・作業科学の研究に関する内容を多く盛り込んだ,これまでにない研究法の書籍となったと考えられる。本書をきっかけに研究に関心をもち,作業療法や作業科学の発展に寄与できる人材が増えることを願う。
2025年9月
西方浩一
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目次
1 研究とは 西方浩一
1 研究とはなにか
2 作業療法における研究とは
3 作業の研究
2 卒業研究とは
1 文章表現の基礎 野本義則
2 卒業研究とは 西方浩一
3 卒業研究実施のために必要なこと 西方浩一
4 ゼミの運営 西方浩一
3 研究の進め方 國重雅史
1 知りたいことを形にする
2 研究疑問をつくる
3 先行研究の読み方
4 研究方法を選択する
5 研究倫理
6 研究計画書の作成
4 文献の集め方 東 泰弘
1 文献の種類
2 文献の収集方法
3 データベースの使用
5 論文の書き方 山根伸吾
1 論文の構成,論文の書き方
2 「はじめに」の執筆
3 「方法」の執筆
4 「結果」の執筆
5 「考察・結論」の執筆
6 「文献・謝辞」の記載
6 パソコンを活用する
1 執筆要項を確認する 野本義則
2 書式設定 生方 剛
3 ワード機能を活用する 生方 剛
4 エクセル機能を活用する 今井 孝
5 統計ソフトを活用する 池田公平
7 発表する
1 卒業研究・学会での発表 野本義則
2 プレゼンテーションの作成 神保洋平
3 質疑応答 野本義則
8 研究例
1 研究実践例①:事例報告 1つの実践から普遍的な学びへ 東 泰弘
2 研究実践例②:文献研究 作業科学研究の歴史的軌跡を紐解く 川端佐代子
3 研究実践例③:橋渡し研究 質的研究から量的研究まで 高木雅之
4 研究実践例④:混合研究法 質的研究(ナラティブ)と量的研究の融合 髙島理沙
5 研究実践例⑤:エスノグラフィ研究 川端佐代子
1 研究とはなにか
2 作業療法における研究とは
3 作業の研究
2 卒業研究とは
1 文章表現の基礎 野本義則
2 卒業研究とは 西方浩一
3 卒業研究実施のために必要なこと 西方浩一
4 ゼミの運営 西方浩一
3 研究の進め方 國重雅史
1 知りたいことを形にする
2 研究疑問をつくる
3 先行研究の読み方
4 研究方法を選択する
5 研究倫理
6 研究計画書の作成
4 文献の集め方 東 泰弘
1 文献の種類
2 文献の収集方法
3 データベースの使用
5 論文の書き方 山根伸吾
1 論文の構成,論文の書き方
2 「はじめに」の執筆
3 「方法」の執筆
4 「結果」の執筆
5 「考察・結論」の執筆
6 「文献・謝辞」の記載
6 パソコンを活用する
1 執筆要項を確認する 野本義則
2 書式設定 生方 剛
3 ワード機能を活用する 生方 剛
4 エクセル機能を活用する 今井 孝
5 統計ソフトを活用する 池田公平
7 発表する
1 卒業研究・学会での発表 野本義則
2 プレゼンテーションの作成 神保洋平
3 質疑応答 野本義則
8 研究例
1 研究実践例①:事例報告 1つの実践から普遍的な学びへ 東 泰弘
2 研究実践例②:文献研究 作業科学研究の歴史的軌跡を紐解く 川端佐代子
3 研究実践例③:橋渡し研究 質的研究から量的研究まで 高木雅之
4 研究実践例④:混合研究法 質的研究(ナラティブ)と量的研究の融合 髙島理沙
5 研究実践例⑤:エスノグラフィ研究 川端佐代子
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研究に取り組むためには,研究対象を観察したり評価したりするだけでなく,その状況をことばに落とし込み,さらに論文としてカッチリ仕上げていく必要がある。本書では研究そのものだけでなく,論文の書き方や表現方法の基本,Word,Excel,統計の基本など,論文をまだ書いたことがない学生がイチから始められるような内容を手取り足取り解説している。量的研究や質的研究,さらにはその根本にある現象にどのように臨むかなど,研究の姿勢もイチから学び,卒後臨床に出てからも研究に取り組める土台づくりができる,最新の作業療法学テキストが登場!