新OS NOW No.13

高齢者に対する整形外科手術

より高い機能を求めて

高齢者に対する整形外科手術

■担当編集委員 清水 克時

定価 9,350円(税込) (本体8,500円+税)
  • A4判  196ページ  
  • 2002年1月30日刊行
  • ISBN978-4-89553-978-4

高齢化社会を迎え,高齢者に対して整形外科手術を行う機会は益々増えると思われる。
加齢による変化や他疾患の合併症は,手術を行うにあたり十分に考慮が必要であり,またQOLを充実させるために,手術的治療に対してより高い機能も求められている。今回は高齢者にスポットをあて,術前・術後管理の章と部位別の章に分けて高齢者に対する手術的治療の注意点とポイントを写真・イラストとともに解説している。

■シリーズ編集委員
高岡邦夫/岩本幸英/落合直之/清水克時

■シリーズ編集顧問
林浩一郎


序文

 これからの10年間には,現在最も人口の多い中高年世代(昭和21年〜30年生まれのいわゆる団塊の世代)が高齢者になってゆきます。この過程で,人口の高齢化率はさらに加速され,本格的な高齢社会に突入するとともに,高齢者の約半数が戦後生まれになってしまうことが予想されます。私を含む団塊の世代は,生まれたときからベビーブーマーとして,つねに人口の重心となり,社会の動きの中心的役割を果たしてきました。そのため,この世代は,社会に今なお残る「高齢者=社会的・経済的な弱者」という画一的な見方を払拭して,新しい「自立」した高齢者像をつくる潜在的能力をもつといわれています。高齢化したベビーブーマーは年老いても自立した生活を望み,職業生活だけでなく,ボランティア活動や生涯学習を長く続けたいという欲求を持っています。多様化した価値観や生活様式を持ち,子供よりも配偶者や社会保障制度に対する期待が強く,自らの責任と能力において自由で生き生きとした生活を送るというライフスタイルを好むことが多いようです。
 このような時代,新しい高齢者に対応する整形外科治療はますます多様化されます。それぞれの生活様式に適合した,様々な治療目標を設定する必要があります。また,その目標を達成するのに必要なリスクや負担を整形外科医が提示し,十分なインフォームドコンセントを得ることが必須の条件になります。
 前シリーズ,OS NOW が高齢者の整形外科手術をテーマとして取り上げたのは,7年前の1994年12月でした。その後の整形外科の進歩にはめざましいものがあります。整形外科の各専門分野を通じて,より高い機能的目標が達成できるようになっています。しかし,一方では,7年前にはそれほど問題にならなかった合併症,たとえばエコノミークラス症候群として有名になった,肺塞栓症・深部静脈血栓症が,主要な手術合併症として注目され,糖尿病を初めとする生活習慣病を合併した例にも手術を実施する機会が増えています。
 新OS NOW No.13 『高齢者に対する整形外科手術』では,「より高い機能を求めて」という副題をつけました。高齢者の自立を支援するための,より高い機能を求める整形外科手術ということをテーマに各専門分野から珠玉の原稿を集めました。執筆者には心から感謝いたします。本書が新しい時代の整形外科手術をサポートする一助となれば幸いです。

2001年12月
清水克時
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目次

●高齢者の術前・術後管理
 術前・術後管理
 整形外科における肺塞栓症・深部静脈血栓症 高齢者への配慮
 
●高齢者の脊椎手術
 骨粗鬆症性胸腰椎圧迫骨折と遅発性椎体圧潰
 高齢者の頚髄症
 高齢者の腰部脊柱管狭窄症
 高齢者の脊椎転移腫瘍の手術
 
●高齢者の上肢手術
 高齢者の肩腱板損傷
 高齢者の上腕骨頚部骨折に対する直線状横止め髄内釘固定法
 高齢者の肘関節周辺骨折
 高齢者のRA肘障害に対する人工肘関節形成術
 高齢者の前腕骨遠位端骨折
 高齢者の母指CM関節症に対する関節形成術
 
●高齢者の股関節・骨盤手術
 高齢者の大腿骨転子部骨折 Ender法
 高齢者の大腿骨転子部骨折 ガンマネイル
 高齢者のセメントレス人工股関節全置換術
 高齢者の人工股関節置換術 セメント使用
 
●高齢者の下肢手術
 高齢者の人工膝関節置換術
 高齢者の脛骨プラトー骨折低侵襲手術 関節鏡の応用
 高齢者の下肢切断における適応と問題点
 早期歩行可能とする高齢者足部変形に対する距骨体部切除術
 慢性関節リウマチによる前足部変形に対する手術 母趾MP関節固定術と第2〜4足趾中足骨頭切除術
 
●その他
 多関節を罹患した高齢慢性関節リウマチ患者の手術
 高齢者の悪性骨軟部腫瘍に対する手術
 高齢者の悪性骨軟部腫瘍に対する化学療法
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