新OS NOW No.12

境界領域の最新技術

境界領域の最新技術

■担当編集委員 落合 直之

定価 9,350円(税込) (本体8,500円+税)
  • A4判  188ページ  
  • 2001年10月22日刊行
  • ISBN978-4-89553-847-3

本書は,整形外科的疾患と境界をなす数々の疾患に携わっている他科の著者によって執筆されている。「脊椎外科領域」「形成外科領域」「救急医療」「IVR 関連」「その他」という章立てにより,整形外科と関連の深い疾患に対して,他科ではどのような手術療法が行われているかが一目で理解できる構成となっている。他科の著者による手術手技の記述の中に,今後の治療に役立つ情報を散見できる。

■シリーズ編集委員
高岡邦夫/岩本幸英/落合直之/清水克時

■シリーズ編集顧問
林浩一郎


序文

 本シリーズも回を重ねてきた。今回は,新風を吹き込まんとこれまでと趣を異にし「境界領域の最新技術」と銘打って編集した。
 運動器疾患を扱う整形外科の守備範囲は四肢から脊椎までと誠に多岐にわたっている。日本では,整形外科の歴史は脳外科よりはるかに長い。それ故,脊椎外科は一般外科から分かれたとき以来,整形外科の固有の領域となっていた。しかし近年のマイクロサージャリーの発達と脳外科の台頭により脊椎外科,特に脊髄外科領域は脳外科と整形外科の両者で扱う境界領域となってきている。
 形成外科は,整形外科,皮膚科,耳鼻科などに所属していた人たちが中心となって新たに開いた分野であるが,その歴史が物語るように整形外科と共通の領域は多々存在する。
 整形外科にとって,hot surgeryとcold surgeryは車の両輪のようなものである。その両方の知識を学んで初めて一人前の整形外科医ということがいえよう。その意味では外傷学は,本来整形外科そのものである。多数の科にまたがる救急医療の重要な一翼を当然整形外科は担っている。
 このように今や整形外科は,固有の領域以外に多数の科と多くの分野を共有している。整形外科の立場だけから眺めた疾患へのアプローチに対し,他科の側に立ってみるとまた趣を異にしたアプローチがあるはずである。概念を異にした治療法,その考え方を知ることは,それだけ疾患へのアプローチ・解決法・手段に幅がでるはずであり,ひいては個々の症例にあった最良の治療を提供できることに繋がるはずである。
 以上の趣旨から,脊椎外科関係,形成外科関係,救急医療関係で整形外科に特に関係のありそうな話題を中心に編集してみた。
 また,近年Interventional radiologyが発達してきている。その分野で整形外科に深く関わる深部静脈血栓,血管腫の治療法を,また多少毛色の違ったところでは治療に難渋するRSDや鏡視下での副甲状腺腫瘍摘出術についても取り上げてみた。
 このような編集方針から今回は,多岐にわたる境界領域の話題について脳外科学,形成外科学,救急医学,麻酔科学,放射線医学など整形外科学以外の多数の先生方にご執筆を賜った。
 話題によってはイラストにしずらいテーマもあり本編集の路線を多少踏みはずしたきらいもあるがお許しいただきたい。これは必ずしも手術手技に拘らずに,整形外科医として役立ちそうな知識は貪欲に取り入れた結果である。
 本書の内容が,これからの整形外科治療に少しでも役立ち,新しい発想のきっかけになれば望外の喜びである。

2001年9月
落合直之
全文表示する

目次

脊椎外科領域 
 Chiari 奇形  榎本貴夫
 Magerl 法におけるcomputer assisted surgery の実際  鈴木晋介
 脊髄動静脈奇形(AVM)  落合慈之
 脊髄空洞症  阿部俊昭
 tethered cord syndrome 手術適応と手術法  Shokei Yamada,ほか
 髄内腫瘍  阿部 弘
 脊髄髄膜瘤の新生児期の根治術  雨海照祥,ほか
 CT透視下経皮的椎体形成術,セメント注入療法  小林 健
 脊髄後根進入部遮断によるペインコントロール  平 孝臣
 腰痛に対するブロック療法  太田孝一,ほか
形成外科領域 
 母趾陥入爪の治療 フェノール法  小泉正樹,ほか
 tissue expander 法  菱沼茂之,ほか
 下肢糖尿病性潰瘍  加藤久和 
 穿通枝皮弁 前外側大腿皮弁  光嶋 勲,ほか
 静脈皮弁  仲沢弘明,ほか
 内視鏡利用による皮弁挙上採取  亀井 譲,ほか
 金属メッシュとマーレックスメッシュによる胸壁再建  久吉隆郎 
救急医療  
 熱傷の治療  和田貴子,ほか
 ガス壊疽の治療  入澤太郎,ほか
IVR(interventional radiology)関連  
 血管奇形のIVR(interventional radiology)  脇田進一,ほか
 深部静脈血栓症に対するカテーテル血栓溶解療法  星野俊一,ほか
 動脈血栓症に対するカテーテル血栓溶解療法  小西泰介,ほか
その他 
 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)に対する治療  小川節郎
 内視鏡下副甲状腺腫瘍摘出術  池田佳史,ほか
全文表示する