産婦人科手術

産婦人科手術 No.36

産婦人科手術 No.36

■編集 日本産婦人科手術学会

定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
  • B5判  200ページ  
  • 2025年6月16日刊行
  • ISBN978-4-7583-2366-6

日本産婦人科手術学会機関誌。第47回日本産婦人科手術学会の主題より選出した論文10編ほかを掲載

2024年11月に「Artへの知とテクノロジーの融合」をテーマとして開催された「第47回日本産婦人科手術学会」の主題,階調規格,シンポジウム等より選出した論文10編に,シンポジウムのディスカッション,編集委員会担当記事2編を加えた。テーマは「階調企画 前置胎盤の診断から対応まで」「主題1 産科出血への対応」と「シンポジウム1 骨盤手術に必要な解剖知識」,企画記事「産婦人科領域におけるhinotoriを使用したロボット支援下手術」「深部子宮内膜症手術の実際」。


序文

巻頭言

 このたび,第47回日本産婦人科手術学会を,2024年11月23日(土)~24日(日)の2日間,岡山コンベンションセンターにて開催いたしました。伝統ある本学会を岡山の地で主催する機会を賜り,大変光栄に存じますとともに,その責任の重さを改めて実感いたしました。本学会は,1978年に「産婦人科手術研究会」として発足し,1990年の第13回から「日本産婦人科手術研究会」,1993年の第15回より「日本産婦人科手術学会」として発展を遂げてまいりました。岡山大学としては,第5回(関場 香教授),第21回(工藤尚文教授),第33回(平松祐司教授)を担当させていただき,今回で4回目となります。
 本学会の最も重要なミッションは,世代や立場を問わず,手術に携わるすべての医師が集い,それぞれの工夫や経験を語り合い,互いに学び合う場を創出することにあります。第47回では「Artへの知とテクノロジーの融合」をテーマに掲げ,熟練した医師が培ってきた手術手技(Art)を,言語化・映像化(知)し,さらにデバイスや映像技術,薬剤,AIなどの最新テクノロジーを取り込むことで,手術の質的向上と新たな発展を目指しました。
 プログラムは,婦人科腫瘍,周産期,生殖内分泌,ヘルスケア領域まで幅広くカバーできるよう,16の特別企画セッションと2つの主題を設けました。婦人科腫瘍領域では「骨盤手術に必要な解剖学的知識」,「PDS vs NAC⇒IDS」,「鏡視下PAN郭清におけるアプローチ(経後腹膜 vs 経腹膜)」など,周産期領域では「産科出血に対する対応」,「妊産婦への手術操作」,「前置癒着胎盤の診断から対応まで」,そして生殖内分泌・ヘルスケア領域の「帝王切開瘢痕症候群の予防から治療まで」,「本邦における造膣術の現状と今後の課題」など,さまざまなテーマを企画しました。また,手術教育にも力を入れ,Faculty Development(FD)講習会や「これからの産婦人科手術教育」「Cadaver Surgical Trainingを用いた効率的な手術トレーニング」などのセッションを設け,若手医師の育成と手術技術の継承にもフォーカスしました。一般演題は81題と多くのご応募をいただき,主題として選出した8題を除く73題を12のセッションに分けてご発表いただきました。活発な討論と,和やかな交流が会場の至る所で見られ,学会の本来の意義を体現する2日間となりました。
 本号『産婦人科手術 No.36』には,主題1「産科出血への対応」,会長特別企画1「前置癒着胎盤の診断から対応まで」,会長特別企画2「骨盤手術に必要な解剖学的知識」の各演者の先生方にご執筆いただきました。それぞれの分野での最新の知見や実践的な工夫が凝縮されており,今後の臨床・研究活動に必ずや資するものと確信しております。
 最後に,多彩なテーマでご発表いただいた演者の先生方,岡山まで足を運び熱心にご参加くださった先生方,またWEB でご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。今後も本学会が,産婦人科手術の発展と,次世代への技術・知識の継承の場として,さらなる飛躍を遂げることを願ってやみません。

第47回 日本産婦人科手術学会
会長 増山 寿
(岡山大学学術研究院医歯薬学域産科・婦人科学教授)
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目次

巻頭言  第47回日本産婦人科手術学会 会長 増山 寿
日本産婦人科手術学会のホームページで閲覧できる学術集会講演の動画一覧

・前置癒着胎盤の診断から対応まで
直腸腟間隙を活用した新たな“Holding Uterus”技法によるPAS帝王切開子宮全摘出術の有効性と安全性の検討  吉田好雄
MRI検査による前置癒着胎盤の分娩前診断について~超音波検査を補完するMRI検査の役割とは~  石橋弘樹
前置胎盤手術における癒着胎盤診断の術前・術中評価~術中経腟超音波検査による血流持続時間の有用性の検討~  三苫智裕ほか
当院における産後出血に対する経カテーテル的動脈塞栓術を含めた対応についての検討  上村小雪ほか

・産科出血への対応
難治性「弛緩出血」の早期発見法の開発  吉村早織ほか
前置癒着胎盤の手術戦略~Delayed Interval Hysterectomyについて~  大畑尚子ほか
前置癒着胎盤に対しハイブリッド手術室を使用した10例の検討  谷 和祐ほか

・骨盤手術に必要な解剖学的知識
骨盤臨床解剖における婦人科と他科の違い  小林裕明
排尿機能温存のための骨盤内解剖知識と女性膀胱癌に対する膀胱全摘除術  別宮謙介
trans anal surgeryにおける骨盤解剖  近藤喜太
Discussion

・投稿論文
吊り上げ式腹腔鏡手術の利点と再評価~妊娠中の卵巣嚢腫手術での臨床経験をもとに~  田中智子

・企画記事
産婦人科領域におけるhinotori™を使用したロボット支援下手術  砂田真澄
深部子宮内膜症手術の実際~ターゲットを明確にして,過不足なく切除するために~  瓦林靖広

・日本産婦人科手術学会
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