アクセプトされる英語医学論文を書こう!

ワークショップ方式による英語の弱点克服法

アクセプトされる英語医学論文を書こう!

■著者 Nell L. Kennedy

■訳者 菱田 治子

■企画 日本医学英語教育学会

定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
  • A5判  324ページ  
  • 2001年8月22日刊行
  • ISBN978-4-89553-969-2

長年日本で英語論文の校訂・添削を手がけてきた著者による日本人向けの英語論文執筆指南書!

長年日本で英語論文の校訂・添削を手がけてきた著者による日本人向けの英語論文執筆指南書。著者の経験に基づき,論文執筆において日本人が特に苦手とする英語の弱点とその克服法をわかりやすく解説。またワークショップ方式により,演習問題を実践しながら英語論文の書き方を基礎から具体的に学べるように構成されているので,これから論文執筆を志す人にも最適。


序文

Foreword
 本書の著者,ケネディ氏との出会いはJASMEE(日本医学英語教育学会)でした。JASMEEには,英語で論文を書いたり積極的に国際学会で発表をしようという意欲のある医師と,医学・看護系の大学で英語を担当している教師が大勢参加しています。ところが,「医学英語教育」となると医師も英語教師も今一つ専門家と言いにくく,医学と英語の両方に長けた人材が求められていました。
 ケネディ氏は,まさに我々のそんな期待に答えてくださる人材で,年次学会では,長年多くの英語論文の添削を手がけていらした経験から,日本人の陥りやすい間違い,また,よくわからないまま習慣的におかしてきた間違い等に対し,的確な説明と共に正しい表現・記述方法を,映像を用いて大変わかりやすく指導して下さい ます。
 今回,ケネディ氏が約1週間のセミナーに相当する内容をまとめあげ,特に日本人の医学・生物科学者のために,系統立てて指導する書として本書を出版してくださったことは願ってもない,ありがたいことです。
 本書の特徴は単に論文の正しい書き方について述べてあるのではなく,第1にWorkshop Activityを使って実際に演習をしながら身につけることができる点,第2に実際によくある質問に的確かつ納得のいく丁寧な説明がなされている点,第3に論文の各部で使用できる具体的な表現が提示されている点,そして何より役に立つのは読者自身が本書での指示どおりやることによって,自分の表現集を作り,今後の英語論文の執筆に悩まなくて良くなる点です。英語の論文を初めて書こうという人にも既に何回か書いている人にとってもこれほど役に立つ実用書はないように思われます。
 訳者という重要な役割を仰せつかり,医学の門外漢ながら,専門家にとってこの本がいかに役に立つものになるかを痛切に感じ,暖かく日本人科学者を指導している本書を,ケネディ氏の熱意とともになんとかうまく伝えられるよう努力したつもりです。
 最後になりましたが,このような玉稿の翻訳をさせていただく機会を与えて下さったケネディ先生に心から感謝いたします。また,浜松医科大学の大木教授にはお知恵を拝借し,大変お世話になりました。この場を借りて心から御礼申し上げます。
 本書が一人でも多くの読者のお役に立つことを願ってやみません。
菱田治子

Preface

 I believe the research paper you write today will help to build a better world tomorrow. For that reason, this book was written in Japan for scientists and future scientists. It is for persons who have not yet published in English and also for seasoned writers who have published but who want something to help guide the younger researchers in the writing of papers in English.
 By publishing internationally you raise the hopes for new medical treatments, eradication of diseases such as cancer and Alzheimer's, and the control of dangers that threaten the well-being of us all.

How to use the book
 The book is not only for medical research, but also for biochemistry, animal science, food science, environmental research, pharmacology, physiology, microbiology, public health, bacteriology, reproductive biology, toxicology, nutrition, veterinary medicine, and other biosciences.
 Part I tells how to START the scientific paper; Part II, how to write the MIDDLE; and Part III, how to FINISH the paper and send it to the journal. Most chapters contain five types of information:

1. Frequently asked questions. Short answers are given to some questions (FAQs) that physicians and other bioscientists have asked me over a 30-year period in this country.
2. Workshop Activity. The workshop activities can be done with members of your research laboratory, by self-study, as class projects, or with a small group of friends.
3. The contents of each section. Guidelines tell what information to put into each section of the scientific paper and which verbs to use.
4. Phrase collections. You can borrow from these phrases to express certain types of information in scientific papers.
5. English trouble spots. Each chapter shows typical English pitfalls to watch out for.

Acknowledgments
 I had no intentions of ever writing such a book as this one, but for more than 30 years many bioscience researchers in Japan have been asking me to write down the concepts that I have passed on to them. I especially thank the medical doctors and others in the biosciences, as well as university teachers and graduate students who have entrusted their manuscripts to me for advice. To Haruko Hishida, who so diligently translated the manuscript, I owe a debt of gratitude for putting her heart so painstakingly into the work and making every effort to convey the nuance of what I was really trying to say.
 I deeply appreciate Emiko Kawada, Hiroki Inoue, and Kaoru Karasawa for their skillful and ready help, and also Tsuyoshi Tajima and Takahiro Nishikoshi for technical assistance and encouragement. Warm appreciation is extended to the staff at Rakuno Gakuen University Library for their constant help and speed in tracking down materials. I express heartfelt thanks to Dr. Hiroshi Yokota and the Biochemical Journal and to The New England Journal of Medicine for granting permission to print excerpts from published work.

Nell L. Kennedy
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目次

第1部 論文を書き始める前にできること
第1章 木を見て森を見ず
   1.1 この章のねらい
   1.2 受理されなかった論文を活用する
   1.3 よく尋ねられる質問
 1A できあがった自分の論文をイメージする
   1.4 最初から自分の論文の全体像を思い描く
   1.5 自己診断テスト
   1.6 不自然な英語?
   1.7 科学論文はどのような順で読むのか?
 1B 論文の枠組を決める
   1.8 最初にタイトルと概要を書く意味は?
第2章 IMRAD以外から書き始める−タイトルページ,謝辞,参考文献
   2.1 細部にわたる仕事を,最後になって大急ぎで片づけるのは禁物
 2A 投稿規定
   2.2 執筆者のための投稿規定は必読
   2.3 白紙を9枚,用意する
   2.4 9つに分けたなかで,今すぐ書き始められる部分があるか?
 2B タイトルページ
   2.5 〈タイトルページ〉のテンプレート
 2C 〈謝辞〉
   2.6 〈謝辞〉
   2.7 〈謝辞〉に使える表現を集める
 2D 〈参考文献〉
   2.8 自分の〈参考文献〉を作る
 2E 点検表
   2.9 前進するか,ぐずぐず引き延ばすか?
第2部 説得力のある論文を書くには   
第3章 〈序論〉を書く
   3.1 〈序論〉の果たす役割
   3.2 〈序論〉と〈考察〉の違い
   3.3 〈序論〉で書く内容
 3A 〈序論〉でよく使われるフレーズ
   3.4 研究目的を述べるのに役立つ表現を集める
   3.5 さらに研究が必要であるという表現を集める
 3B 〈序論〉で陥りやすい間違い
   3.6 〈序論〉の適切な長さは?
   3.7 目的を述べるときの落とし穴
   3.8 previously / recentlyに関する落とし穴
   3.9 まぎらわしい言葉の混同
   3.10 従属節の動詞の間違い
   3.11 混同しやすいペア(対語)
   3.12 日本語名の英語表記
   3.13 名称
   3.14 国際的思考へ
   3.15 微妙で難しい錯覚の落とし穴
第4章 〈材料と方法〉を書く
   4.1 〈材料と方法〉の果たす役割
   4.2 実際的そして親しみやすい構成
   4.3 〈結果〉と同じ見出しを使う
   4.4 見出しを作るためのガイドライン
   4.5 測定単位
 4A 〈材料と方法〉の内容
   4.6 読者は何を期待しているか
   4.7 動詞の時制
   4.8 内容のガイドライン
 4B 〈材料と方法〉でよく使われる表現
   4.9 言いたいことを表現するには
 4C 〈材料と方法〉での落とし穴
   4.10 間違いやすい英語表現
   4.11 客観性 対 主観性
第5章 〈結果〉を書く
   5.1 〈結果〉の果たす役割
   5.2 内容
   5.3 関連性と信頼度
   5.4 構造
   5.5 コミュニケーション能力の問題?
   5.6 自己テスト
 5A 〈結果〉でよくみられる表現
   5.7 〈結果〉で使える表現
 5B 英語トラブルスポット
   5.8 〈結果〉で繰り返される落とし穴
 5C 表(Tables)
   5.9 表の役割
   5.10 表を作る
 5D 図(Figures)
   5.11 図の効果的な使い方
   5.12 間違いやすい個所
第6章 〈考察〉を書く
   6.1 〈考察〉のねらい
   6.2 ステップ1:〈考察〉の入門
   6.3 ステップ2:中間
   6.4 ステップ3:終末部
   6.5 〈考察〉の内容
 6A 〈考察〉でよく使われる表現
   6.6 自分の研究について論じるときの表現
   6.7 他の研究者の論文について言及するときの表現
 6B 英語トラブルスポット
   6.8 〈考察〉で繰り返される落とし穴
第3部 論文の仕上げから投稿まで   
第7章 タイトルをつける
   7.1 タイトルのねらい
   7.2 よいタイトルをつけることの重要性
   7.3 よいタイトルの特徴は?
   7.4 スタイル
第8章 〈抄録〉を書く
   8.1 〈抄録〉のねらい
   8.2 優れた〈抄録〉に見られる特徴
   8.3 〈抄録〉とタイトルの違い
   8.4 動詞の時制
   8.5 内容について
第9章 添え状を書き,原稿を送る
   9.1 添え状(cover letter)のねらい
   9.2 編集長へのメッセージ
   9.3 チェックリストと形式表現
   9.4 添え状の落とし穴
   9.5 添え状の書き方
   9.6 郵送の準備
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